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【画集】世界美術大全集 西洋編 全28巻

2019年06月05日 | 書籍
世界美術大全集   西洋編   全28巻
刊行:1992(平成4)〜1997(平成9)年
小学館
 
 
   現時点で最新の西洋美術の大型美術全集。価格は当初は20,000円(消費税3%込み)、現在も販売中で本体価格28,000円。
   カラー図版は大きくて美しいし、解説も貴重なものも多いし、質の高い全集であることは間違いない。ただ、購入となると、お値段の問題や保管場所の問題あり。吟味に吟味を重ね、購入は僅か4冊。この4冊は今も時々参照する。あの巻も手元に置きたいなと今でも時々思うこともあるが、諸問題を想起し、その思いを打ち消してきている。
 
 
   小学館は、西洋編の完結後引き続き1997年12月〜2001年2月まで「世界美術大全集  東洋編」全18巻を刊行。
 
   また、2012年12月〜2016年6月まで「日本美術全集」全20巻を刊行完結させている。本年(2019年)3月、同全集の月報の宮下規久朗氏による連載が1冊の本になって刊行された。『そのとき、西洋では:時代で比べる日本美術と西洋美術』(小学館)である。先史から現代までの日本美術と西洋や中国その他世界の美術とを僅か270頁ほどで時代・流派比較・俯瞰する快著である。これはおすすめ!
 
   小学館の美術書は、総じて図版の質が高いものが多くてありがたく思う。
 
 
   さて、「世界美術大全集  西洋編  全28巻」を巻号順および刊行順に記載する。★印は私の購入巻を示す。
 
【巻号順】
 
1巻:先史美術と中南米美術
   (編/青柳正規、大貫良夫)
   第18回配本、1995年11月
 
2巻:エジプト美術
   (編/友部直)
   第8回配本、1994年3月
 
3巻:エーゲ海とギリシア・アルカイック
   (編/友部直、水田徹)
   第26回配本、1997年3月
 
4巻:ギリシア・クラシックとヘレニズム
   (編/水田徹)
   第17回配本、1995年9月
 
5巻:古代地中海とローマ
   (青柳正規)
   第27回配本、1997年5月
 
6巻:ビザンティン美術
   (編/高橋榮一)
   第28回配本、1997年7月
 
7巻:西欧初期中世の美術
   (編集委員/辻佐保子)
   第25回配本、1997年1月
 
8巻:ロマネスク
   (責任編集/長塚安司)
   第20回配本、1996年3月
 
9巻:ゴシック1
   (編/飯田喜四郎、黒江光彦)
   第13回配本、1995年1月
 
10巻:ゴシック2★
   (編/佐々木英也、冨永良子)
   第11回配本、1994年9月
 
11巻:イタリア・ルネサンス1★
   (編/佐々木英也、森田義之)
   第1回配本、1992年11月
 
12巻:イタリア・ルネサンス2
   (久保尋二、田中英道)
   第12回配本、1994年11月
 
13巻:イタリア・ルネサンス3★
   (編/佐々木英也、森田義之)
   第7回配本、1994年1月
 
14巻:北方ルネサンス★
   (編/勝國興)
   第16回配本、1995年7月
 
15巻:マニエリスム
   (編/若桑みどり、森洋子)
   第23回配本、1996年9月
 
16巻:バロック1
   (編/神吉敬三、若桑みどり)
   第9回配本、1994年5月
 
17巻:バロック2
   (編/高橋達史、坂本満)
   第15回配本、1995年5月
 
18巻:ロココ
   (編/坂本満)
   第22回配本、1996年7月
 
19巻:新古典主義と革命期美術
   (編/鈴木杜幾子)
   第5回配本、1993年9月
 
20巻:ロマン主義
   (著/高階秀爾)
   第3回配本、1993年5月
 
21巻:レアリスム
   (編/馬渕明子)
   第6回配本、1993年11月
 
22巻:印象派時代
   (編/池上忠治)
   第4回配本、1993年7月
 
23巻:後期印象派時代
   (編/池上忠治)
   第2回配本、1993年2月
 
24巻:世紀末と象徴主義
   (著/高階秀爾、編/千足伸行)
   第19回配本、1996年1月
 
25巻:フォーヴィズムとエコール・ド・パリ
   (編/島田紀夫、千足伸行)
   第10回配本、1994年7月
 
26巻:表現主義と社会派
   (編/千足伸行)
   第14回配本、1995年3月
 
27巻:ダダとシュルレアリスム
   (編/乾由明、著/高階秀爾、編/山梨俊夫)
   第24回配本、1996年11月
 
28巻:キュビスムと抽象美術
   (編/乾由明、著/高階秀爾、編/本江邦夫)
   第21回配本、1996年5月
 
別巻:総索引
   第29回配本、1997年9月
 
 
 
