
特に明記しない限り、本稿においてマレーシア会社とは、マレーシアの2016年会社法に基づいて設立される非公開株式会社をいいます。
マレーシア会社登記所(CCM)、又は取締役、株主、債権者、もしくは清算人などの会社の利害関係者は、会社の事業活動の停止、会社の長期間休眠、資産負債の不足、収益性の低下、又は債権者に対する債務の滞納などの原因で、会社を解散することができる。
マレーシア会社が運営を終了する方法には、主に登記抹消及び清算の2つがある。いずれの方法も会社を登記簿から抹消することになるが、流れと適用性は様々である。そのため、マレーシア会社を閉鎖するためには、これらの方法とその影響を十分に理解することが不可欠である。
1.登記抹消
会社は、事業を一度も行うことがない場合、又は事業を停止した場合、登記抹消を通じて閉鎖することができる。会社登記所は、会社が2016年会社法に違反している場合、又は違法な目的に使われた場合、又は3年間以上連続して年次申告書を提出しなかった場合、登記抹消手続きを始める権限を有する。
登記抹消は、簡単で、早くてコストも低い会社解散方法である。登記抹消手続きは通常6ヶ月以上かかり、清算より費用がかからない。ただし、登記抹消には、返済能力を持つ会社のみが適用され、かつ、会社の取締役又は株主が申請する必要がある。
株主は、次の原因で会社登記抹消申請を承認しなければならない。
(1) 会社は事業を行わないことになること。
(2) 登記された資産、負債、未払いの抵当権がないこと。
(3) 2016会社法に基づく未払いの罰金がないこと。
(4) 全ての政府機関に対する納税義務やそのほかの債務がないこと。
(5) 会社登記所に最新の情報を更新していること。
(6) いかなる法的訴訟にも関与していないこと。
(7) 株主に資本金を返還していないこと。
(8) 持株会社又は保証会社でないこと。
会社は、政府手数料と合わせて登記抹消書類を会社登記所(CCM)に提出する必要がある。担当官は申請書類を確認した後、問題なければ、CCMは会社に登記抹消の仮通知書を送付する。会社は、登記抹消の仮通知書を受け取ってから30日以内に異議を提出しない場合、CCMはそのウェブサイトに通知を掲載し、開示する。もし30日間の開示期間中に異議が出なかった場合、CCMは登記簿から会社名称を削除し、官報に会社名称を掲載する。官報に掲載されることは、会社が解散したとみなされる。
CCMが会社の登記抹消について最終的な決定権を持つため、登記抹消という方法は潜在的なリスクが伴う。また、会社の抹消に不服して不利益を被った者は、7年以内に裁判所を通じて抹消された会社の復活を申請する権利を有する。会社の取締役は、全ての登記簿、会計帳簿、法定記録、会計書類を会社解散後7年間維持・保管する義務がある。さらに、登記抹消後の会社の解散にもかかわらず、会社の取締役、高級管理職、株主の法的責任(ある場合)は、会社が解散していなかったかのように存在し続け、強制執行が可能である。つまり、以前の不正行為や犯罪は、会社が解散していないよう、追及できる。
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