藤田美術館の至宝 国宝曜変天目茶碗と日本の美
2015年8月5日~9月27日
サントリー美術館
「名品ずらり。めっちゃええやん!」
曜変天目茶碗なるものが存在していることは認識していたが、これまで実物を見たことはなかったので、いい機会と訪問する。
現存わずか3点、中国福建省で作られたにもかかわらず、その3点全てが何故か日本にあって国宝指定。うち1点を大阪市都島区にある藤田美術館が所蔵する。
瑠璃色の斑文が器の内側、内側のみならず外側にもあって、まるで「宇宙の星」のようである。生成方法は未だ不明という点でも神秘的。1918年に、初代ではなくその長男が入手したとのこと。
曜変天目茶碗の展示ケースを何周もする。周りからは「きれい」の声。「小さい」との声も交じる。小学生らしい男の子が展示ケースから離れずずっと眺めている。珍しい光景。
藤田美術館が所蔵する国宝全9点が本展に出品されるが、東京会場には8点の出品で、私の訪問日は5点の展示である。
以下、見た国宝名を記載する。
《大般若経》第500巻
→全600巻中387巻を藤田美術館が所蔵。本展には、キリのいい数字の巻(500と600)を選んで出品したのかな?
《両部大経感得図》藤原宗弘筆、1136年
→廃仏毀釈で廃寺となった奈良・内山永久寺伝来の2幅1組の障子絵。両部とは、密教で特に重要な『大日経』と『金剛頂経』のことで、これら経典の伝来をめぐる説話を描いたもの。
《玄奘三蔵絵》第1巻、14世紀
→怪物たちがうごめく大海原のなかに聳え立つ須弥山、山に向かって飛び石のように開いている蓮の葉、その葉を跳んで渡って山に辿りつく三蔵法師。海・波の描写・色彩、海の怪物たちの姿が印象的。後期は第6巻が展示される。
《深窓秘抄》11世紀
→巻き替えあり。百一首からなる和歌集を書写したもの。
《曜変天目茶碗》中国・南宋時代、12~13世紀
→通期展示。
《紫式部日記絵詞》は残念ながら後期展示。
「名品ずらり。めっちゃええやん!」は、東京の後は、福岡市美術館に巡回する。