さて、指を怪我したお話の番外編。
救命救急センターで2時間待たされ、ようやく名前を呼ばれました。
指定された処置室に入ると「ER」と大きく染め抜かれた紺色の
ユニフォーム姿のまだ大学生くらいに見える女性の先生が・・・
先生 「どのくらい痛いですか?」
私 「痛いですけど、我慢できる程度です。」
先生 「縫いますか?」
私 「縫わずに治るんですか?」
先生 「縫いましょう」
私 「・・・」
処置室に通されると、嵐が過ぎ去ったような少し弛緩した空気が
漂っています。おそらく今までバタバタと忙しかったのでしょう。
ベッドの淵に座り、処置台の上に怪我した左腕を乗せて、先生の
準備している姿を目で追います。「縫合セット」と記された包みを
台の上に載せ、ポリ袋を広げ、消毒液を出し。縫合セットとポリ袋の
位置を替え、また戻し、縫合セットを広げ・・・
そこから先に進みません・・・。
あの・・・先生が縫うんですか?」口には出しませんが、この時点で
少し不安になってきました。
先生 「ちょっと待っててくださいね」
処置室の指揮官と思しき男性の先生を連れてきました。
私の不安を見透かしたのか、男性の先生が、笑顔で「私が縫います
からねぇ~」それから麻酔注射がとっても痛い事、神経4か所に注射
する事等を説明してくれて、先程の若い女医さんにバトンタッチ。
そうか、麻酔はこの先生が打つのね・・・。
「スゴイ痛いですよ~」と脅されていたので少し構えておりましたが
どうも、注射器を持っている先生の方が緊張しているように見えます。
手の甲側の指の付け根から針を刺し、1か所目の神経に注射して
そのまま針を奥に進めて手のひら側の神経の麻酔するとの説明
でしたが、思わず「先生、肩の力抜いて!」と言ってしまいそうに・・・
針先を不安げに見つめておりましたが、予想外の出来事が・・・
私 「・・・あの・・・先生・・・」
先生 「はい? もうちょっとですからね!」
先生はもの凄く集中して慎重に注射器の中の薬剤を押し出して
います。
私 「先生・・・注射針が貫通して液が垂れているんですけど・・・」
先生 「あっ・・・!」
あろうことか、手の甲側から突き刺した注射針が、手のひら側に
突き抜けておりました・・・。
でも、まあ何とか麻酔も効きだして、無事縫合していただく事が
できました。
先生方、本当にお世話になりました。
結局、若い女性の先生は、私の麻酔注射の後、別の患者さんの
対応に廻られたようです。
おそらく、患者さんへの直接の処置にまだ慣れていないのでしょう。
お世辞にもテキパキとこなしているとは言えません。
どの世界でも新人時代には失敗はつきもの。失敗から学ぶ事って
大事です。現在、名医と言われる先生も新人時代には、人に言えない
失敗の一つや二つはあったはずです。
だからたくさん経験を積んで立派なお医者さんになってもらいたい
ものです。頑張って!
って、何を偉そうに上から目線で言っているのでしょうか私は(汗)