- 営業税
マカオで事業活動を行う企業が営業税の登録及び納付を行わなければなりません。言い換えれば、職業税の規制外の経済活動はすべて商業活動とみなされます。商業活動を行う個人又は法人は営業税の義務を負います。しかし、中国に返還されて以来、事業活動による営業税の免除が実施されています。3/2020号法律第三条に基づき第22/2019号法律条文の修正「2020年財政年度予算案」により、2020年度の営業税が引き続き免除されます。
営業税の税率は事業活動の性質によって異なります。一般的事業活動の場合、150 MOP~1,500 MOPの営業税が課されます。銀行事業の場合は 20,000 MOP~ 80,000 MOPの営業税が課されます。
通常、毎年1月から2月までの期間中に財政局よりその年度の納税通知書が納税義務者に発送されます。納税者は、通知書を受領した同年の2月又は3月に完納しなければなりません。
- 職業税
4.1 納税者
職業税はマカオで給与所得を得る個人を対象として課される税金です。所得が貨幣若しくは現物、契約の有無、固定所得若しくは非固定所得、受取場所、支払い方法及び通貨の種類は問われません。
納税者は 次の定義により、第1組若しくは第2組に分類されます。第1組は被雇用者 (日当又は月給を問わず個人の役務提供により報酬を得る人)と第2組は自営業者 (医師、会計士、弁護士など自己資金で開業する人) となります。
被雇用者の場合、法律規定の非課税所得以外の給与所得が職業税の対象となります。被雇用者の給与所得が法定免除限度額を超える場合、雇用主は四半期ごとに最初の15日以内に非雇用者から源泉徴収した税金を税務署に納付しなければなりません。
4.2 税率
職業税は累進課税を採用し、税率が 7% ~ 12% まで6段階に分類されます。
税率表 1 (65 歳未満の方に適用)
年間課税所得(MOP$) |
税率 |
|
最低 |
最高 |
|
0 |
144,000 |
免除 |
144,000 |
164,000 |
7% |
164,000 |
184,000 |
8% |
184,000 |
224,000 |
9% |
224,000 |
304,000 |
10% |
304,000 |
424,000 |
11% |
424,000以上 |
|
12% |
税率表2(65歳以上・障害者が対象)
年間課税所得 (MOP$) |
税率 |
|
最低 |
最高 |
|
0 |
198,000 |
免除 |
198,000 |
218,000 |
7% |
218,000 |
238,000 |
8% |
238,000 |
278,000 |
9% |
278,000 |
358,000 |
10% |
358,000 |
478,000 |
11% |
478,000以上 |
|
12% |
4.3 非マカオ居住者
非マカオ居住者でもマカオ住民と同じ税率で職業税が課されますので、海外から雇用された芸術家又は科学技術者でも職業税を納付しなければなりません。職業税法規第36条の規定では、非マカオ居住者の所得が免除限度額内でも課税所得の5%の職業税を納付する義務があります。そして、雇用主は最初の15日以内に源泉徴収した税金を税務署に納付しなければなりません。
4.4 職業税の申告及び納付
(1) 第1組の納税者(雇用主)
雇用主は雇用を開始してから15 日以内に登録書類 M/2 及び修正書類を財政局に提出する必要があります。すでに登録された書類について変更がある場合、雇用主は変更があった日から15 日以内に財政局に登録書類 M/2 及び修正書類を提出しなければなりません。
被雇用者は毎年 の1 月と 2 月に財政局に前年度の所得の確定申告を提出しなければなりません。雇用主が 1 社のみの場合は、申告する必要がなくなります。
雇用主は労働者名簿を保管しなければならない上で、雇用者の名前、納税者番号、給与所得等の情報を含む申告書を提出する必要があります。雇用者の給与所得が免除限度額を上回る場合、雇用主は被雇用者の給与から職業税を源泉徴収し毎年四半期1月、4月、7月、10月ごとに最初の15日に財政局に納付しなければなりません。独資経営企業が給与所得を得る場合も上記と同じです。
(2) 第2組の納税者
自営業者又は専門資格を保持している人は開業する前に自ら納税申告書類を財政局に提出しなければなりません。又、住所若しくは事業アドレス及び新事業目的の増加又は登録された事業業務の停止等のいずれかがある場合、関係声明書を財政局に届け出る必要もあります。
直近3 年間の平均売上高が 100 万MOP以上又は5人以上ビジネスパートナーがある第2組の納税者は規定されている会計アカウントを作成する義務があります。規定の会計アカウントを作成する義務がない第2組の納税者は前年度の全ての所得を申告する為、毎年 1 月と 2 月にM/5 の納税申告書を提出ししなければなりません。この場合、会計士によるM/5 の納税申告書の審査及びサインが不要となります。一方、義務がある第2組の納税者は、毎年 4 月 15 日までに、会計士または監査人による審査及びサイン済のM/5の納税申告書を提出する必要があります。第2組の納税者がクライアントから支払いを受け取る際に M/7 の領収書を発行しなければなりません。第2組の納税者に関する会計帳簿及びファイルは今後 5 年以内に保管される必要があります。
4.5 税制上の優遇措置
2,020年度の職業税の税率が30%となり、免除限度額が144,000.00MOP です (「税率表 1」をご参照ください)。被雇用者の日当が686MOP 又は月給が 17,143.MOP を超える場合、雇用主は被雇用者から職業税を源泉徴収する必要があります。 65 歳以上又は永久障害がある被雇用者に対して免除限度額を198,000 MOP に引き上げました。 (「税表 2」を参照)。
「2020年度財政予算案」によれば、雇用主は被雇用者から職業税を源泉徴収する際、免除限度額・年度控除額に基づいて30%の納税額を控除しなければなりません。
又、マカオ政府は2018年度の職業税を納付し且つ2018年12月31日付けでマカオ居民身分証を保有する納税者に対して納税額の70%、最大20,000MOPを還付します。
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