興福寺中金堂再建記念特別展
運慶
2017年9月26日〜11月26日
東京国立博物館
これほど鑑賞に没頭した展覧会は初めてかもしれない。
展示される彫刻作品は、総じて大きいし、総じて360度鑑賞ができる。だから、絵画の展覧会と違って、アイドル時間が殆どない。次から次へと、遠くからあるいは間近で、作品を鑑賞し続けることになる。
奈良博で見た「快慶」は、仏像だなあ、という印象、「静」の印象であった。
一方 「運慶」は、仏像という印象にとどまらない、「生命力がみなぎる」「迫真性に満ちた」造形、ただ眺め入るばかり。素晴らしい。
また、運慶作品のみならず、父の康慶、息子の湛慶や康弁の作品も出品されていて、これがまた魅力的である。
振り返ると、鑑賞時間の殆ど、顔の部分ばかりを観ていた気がする。玉眼の魔力に囚われたということだろうか。あっという間に時間が過ぎている。
仏像に疎い私、以降は、本展出品の運慶作品名を並べる。
運慶(1150年頃〜1223年)。
「運慶作あるいはその可能性が高いと考えられているのは、異論はあるものの、31体という見方が一般的」だという。そのうち22体が出品される「史上最大の運慶展」。
以下、22体の出品作(●印は、出品リスト上の作者名が空白を示す)。
No.4
国宝《大日如来坐像》
1176年
奈良・円成寺
No.6
重文《仏頭》
1186年
奈良・興福寺
No.9
国宝《毘沙門天立像》
1186年
静岡・願成就院
No.11(10/21〜)
重文《阿弥陀如来坐像および両脇待立像》3軀
1189年
神奈川・浄楽寺
No.12
重文《不動明王立像》
1189年
神奈川・浄楽寺
No.13
重文《毘沙門天立像》
1189年
神奈川・浄楽寺
No.18
国宝《八大童子立像》6軀
1197年頃
和歌山・金剛峯寺
・制多迦(せいたか)童子
・矜羯羅(こんがら)童子
・恵光(えこう)童子
・清浄比丘(しょうじょうびく)童子
・恵喜(えき)童子
・烏倶婆ガ(うぐばが)童子
✳︎残り2軀は後年(南北朝時代)の補作であり、本展非出品。
No.20
国宝《無著菩薩立像 世親菩薩立像》2軀
1212年頃
奈良・興福寺
No.16
重文《大日如来坐像》●
鎌倉時代・12〜13世紀
東京・真如苑真澄寺
No.15
重文《地蔵菩薩坐像》
鎌倉時代・12世紀
京都・六波羅蜜寺
No.17
重文《大日如来坐像》●
鎌倉時代・12〜13世紀
栃木・光得寺
No.19
重文《聖観音菩薩立像》運慶・湛慶作
1201年頃
愛知・瀧山寺
No.24
重文《大威徳明王坐像》
1216年
神奈川・光明院(神奈川県立金沢文庫管理)
No.27(10/7〜)
国宝《重源上人坐像》●
鎌倉時代・13世紀
奈良・東大寺