オルセー美術館展 印象派の誕生-描くことの自由
2014年7月9日~10月20日
国立新美術館
4年振りのオルセー美術館展。
4年前の2010年、オルセー美術館改装工事中の世界巡回展として、「ポスト印象派」展と「印象派の誕生」展が開催された。
「ポスト印象派」展
1:オーストラリア国立美術館
(キャンベラ)
2009年12月4日~4月5日
2:国立新美術館(東京)
2010年5月26日~8月16日
3:デ・ヤング記念美術館
(米・サンフランシスコ)
2010年9月25日~1月18日
「印象派の誕生」展
1:Fondation MAPFRE
(マドリード)
2010年1月11日~4月22日
2:デ・ヤング記念美術館
(米・サンフランシスコ)
2010年5月22日~9月6日
3:Frist Center for Visual Arts
(米・テネシー州Nashville)
2010年10月14日~1月23日
今回の東京の展覧会は、この2010年の「印象派の誕生」展が4年の時を経て、日本にも巡回してきた、といえるもの。
4年前の展覧会とは、作品入替は当然あるものの、
1)マネ≪笛を吹く少年≫で始まり、マネ≪婦人と団扇≫や≪ロシュフォールの逃亡≫で終わること。
2)その間、(私の好み限定)次の作品が登場すること。
・バジール≪バジールのアトリエ、ラ・コンダミンヌ通り≫
・バジール≪家族の集い≫
・カイユボット≪床に鉋をかける人々≫
・ホイッスラー≪灰色と黒のアレンジメント第1番(画家の母の肖像)≫
・モネ≪サン=ラザール駅≫
・モネ≪かささぎ≫
など、展覧会構成は基本同じである。
東京の作品点数は84点、100点程度だった4年前の展覧会からは減少。
私としては、4年前の展覧会にあって東京にない作品がどうしても気になるところ。
個別の作品をあげだすといろいろあるので、3点だけ。
1)4年前のブーグローの縦型≪ヴィーナスの誕生≫が、今回はカパネルの横型≪ヴィーナスの誕生≫に入替え。(←作品の美術史的位置づけは同じといえるので、あとは好みの問題)
2)ファンタン・ラトゥール≪パティニョールのアトリエ≫がない。(←当時のマネを中心とする印象派画家交流を示す歴史的作品)
3)壁画家シャヴァンヌがすっぽり抜け落ちている。(←渋谷・島根で今年開催の「シャヴァンヌ」展の影響?)
そういうなか、今回の東京の特徴は、次の2点の出品にあるといえる。
1)ミレー≪晩鐘≫
2)モネ≪草上の昼食≫(←日本初公開。1865-66年制作。もとは4m×6mの超大作。家賃未払いのため大家に差し押さえられ、取り戻したときには状態が悪くて、このように分断せざるを得なかった、とのこと。)
お暇な方は、4年前の展覧会を確認願います。
・マドリード1(←公式サイト)
マドリード2(←ヴァーチャルツアー)
・サンフランシスコ(←HP)
・Nashville(←ビデオ)
驚いたことに、「ポスト印象派」展も、4年の時を経て、現在、韓国・ソウルを巡回中(5/3~8/31)。
恐るべし、オルセー美術館。
・ソウル(←公式サイト)