2023.04.16
「ロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
4月も第3週。
以前、この番組で取り上げた「箸袋友の会」(ココ)
その後、友の会から箸袋コレクションのためのファイルが送られてきた、という話も。
食べに行ったお店の箸袋や楽屋で食べたお弁当についていた箸袋を集めていたら結構な数になり、「コレクションを眺める楽しさを久しぶりに思い出したね」、そして「改めて、ありがとうございました」。
「ああ、ここの弁当、うまかったなあ」みたいな思い出と紐づいている箸袋。もちろん、「あくまで自分が使った箸袋という縛り」でコレクション。
(昔集めたことあって、かなりの数だったけど、箱に入れているだけだったな。ファイルって優れもの・・・)
けっこうかわいいデザインの箸袋もあるそうで、「最近、気づいたら、領収書と箸袋で財布がパンパン」ということもあるとか。
今回のテーマは、【スピッツが影響受けたレコジャケで漫遊記】。
久しぶりに、シングル、アルバムで「CD」をリリースするスピッツ!
(「!」をいくつもつけたい気分!!!)
ジャケットのデザインは、「デビュー当時から、ああでもないこうでもないと考えながら、ほかの人がやっていない、ヘンだけどかわいいジャケットを目指してやってきた」。
そんな中から、今までのCDジャケット制作の過程で草野くんが影響を受けたレコードジャケットを紹介してくれるそうです。
オンエア曲
01 美しい鰭(スピッツ)
02 Paranoid(Black Sabbath)
03 I Wanna Be Free(Uriah Heep)
04 Nature Girl(18 Wheeler)
05 A Thousand Times(Sophie Zelmani)
06 Heaps of Sheeps(Robert Wyatt)
07 Late November(Sandy Denny)
08 Hold Me Tight(Stackridge)」。
09 ROW HIDE(あぶらだこ)
さてさて、漫遊前の一曲は、スピッツで、「美しい鰭」(2023年、シングル。映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)主題歌/2023年5月17日リリース、17thアルバム『ひみつスタジオ』に収録)。
これについては、特に影響を受けたレコジャケはないそうで、「レコーディングで使った楽器を並べたもの」。
こういうアイディアはだれかがすでに使っているかも?だけど、バックの青い鱗は、デザイナーの木村豊さんのアイディアで、「特別感が出ているかもしれないね」。
(よく見たら、SPITZのロゴがアルバム『ひみつスタジオ』のテーマに繋がっているんですね)
最初の曲は、Black Sabbathの「Paranoid」(1970年、2ndアルバム『Paranoid』)。
「モロなオマージュで、いちばんわかりやすいかな」ということで、1曲目に。
未来の戦士が刀をもっていて、「動いている被写体をコマ撮りする手法」。これは「スピッツの『ハヤブサ』の元ネタ」。(よくわかる)
アルバム『Paranoid』の写真とデザインは、マーカス・キーフさん。
この人は、「70年代のロックのレコジャケを語る上で外せない」、「三大デザイナー」と呼ばれる中の一人で、ほかには、「ヒプノシスというチーム、イラストレーターのロジャー・ディーン」があげられる。
次の曲は、Uriah Heepの「I Wanna Be Free 自由への道」(1971年、3rdアルバム『Look At Yourself 対自核』)。
スピッツの2ndアルバム『名前をつけてやる』で影響を受けたレコジャケ。
『名前をつけてやる』のレコジャケの表のネコの写真も「裏のメンバーの写真も、歪んだ鏡を使って撮影している。
このヒントになったのが、彼らのアルバム『Look At Yourself』の❝裏のジャケット❞。
レコジャケを見ながらレコードを聴くのが好きだった草野くん、「このアルバムは裏のジャケットのほうがおもしろい。いつか自分らも歪んだ鏡で撮ってみたいな」と思っていて、それ『名前をつけてやる』で実現した。
(いい曲だなあ。音があの頃に引き戻してくれる)
スピッツのレコジャケについて。
初期のころは、とくに誰かへのオマージュということはなく、「ダサいからメンバーの写真を出すのはだけはやめよう」ということだけ決まっていた。
しいて言えば、ピンク・フロイドのアルバム『Atom Heart Mother 原子心母』のジャケット(ヒプノシスの代表的な作品)の牛のように、「何かしら物撮りをして、それをジャケットに使おう」と。
で、「1stはなんとなくヒトデ、2ndはなんとなくネコ、3rdはなんとなく『弓矢を持った子ども・・・』という感じで」と。
そして、「ジャケットにメンバーが出ないと売れないのかなあと思って、ワタクシ草野が目だけ出した」のが4th『Crispy!』。でも、可能であれば「作り直したい、小鳥の写真かなんかで」(笑)
(結果的に、売れなかったしね。でも、もう遅いです。ある意味、スピッツ史上?貴重なレコジャケ)
でもジャケットデザインで本当にやりたかったのは、イギリスのクリエーションレコードのバンドのジャケットによくあった「バンドのメンバーと全然関係のない女性モデルを起用した」ジャケット。
