ビュールレ・コレクションのHPをネット検索の流れでたまたま開いて知る。
なんと、2018年に日本に来る!
時期:2018年2月〜9月
場所:国立新美術館、九州国立博物館、名古屋市美術館
出品:約60点
【2017.3追記】
至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
2018年2月14日~5月7日
国立新美術館
2018年5月19日~7月16日
九州国立博物館
2018年7月28日~9月24日
名古屋市美術館
ビュールレ・コレクションは、軍需産業で財をなしたらしい実業家エミール・ビュールレ(1890-1956)の個人コレクション。印象派の名品で名高い。スイス・チューリッヒに所在する。
1990〜91年に、米国・カナダ・日本・英国の4カ国の国際巡回展を行っている。コレクターの生誕100年記念の意味合いと、これをもって作品貸出は打ち止めという意図があったらしい。
日本会場は、横浜美術館。開館1周年記念として、1990年11月2日〜1991年1月13日に開催。
出品作品数は85点。フランス・ハルスやゴヤから始まるが、メインは印象派。ルノワール作品4点、セザンヌ7点、ゴッホ6点、ゴーギャン5点など。
後年、横浜美術館のショップで図録を見た私、出品作のあまりのレベルの高さに感嘆、何故1990年だったのだ、今だったら、と思うあまり、図録を衝動買いしてしまった。
ビュールレ・コレクションの所蔵作品については、近年、印象派系の展覧会で見かけることが多い。
例えば、現在東京都美で開催中の「ゴッホとゴーギャン」展では、ゴーギャン作品2点。ともに1901年制作の《タヒチの牧歌》と《肘掛け椅子のひまわり》。特に後者は、ゴーギャンがゴッホを偲んで制作した「ひまわり」シリーズ4点のなかの1点であり、同展の趣旨からは是非とも押さえたい作品であった。
また、少し古くなるが、2010年の「ルノワール」展では、大阪会場のみ出品された代表作《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》。この1点のために大阪に向かった私である。
今回のビュールレ・コレクションの日本公開の遠因は、2008年2月に起こった盗難事件。
印象派の名作、当時総額175億円の価値があると言われた4点が盗難にあったのだ。
セザンヌ《赤いチョッキの少年》
ドガ《ルピック伯爵と娘たち》
モネ《ヴェトゥイユ近辺のひなげし》
ゴッホ《花咲くマロニエの枝》
幸いにも、マネとゴッホは間もなく、セザンヌとドガは4年後に発見された。
しかし、財団は、一般公開に必要なセキュリティ対策が装備できないとして、2015年5月に美術館を閉館した。
コレクションは、2020年からチューリッヒ美術館に展示される予定である。現在チューリッヒ美術館は拡張工事中。
それまでの間、2016/17年にケルン(開催中)、2017年にローザンヌ、そして2018年に日本3都市でコレクション展を行うとある。
28年振りのビュールレ・コレクション展。1990年と同等の印象派・後期印象派の名品の来日に期待している。
セザンヌ《赤いチョッキの少年》
1990-91年に来日。2008年盗難、2012年セルビアで発見。現在、ケルンのヴァルラフ・リヒャルツ美術館で公開中のよう。
【2017.3追記】
出品点数は、約60点。
「近代美術の精華といえる作品約60点を展示し、その半数は日本初公開」とある。
現時点で明らかにされている出品作品は、2点。
絵画史上、最強の美少女(センター)。
ルノワール
《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》
1880年
まだ見ぬ「睡蓮」がありました。
スイス国外に初めて貸し出されることになった4メートルを超えるモネ晩年の睡蓮の大作、
モネ
《睡蓮の池、緑の反映》
1920/1926年
ルノワールの作品は、1990年開催の前回のビュールレ・コレクション展、2010年開催の「ルノワールー伝統と革新」展(大阪会場のみ)以来、3回目(たぶん)の来日となる。
コメントありがとうございます。
スイスをご旅行中ですか。
余裕があれば、是非、バーゼル市の「バーゼル市立美術館」か、ヴィンタートゥール市郊外にある「オスカーラインハルト・コレクション<アム・レマーホルツ>」をご訪問いただけると最高級の作品に出会えると思います。