東京でカラヴァッジョ 日記

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幽霊・妖怪画大全集(横浜・そごう美術館)

2013年08月04日 | 展覧会(日本美術)

福岡市博物館所蔵 幽霊・妖怪画大全集
2013年7月27日~9月1日
横浜・そごう美術館


今夏、首都圏では、3つの妖怪に関する展覧会が開催されている。

1)三井記念美術館
大妖怪展-鬼と妖怪そしてゲゲゲ
7/6~9/1

2)横須賀美術館
日本の「妖怪」を追え! 北斎、国芳、芋銭、水木しげるから現代アートまで
7/13~9/1

3)横浜・そごう美術館
福岡市博物館所蔵 幽霊・妖怪画大全集
7/27~9/1

開始は7月まちまちだが、終了は全て9月1日という、夏休み特別企画。


私が向かったのは、そごう美術館。
他2展と異なり幽霊画もターゲットとしていること、横浜の前に大阪に巡回(4/20~6/9と夏からは外れていた)、見たいと思っていたことによる。

<展覧会の構成>
全160点。肉筆画と浮世絵版画から構成。約半分が前期または後期のみの展示。

プロローグ:笑う骸骨
第1章 幽霊画の世界
第2章 妖怪画の世界
2-1 百鬼夜行と妖怪図鑑
2-2 鬼
2-3 天狗
2-4 人間
2-5 妖怪動物園
2-6 実録怪物退治

<印象に残った作品>

笑う骸骨

◇2点の≪九相図≫(No3,4)
 長沢芦雪筆と、作者不詳・明治時代の作品。

幽霊画の世界

◇伝・円山応挙≪幽霊図≫(No10)
 奇麗なおねえさん。足がないのは応挙が発祥という。

◇祗園井特の2点≪墓場の幽霊図≫≪お菊幽霊図≫(No15,16)
 特徴のある顔。2点とも同じ顔。

◇河鍋暁斎≪幽霊図≫(No24)
  生首の髪の毛をくわえている幽霊。
 首を振り回したあとなのだろうか、周りに飛行機雲ならぬ、生首雲が残る。
 この迫力。マイ・セカンド・ベスト。

妖怪画の世界

◇佐脇嵩之≪百怪図巻≫(No86)
  マイベスト。4面チラシの1面に紹介されている。
 実に楽しい妖怪たち。1737年作。
 全30の妖怪が描かれているとのことだが、本展では巻き替え対象で、私が見たのは次の9の妖怪(※はチラシに紹介あり)。
 1 ぬれ女※
 2 くわっぱ
 3 がごぜ
 4 ぬらりひょん※
 5 火車※
 6 うぶめ
 7 ぬっぺっぼう
 8 わいら
 9 おとろし※
 参照:Wikipedia

◇作者不詳≪怪奇談絵詞≫(No87)
  土地(九州)のローカルな妖怪、時事ネタ(怪奇譚)から生まれた妖怪が描かれているらしい。
 江戸末期-明治時代作。
 全32の妖怪が描かれているとのことだが、本展では巻き替え対象で、私が見たのは13の妖怪。
 総じて馴染みの薄い妖怪たち。
 風刺としての妖怪が多い。外国人を奇抜な姿の妖怪として描いているものも多い。
 参照:福岡のばけもの(福岡市博物館)

◇重光≪豆腐小僧≫(No123)
  嘉永年間(1848-53)頃作。
 2・3人前の大きさの豆腐を、長い舌を出しながら運ぶ小僧。

伊藤若冲の≪付喪神図≫は、府中市美以来の再見。
コレクションの元主、吉川観方の幽霊画≪朝顔・夕顔≫は最後に登場。

肉筆画を中心に楽しんだ。
キャプションの題名の上に添えた「作品の一言紹介」が楽しめる。
ファミリー客が多かった。


さらに幽霊画を求めて。
次の訪問先は、東京谷中の全生庵で毎年8月に公開される「三遊亭円朝幽霊画コレクション」かなあ。


<展覧会HPより>
京都出身の日本画家で、風俗研究家でもあった吉川観方(1894-1979)は、絵画、染織、工芸など約12000点にのぼる風俗関係資料を生涯にわたり収集しました。観方は、日本の風俗史を研究するなかで幽霊や妖怪に強く惹かれ、その収集資料には江戸中期から昭和期までの様々な幽霊・妖怪画が含まれています。
本展覧会では、福岡市博物館に所蔵される吉川観方のコレクションを中心に、肉筆画や浮世絵版画の幽霊・妖怪画約160点を一堂に展覧いたします。幽霊画を得意とした円山応挙筆と伝える作品をはじめ、伊藤若冲、歌川国芳、月岡芳年、河鍋暁斎など、各時代に活躍をした絵師たちが描いた恐ろしくも美しい世界をぜひお楽しみください。



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