上下巻読み終えた。なんだろうねぇ、大したことをやり遂げた人には数多くの出会いと運命があるのだろうね。数多くの参考文献をもとによく書き上げた、作家の力量がうかがえる、素晴らしい出来栄えである。
しかしなんだねぇ最後のほうになって最初の妻が老人ホームで亡くなっていたとの知らせが来るのだが、1ページほどの紹介であるが多くの犠牲の上に生きているような気がする。私にはここが一番切なかった、こんな生き方は私には到底無理だと悟った項でもある。
「燕雀 いずくんぞ 鴻鵠の志を知らんや」
若いころ友人らと話が合わないとき、いきがってこの言葉を好んでいたが、しかし、ツバメやスズメなど己の本分の中で生きるということが幸せなんだなぁ、ということを思い知ったことでもあった。
特に最近は雀であっても幸せならばそれが一番だと考えるものね。
ワンコウとてくてくと散歩をして一緒にベッドにもぐりこんで休む、これが幸せなんだねぇ。
主人公には主人公の宿命があったのかねえ。やはり歴史に名を残す人は生き方からして違うね、
明治生まれもあるのだろうか、常に日本人としての矜持を持っていた。
有楽町に美術会館があるのか…ここはひとつ訪ねて、その生き方に触れてみたいと思ったのであるが、遠からず行くだろう。
今回はこのような本を紹介してくれた、Sさんに感謝である。いい時間を過ごさせていただいた。