東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

スケッジャ《スザンナ伝》を観る。

2016年10月15日 | 国立西洋美術館常設展示


スケッジャ
本名:ジョヴァンニ・ディ・セル・ジョヴァンニ・グイーディ
《スザンナ伝》
1450年頃
152 x 42.5 cm
国立西洋美術館

 

   国立西洋美術館の常設展を久しぶりに訪ねる。
   入場して最初に登場した作品は、なんと、「新収蔵作品」スケッジャ。


   つい最近、国立西洋美がスケッジャ作品を購入したことを知り、本ブログに書いたばかりだったが、既に展示していた。


   私がブログに書いた時には既に展示していたのかもしれない。10/15に合わせて展示を開始したばかりなのかもしれない。この件の記載は、国立西洋美のサイトには見当たらない。

 

   西洋美術のお馴染みのエロチック主題、「水浴び中の若い女性を二人の老人が盗み見る」の出処は、聖書外典『ダニエル書補遺』の「スザンナ伝」の1シーンからである。


   本作は、ルネサンス時代のフィレンツェにおいて制作された、婚礼の際に注文されるカッソーネ(装飾用長持ち)の正面パネル。
   貞淑と恥じらいという女性の美徳を称賛する「スザンナの物語」は、当時、カッソーネの主題としてふさわしいと考えられていた。

 

   国立西洋美術の作品は、当初は2点組だったものの後半にあたるということで、水浴びするスザンナと覗き見る2人の老人の場面は含まれないと考えたほうが良さそうだ、と思っていたが、やっぱり含まれなかった。

 

   後半は、

   長老たちから言い寄られ不倫の濡れ衣を着せられたスザンナは法廷で自ら無実を証明する場面。嘘をついた長老たちが連行され、石打ちの刑に処される場面。

が描かれる。

 

   スザンナ伝2点組の前半部分と後半部分は、それ以外の条件が同じであれば、「水浴び中の若い女性を二人の老人が盗み見る」場面がある分、前半部分のほうが高価なのだろうか。


【全体】

 

【左】

 

【中央】

 

【右】

 

【キャプション】

 

 

  国立西洋美のお気に入り作品の一つとなりそうだ。



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Re:スケッジャ《スザンナ伝》を観る。 (むろさん)
2016-10-15 20:02:43
おお!スケッジャの絵はもう展示されているのですね。
実は今日私も上野に行っていたのですが、行き先は東博の櫟野寺展記念講演会でした。クラーナハの方も本日講演会だったので、どちらにするか迷ったのですが今回は東博にしました。(仏像も対象にしていますので)
今日西美に行かれたということは、クラーナハの初日にご覧になられたということですね。いかがでしたか?私は空いている日ということで、来週火曜にいく予定です。ところで常設展示にアンドレア・デル・サルトの絵はありましたか?
返信する
Re:スケッジャ《スザンナ伝》を観る。 ()
2016-10-16 09:00:06
むろさん様

はい。クラーナハ展の初日に行ってきました。記念公演会も聴講してきました。

16世紀の板絵作品、よくぞこれだけの点数を集められたものだと、感心しました。近現代アートとの競演を含め、なかなか楽しめる内容です。《ユディト》はさすがの貫禄ですが、対決させる必要はないのですが、個人的には2009年来日のブダペストの《サロメ》に軍配を上げるかなあ。

久しぶりに訪れた常設展は、結構な人出。国立西洋美の世界遺産登録以降、人気スポットになっているようですね。
アンドレア・デル・サルトの《聖母子》も展示されています。
個人的には、マンフレーディ《キリスト捕縛》を観て、カラヴァッジョ展を思い出しました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。