クリーブランド美術館展-名画でたどる日本の美
2014年1月15日~2月23日
東京国立博物館
会場は、特別展示室1・2と、いつもの特別展の半分のスペース。
日本美術42点のほか、特別出品として中国絵画5点、西洋絵画4点を楽しめる。
1:二河白道図
初めてこの仏画を認識した。何が描かれているのかを説明した会場の解説パネルのおかげである。
写真は、総合文化展に展示されている別バージョン。
2:福富草紙絵巻
2012年サントリー美「お伽草子」展でその存在を認識した、大人気の放屁もの絵巻。
本展では、別バージョンが展示されている。
福富が中将の前で大失態を演じ、懲らしめられる場面。
福富の臀部からはかすかに茶色いシャワーが見て取れる。
公開されている場面は、上記場面とそれに続く場面。
○福富の帰りを遠くに見た福富の妻、喜び勇んで家に戻る。
(実に生き生きとした表情の妻)
○褒美を得られたと思った福富の妻、家にある衣服をことごとく焼き払う。
(なんとも気が早すぎる妻)
○汚れた服を脱いだ福富、寒さに震える。
(長い棒の先に、ぼろぼろの福富の服をひっかける妻、さぞ臭うのだろう。)
会場の解説パネルによると、もう一人の主人公、福富の妻が(公開されていない)後半の場面で大躍動!!を繰り広げるらしい。
これらの場面も見たい。
全場面が掲載されている図録をもとに計算すると、公開されているのは3分の1程度。
今後巻替えがあればなあ。仮にあったとしても、尺の事情で、後半場面の公開はなさそうだけれども。
以下、福富の妻が大躍動!!の未公開場面。
○口論の末、妻に踏まれる福富。
○芸の失敗の原因が、秀武にあると思い至った福富の妻、秀武を呪詛する。
○下痢の止まらない福富に、薬湯をすすめる福富の妻。
○医師から下剤止めの薬をもらう福富の妻。
○福富の妻、往来で見かけた秀武に噛み付く。
あと絵巻でいえば、断簡であるが、
≪駒競行幸絵巻断簡≫
≪遊女物語絵巻断簡≫
も興味深い。
3:西洋絵画
実は本展で楽しみにしていたのが、この西洋絵画4点コーナー。
なんといっても、ルソー≪トラとバッファローの戦い≫が楽しい。
隣のコーナー展示の雪村≪龍虎図屏風≫と対決だ!!
ピカソの青年時代の作品≪画家の妹ローラ≫も忘れてはならない。
あと2点は、モリゾ≪読書≫、モネ≪アンティーブの庭師の家≫。
<東京国立博物館1089ブログより>
なぜクリーブランドにこれほどの日本美術のコレクションがあるのでしょうか?
実は、GHQの美術顧問を勤め、東洋美術研究者として名高いシャーマン・リー(1918-2008)が1952年にクリーブランド美術館に赴任し、1958年から館長を勤めているのです。
彼が、ジャンルも時代もバランスよく体系的に日本美術を収集したことが、いまの日本美術コレクションの土台になりました。