東京でカラヴァッジョ 日記

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あれから2年、美術館の年報で振り返る「カラヴァッジョ展」2019-20

2022年02月15日 | カラヴァッジョ
 美術館年報で振り返る「カラヴァッジョ展」2019-20
 
 
【札幌展】
 
平成31/令和元年度 北海道立近代美術館年報
 
カラヴァッジョ展 天才画家の光と闇
2019年8月10日〜10月14日
57日間、65,697人(1,153人)
 
 同時代の詩人から「前代未聞の驚き(メラヴィリア)を作り出す」と評されたカラヴァッジョだが、この札幌展では会期直前にイタリアからの作品輸出承認手続きが不調となって、カラヴァッジョ作品2点を含む計8作品が未着となり、33点での開幕となった。会期中途での到着を待って、作品の展示予定位置には写真と未着の旨を掲示するという異例の展示を行い、観覧者にはそれら8点が到着後に再入場可能とする措置をとることとした。これもまた前代未聞である。そして結局、再承認の手続きは捗らず、会期末3週間前に未着作品の展示は断念し、33点の展示のままで会期を終えた。再入場もそのまま有効とし、展示断念以降の観覧者には、カラヴァッジョのポストカード2枚を進呈した。
 なお、その後の巡回展に向けて代替作品を選定・追加し、名古屋展・大阪展とも計40点の展示となっている。図録も再編集し、2版、3版を作成した。
 
 
 
【名古屋展】
 
令和元年度 名古屋市立美術館年報
 
カラヴァッジョ展
2019年10月26日〜12月15日
44日間、82,942人(1,885人)
 

 10月下旬から12月中旬にかけては、イタリア・バロック絵画の巨匠「カラヴァッジョ展」を開催しました。カラヴァッジョはイタリアの国民的な画家であり、作品数もそれほど多くないことから、日本での紹介はこれまで僅かしかありません。今回は帰属作品も含めて10点のカラヴァッジョ作品と、関連作家の作品30点のあわせて40点のバロック絵画をご覧いただきました。光と闇が鋭く交錯するその絵画世界は見応え十分。日本ではほとんど見ることのできないバロック絵 画の神髄に、多くの来館者の方がご満足いただけたようです。ただし準備は大変でした。名古屋の前の札幌会場では、予定していた多くの作品が到着せず、名古屋会場でも当初の出品予定作品がかなり入れ替わるなど、開催直前まで綱渡りのような毎日でした。展覧会に不測の事態はつきもの、とはいうものの、ここまで二転三転した例は記憶にありません。

 
 
【大阪展】
 
カラヴァッジョ展
2019年12月26日〜2020年2月16日
 
 
 あべのハルカス美術館年報は確認できなかったので、代わりに、以前拙ブログに取り上げた、「カラヴァッジョ展」を担当されたあべのハルカス美術館上席学芸員・浅川真紀氏へのインタビュー記事。       
 
「ユディト、来て欲しかった 波乱の特別展に思うコロナ禍」  
朝日新聞DEGITAL  2020.6.5
 
〈抜粋〉
 あべのハルカス美術館で昨年末から今年2月まで開催した「カラヴァッジョ展」は、学芸員なら一度はやってみたい展覧会の一つ。しかも、あの「ホロフェルネスの首を斬るユディト」がうちに来るなんて! 小躍りしながら、「ユディト」を目玉にチラシやプレスリリースをつくりました。
 ところが、やがて雲行きが怪しくなってきた。イタリアの所蔵館との間で情報の行き違いがあり、実は「ユディト」は借りられないことが判明。代わりに、展示が実現すれば日本初となる別の作品を貸してもらうべく奔走しましたが、今度は行政サイドの許可がなかなか下りない。2パターンの展示プランを用意して眠れぬ日々を過ごしたけれど、とうとう内覧会前日に「NG」のメールが届きました。     
 結局、代わりの作品をかけるはずだった壁に映像を投影する形で開幕。   
 
 
 
 既にランチを済ませていたので実食できず。個人的にほんの少し残念。
 
 
 
 大阪展に遠征したときは、展覧会会場や往復の新幹線でマスクなしで過ごした。
 あれから2年。
 3年目に突入したコロナ禍。


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