Kaizen(啓源会計事務所)

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シンガポール支店向けコンプライアンス

2022-06-29 | 会社設立
  1. 登録情報の変更

 

外国会社は以下の事項又は変更の事実があった場合、所定の期限内にシンガポール会計企業規制庁(ACRA)へ通知しなければなりません。

(1)    ACRAへ提出された外国会社の憲章、規定、定款大綱もしくは定款細則、又はその他書類の変更

(2)    外国会社の取締役又はその個人情報の変更

(3)    外国会社のシンガポールにおける代理人又はその個人情報(例えば、住所やパスポート番号)の変更

(4)    外国会社のシンガポール支店の登録住所又は営業所及び登録住所の営業時間の変更

(5)    外国会社のその他の国・地域における登録住所の変更

(6)    外国会社の商号の変更

(7)    外国会社がシンガポールへ派遣する取締役の権力の変更

(8)    外国会社の登録資本金額の変更

(9)    債権者及び株主と合意した後、外国会社に対するさらなる法的行動を行うことを制限する命令があった場合(外国会社は当該命令が発生してから1ヶ月以内にACRAへ通知する必要がある)

(10)  外国会社はそのシンガポールにある資産を担保とする場合

 

会計企業規制庁に期限延長申請を提出しない限り、外国会社は上述の変更が発生してから1ヶ月以内に当該変更をACRAへ通知する必要があります。

 

  1. コープパスの登録・使用

 

企業の電子ID身分証であるコープパス(Singapore Corporate Access、CorpPass)は、政府機関のウェブサイトへのログイン、政府機関との取引及び申告に使用されます。例えば、会計企業規制庁ウェブサイトに会社の法定書類を提供すること、及び内国歳入庁(IRAS)のウェブサイトに会社の法人所得税を申告することです。シンガポールの現地法人と同じ、全てのシンガポール支店はコープパスを申請する必要があります。コープパスはシンガポール支店がシンガポール政府にビジネスを行うために使用できる唯一の認証方法です。

 

  1. 財務諸表

 

3.1     外国会社の帳簿

 

外国会社は、株主総会開催後の2ヶ月以内に貸借対照表をACRAへ提出する必要があります。貸借対照表を提出する際に、外国会社は、当該貸借対照表が原本の写しである旨の法的声明を添付する必要があります。ACRA長官は、外国会社が提出した貸借対照表が会社の財務状況を適切に開示していないと判断した場合、指定されるデータを含む別の貸借対照表を当該外国会社に提出させる場合があります。

 

外国会社は、設立国の法律により年次株主総会を開催し、貸借対照表を作成する必要がない場合、シンガポールの会社法に基づき設立された公開会社と同じ、貸借対照表を作成し、ACRAに提出しなければなりません。

 

3.2     シンガポール支店の帳簿

 

外国会社はシンガポール支店の運営から生じる資産や負債を含む認証済申告書、及びシンガポール会計基準に従い作成・監査された損益計算書をACRAに提出しなければなりません。ACRA長官は次の各号のいずれかと判断した場合、外国会社のシンガポール支店の帳簿の提出を免除する場合があります。

(1)    外国会社のシンガポール支店の性質を検討し、外国会社にシンガポール支店の帳簿を提出させることは現実的ではない。

(2)    金額が少なすぎて価値がない。

(3)    監査済み財務諸表に関する原価はその価値より大幅に高い。

(4)    外国会社又はそのシンガポール支店に関連する会社に誤解又は損害を与える可能性がある。

 

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