隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

いろんな「愛国心」?~『朝日新聞』のアンケートから

2007年01月26日 19時26分00秒 | プチエッセイ
『朝日新聞』(2007年1月25日朝刊)のアンケート調査結果

★台頭?してきたけど、イマイチ霧の向こう
 今朝の朝刊で昨年12月に行った調査(全国の有権者3000人対象)の結果報告が掲載されていた。
 あまり詳しく書かれていないし、主旨もよくわからないんだけど、「愛国心はあるか?」の項目は、ちょっといろいろ考えさせられたな。
 グローバルな志向や、たとえまやかしであってもそういう匂いのするものを「良し」と時代が長くて、そういうときに「愛国心」ってなんか右よりの「危険思想」みたいなヘンなところに追いやられていたと思うんだけど(というか、少し忘れかけてた?)、ここ最近息を吹き返したかのように突如、存在感を強めている。
 学校で教えろ、とか、国旗国歌を敬愛すべし、とか、卒業式で「君が代」斉唱するとき起立しない教師は処分するぞ!みたいな国家による「脅し」とか…。そういうのから連想される愛国心って、やっぱりヤバイよ、危険な香りがプンプンするし。
 でも、そういえば、「愛国心ってなに?」と問われると、けっこう困ります。文字どおり「生まれた国を愛すること」なんだろうけど、「愛する」ってことからして曖昧ですよね。
 さっきGoogleで「愛国心 定義」で検索してみたのですが、びっくり。「愛国心の定義ってあるのか」「曖昧な愛国心の定義」というようなことばかりがずら~っと。なんだ、みんなわかってないのか。

★「愛国心」っていろいろあるよ

 だいたい「愛する」という言葉が曖昧。人を愛することだって、たぶんみんなそれぞれに違うでしょ? 愛するからゆえにつきまとってしまう人もいるし、離れたところで静かに見ていられる人もいる。ついついキツイ言葉を吐いて励ましたくなる人もいるだろうし、もうその人の前ではふだんの冗談さえ言えなくなってしまう人もいる。
 どれもOKで、「本物の~」とか「偽りの~」なんて言えないですよね。
 たぶん愛国心もそう。愛国心のほうがもっと千差万別かもしれない。私は国に文句ばっかり言っているけど、たぶん嫌いだったら、こんなにマジメに(笑)文句は言わない。思いがあるからイチイチ気になってしまうのでしょう。
 だから「愛国心はある?」と聞かれたら、本当に困る。ないとは言えないけど、でも「愛国心があるっていうことは、攻められたら戦うことだよ」というふうに愛国心が解釈されるとしたら、それはどうかなと思うし。
 でも、四季のあるこの国は好きだし、外国人には箱庭のように見えるかもしれない山々の風景に心奪われることもあるし、私も含めて、なんだかはっきりしないし、だらしないなあと思われるこの国の人々も、ある意味好きだし。WBCにはメチャクチャ感動したし(笑)。
 こういうあやふやなものでいいのなら、私はきっと愛国心をもっているんだろう。


★マニュアルは作ってほしくないから
 だから、こういうものを学校で教えるということに、ものすごい違和感を感じています。
 教育の一環で扱うということは、もちろん学習要綱に盛り込まれて、それがどういうものか(定義?)、どういう手段で教えるか、ということをはっきりさせなければならないということでしょ? それは絶対に反対。たぶん学校で教えるということに違和感をもっている大勢の人たちは、こういうところで躊躇しているんだろう。
 形を決めれば、いくらでも危ない方向にもっていける。「愛する国」を守るためなら自衛隊が軍隊化していくことだって十分ありうる。
 
  「同盟国(笑っちゃうよな)のアメリカが危ない! ってことは日本もヤバイ。自衛隊を派兵させる。愛国心があるなら、これに反対するってことは非国民だよ」

 こういうふうに進んでいくことを、誰が否定できるだろう。ああ、そうか。安倍首相以下、怪しい議員たちは、これを狙っているのかー。
 そんなふうにして、まさか戦前の日本のように、「愚かな政治家と愚かな軍人と、何も知らされていなかった国民」1セットがこの国を引っ張っていく、なんてことにはならないと思っているけど。もう国民はそんなにアホじゃないし。
 でも、こういう意味のない楽観主義が、やっぱりいけないのかなあ。いつのまにか「憲法改正」を大ぴらに主張するやつが国のトップに君臨するようになっていたんだし。
 「美しい国」なんて似合わない形容詞を使って、見えない方向に進んでいきそうな怪しい人を、信じてはいけないよね。まあね、支持率ジリ貧だけど。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「心の痛みを越えてごらん」 | トップ | BE HERE »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。