【刊行順】
 
11巻:イタリア・ルネサンス1★
   (編/佐々木英也、森田義之)
   第1回配本、1992年11月
 
23巻:後期印象派時代
   (編/池上忠治)
   第2回配本、1993年2月
 
20巻:ロマン主義
   (著/高階秀爾)
   第3回配本、1993年5月
 
22巻:印象派時代
   (編/池上忠治)
   第4回配本、1993年7月

19巻:新古典主義と革命期美術
   (編/鈴木杜幾子)
   第5回配本、1993年9月

21巻:レアリスム
   (編/馬渕明子)
   第6回配本、1993年11月

13巻:イタリア・ルネサンス3★
   (編/佐々木英也、森田義之)
   第7回配本、1994年1月

2巻:エジプト美術
   (編/友部直)
   第8回配本、1994年3月
 
16巻:バロック1
   (編/神吉敬三、若桑みどり)
   第9回配本、1994年5月
 
25巻:フォーヴィズムとエコール・ド・パリ
   (編/島田紀夫、千足伸行)
   第10回配本、1994年7月
 
10巻:ゴシック2★
   (編/佐々木英也、冨永良子)
   第11回配本、1994年9月
 
12巻:イタリア・ルネサンス2
   (久保尋二、田中英道)
   第12回配本、1994年11月

9巻:ゴシック1
   (編/飯田喜四郎、黒江光彦)
   第13回配本、1995年1月
 
26巻:表現主義と社会派
   (編/千足伸行)
   第14回配本、1995年3月
 
17巻:バロック2
   (編/高橋達史、坂本満)
   第15回配本、1995年5月

14巻:北方ルネサンス★
   (編/勝國興)
   第16回配本、1995年7月
 
4巻:ギリシア・クラシックとヘレニズム
   (編/水田徹)
   第17回配本、1995年9月

1巻:先史美術と中南米美術
   (編/青柳正規、大貫良夫)
   第18回配本、1995年11月
 
24巻:世紀末と象徴主義
   (著/高階秀爾、編/千足伸行)
   第19回配本、1996年1月

8巻:ロマネスク
   (責任編集/長塚安司)
   第20回配本、1996年3月
 
28巻:キュビスムと抽象美術
   (編/乾由明、著/高階秀爾、編/本江邦夫)
   第21回配本、1996年5月
 
18巻:ロココ
   (編/坂本満)
   第22回配本、1996年7月

15巻:マニエリスム
   (編/若桑みどり、森洋子)
   第23回配本、1996年9月
 
27巻:ダダとシュルレアリスム
   (編/乾由明、著/高階秀爾、編/山梨俊夫)
   第24回配本、1996年11月

7巻:西欧初期中世の美術
   (編集委員/辻佐保子)
   第25回配本、1997年1月

3巻:エーゲ海とギリシア・アルカイック
   (編/友部直、水田徹)
   第26回配本、1997年3月

5巻:古代地中海とローマ
   (青柳正規)
   第27回配本、1997年5月

6巻:ビザンティン美術
   (編/高橋榮一)
   第28回配本、1997年7月
 
別巻:総索引
   第29回配本、1997年9月
 
   刊行順も興味深い。人気のありそう順なのだろうか、11巻(フィレンツェ・ルネサンス)と23巻(ポスト印象派)の前後の刊行が先行し、現代近く、中世以前は後のほうの傾向。他に、制作進捗状況もあるだろうけど。
 
 
   さて、本全集の第1回配本から27年、厳しい出版環境が続く令和の時代に、新たな西洋美術全集の刊行はあるのだろうか。
   例えば若桑みどり氏が担う第16巻のカラヴァッジョ、若桑節は好きだけれど、現状を踏まえて改定したほうがいいかなあとも思う。
   でも私自身が購入するか、当時以上の厳格な吟味が必要だなあ。
 
   最新の通史としては、中央公論新社「西洋美術の歴史」全8巻(2016〜17年刊行)があるようだ。


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