東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

茶の湯展(東京国立博物館)

2017年05月06日 | 展覧会(日本美術)

茶の湯
2017年4月11日~6月4日
東京国立博物館

 

   残有効期間が少なくなってきた年間パスポートの権利消化活動の一環として、普段はスルーする、焼きもの、書、中国絵画ばかりの展覧会を訪問する。


   「茶の湯」をテーマにこれほどの名品が一堂に会する展覧会は、1980年に東京国立博物館で開催された「茶の美術」展以来、実に37年ぶり、だというから、関心が持てずに終わったとしても、それはそれで一つの鑑賞体験になろう。


   8期に分類される展示期間の第4期、日中帯に訪問する。

 


   以下、観た作品。


No.4 国宝《観音猿鶴図》3幅
牧谿筆
南宋時代・13世紀
京都・大徳寺
~5/7


No.20 《寒山拾得図》
伝馬麟筆、石橋可宣賛
南宋時代・13世紀
個人蔵
~5/7


No.19 《寒山拾得図》
伝梁楷筆
南宋時代・13世紀
静岡・MOA美術館
~5/7


No.11 重文《廬山図》
玉㵎筆、自賛
南宋時代・13世紀
岡山県立美術館
~5/7


No31 《山水図》
伝夏珪筆
南宋時代・13世紀
東京国立博物館
4/25~5/7


No.32《高士探梅図》
伝馬遠筆
元時代・14世紀
岡山県立美術館
4/25~5/7


No.24 重文《竹虫図》
伝趙昌筆
南宋時代・12~13世紀
東京国立博物館
~5/7


No.27 重文《梅花双雀図》
伝馬麟筆
南宋時代・13世紀
東京国立博物館
4/25~5/21


No.28 重文《梅花小禽図》
伝馬麟筆
南宋時代・13世紀
東京・五島美術館
4/25~5/21


No.1 国宝《曜変天目 稲葉天目》
中国・建窯
南宋時代・12~13世紀
東京・静嘉堂文庫美術館
~5/7


No.2 国宝《油滴天目》
中国・建窯
南宋時代・12~13世紀
大阪市立東洋陶磁美術館
通期


No.35 国宝《青磁下蕪花入》
中国
南宋時代・13世紀
東京・アルカンシエール美術財団
通期


No.36 重文《青磁鳳凰耳花入》
中国・龍泉窯
南宋~元時代・13~14世紀
大阪市立東洋陶磁美術館
通期


No.223 重文《油滴天目》
中国・建窯
南宋時代・12~13世紀
九州国立博物館
通期


No.57 重文《不動利益縁起》
南北朝時代・14世紀
東京国立博物館
4/25~5/7


No.58 重文《祭礼草紙》
室町時代・15世紀
東京・前田育徳会
~5/7

 

   さすがGWの日中帯。入場待ちこそなかったが、会場内は大盛況。


   特に、茶碗など茶道具系が展示される壁面ケース。たいへん長い列ができているというか、人がたいへん群がっているというか。人だかりに飛び込んでまで見てやろうという意欲なし。

(第一章の中国絵画に向かい合う壁面ケースに一度チャレンジしたが、進まないし、やっと視界に捉えても見えるのはすました茶碗。そんな行為を展示室ごとに何度も繰り返す気にはならず、茶碗を見るなら独立ケース展示の茶碗、という鑑賞となる。)

 

   まずは第一章の「足利将軍家の茶湯-唐物荘厳と唐物数寄」。
   東山御物の中国絵画。独立ケースに展示された曜変天目、油滴天目、青磁2点。そして、茶椀で茶を嗜む場面が描かれているという理由で選抜されたらしい日本の絵巻2点。これらをじっくり観る。

 

   一方、第二章から第五章は、絵画系は皆無となり、茶碗・茶器・香合などの茶道具系がずっっっと続く。で、人だかりのできる壁面ケースはパス、独立ケース中心に少し見る程度で、足早に通り過ぎる。(それにしても大量の茶碗。まともに向き合おうとしたとしても、すぐに容量オーバーになりそう。)

 

   で、第一章に戻り、じっくり観る。

 

   「「天山」「道有」の印を持つ、足利義満コレクション随一の名画にして、南宋時代の水墨画の名手・牧谿の代表作」という国宝《観音猿鶴図》は、初見だが、どうやらよく観ておいた方がよい作品であるらしいと、じっくり観る。この絵はやっぱり猿だろうなあ。

 

   最近話題になった、世界で3点しか存在が確認されていないという「曜変天目」。さすが人が集まっている。
   これが一番見たかったんだよね、という声が複数聞こえる一方で、静嘉堂文庫美術館にて自然光で見た時のほうがよかったなあ、という声も複数聞こえる。そうなのか。ならば今度は静嘉堂文庫美術館に見に行こうかなあ。
   京都・龍光院蔵の国宝「曜変天目」もいつか見たいものだ。秋の京博の国宝展に出たりするのかなあ。

 

   アルカンシエール美術財団所蔵の国宝南宋青磁を観るのは2回目。綺麗な色である。これが天青色というのかなあと、1月に大阪市立東洋陶磁美術館で観た「北宋汝窯青磁水仙盆」の色を思い出そうとするが、出来ない。北宋と南宋と時代も1世紀違うようだから、また違う青色なのだろうなあ。隣のケースに展示の大阪市立東洋陶磁美術館蔵の重文南宋青磁と比べると青の美しさが明らかに違うなあ。

 

   上述の「観た作品」が1点を除いて第一章の作品となってしまうほど、第一章に専念する。
   それでも元が取れるほど楽しめたので、第4期から多くの作品が入れ替わっている第7期か第8期に再訪しようかなあ。できれば、日中帯ではなく、夜21時までの夜間開館時間帯がいいなあ。年間パスポートは使えないので、普通にチケットを購入することになるけど。



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