草野くんはこれに憧れていた。ただ外国人の女性モデルを起用したものはすでにあったので、「メンバーと関係のない日本人のモデルさんを使ったらおもしろいかも」ということで、『空の飛び方』以降のジャケットに繋がる。
次は、「そんなときに参考にしたバンド」、18 Wheelerの「Nature Girl」(1993年、デビューシングル』)。
次の曲は、「スウェーデンのシンガー」、Sophie Zelmaniの「A Thousand Times」(1995年、デビューアルバム『Sophie Zelmani』)。
スピッツの『フェイクファー』のときに参考にした。
なにげない女性の写真。Sophie Zelmaniさんご自身の写真だそうで、天気のいい日に屋外で撮っていて、「部屋に置いておきたくなるステキな雰囲気のジャケット」と。
「青空がきれいで、光の感じかな。当時流行っていたキャミソール風の服を着て微笑む女性」と。
こういう感じで撮りたいな、とデザイナーの木村さんに伝えていた。
撮影当日はよく晴れていたが、前日に想定外の雪で「結構積もったの」。それがレフ板効果を生んで、「メチャメチャ光を感じる写真になりました」。
ただ、現在、配信やサブスクで使われている「A Thousand Times」のジャケットは、CDとは異なるそうです。
次は、Robert Wyattの「Heaps of Sheeps」(1997年、ソロ6thアルバム『Shleep』)。
Robert Wyattはドラマーとして、ソフト・マシーンなどでプレイしていたが、事故で下半身不随となってからはシンガーソングライターとして活動。
アルバム『』のジャケットは、ハトにしがみついて空を飛びながら眠っている男のイラスト。「ほのぼのしているような、ちょっと怖いような・・・。すごく引き込まれるような感じで好きなんですよね」
スピッツのアルバム『醒めない』のときに参考にした。「大きなものをしがみついている自分」
そして次は、Sandy Dennyの「Late November」(1971年、1stアルバム『The North Star Grassman and the Ravens 海と私のねじれたキャンドル 』)。
(すっかり記憶の彼方だったけれど、このアルバム、持っている・・・。ジャケット、ステキですよね。彼女の破滅的な生き方(あとで知ったのですが)と曲の感じ・・・。「Late November」、タイトルだけで気持ちが重くなる心地よさ)
スピッツのアルバム『見っけ』で、「色味とか部屋の雰囲気を参考にしました」。
この「Late November」のジャケットも、最初に紹介したブラック・サバスのアルバム『Paranoid』と同じく、マーカス・キーフさんの作品。
草野くんは基本的に、「好きなジャケットは、キーフさんの作品、多いかも」。
デヴィッド・ボウイのアルバム『The Man Who Sold The World 世界を売った男』のジャケットも彼の作品だそうです。
最後の曲は、「70年代に人気だったバンド」」、Stackridgeの「Hold Me Tight」(1976年、5thアルバム『Mr. Mick』/オリジナルは、1963年、The Beatles)。
ナースの女性とおじいさんがカメラ目線で写っているモノクロの「ちょっととぼけた味わいのレコジャケ」。
これは今度リリースされる『ひみつスタジオ』のデザインの参考にしているそうだ。
「ナース+おじいさん」が、「女性の技術者+ロボット」に置き換わっている。
『ひみつスタジオ』のレコジャケについて。
ロボットのデザインに関しては、「junaidaさんにいろいろ助けていただきました」。ロボットのデザインは自分でやってみたかったけれど、「ロボットのイラスト、難しいんですよね」。
一応、「土偶をモチーフにしてください」などとリクエストはしたけれど、「すごくかわいいロボットをデザインしてくれました」。
今回、スピッツとのコラボの本も出る、「これ、メチャクチャすばらしいんで、ぜひ読んでください」(ココ)。
(「毒も癒しも真心込めて歌画本『ひみつストレンジャー』」 個人的には、すっごく楽しみです! 、「毒も癒しも真心込めて」って、スピッツそのもの)
そして、ジャケットモデルの井上希美さん、朝ドラ『エール』に戦前の歌手、藤丸の役で出演していた。「笑顔がとてもすてきだったので、いつかアルバムのモデルに、とメモっていた」と言う草野くん。
今回はコロナ禍を経てのアルバムなので、「黄色のバックに満面の笑みがほしいな」と。俳優業を引退されていたが、あきらめずにオファーして、OKをいただいたそうです。
(見事な歌唱!と思っていたら、劇団四季に所属していらしてのですね)
今回のテーマは「黄色、笑顔、ロボット」だそうです。
特集の最後に。
「レコジャケの話はずっとできそう」だけど、ラジオなんで「ビジュアルを伝えるというのは難しいですね」。
(YouTubeはいかが?)
「でも楽しいので、またやりたいかな。キーフ特集とか、ヒプノシス特集、ロジャー・ディーン特集とか、デザイナーで分けてもいいかもしれない」。
(ぜひぜひ! 聴いていても、すごく興味深かったしおもしろかったですね)
草野くんは10代でLPを聴いていた世代なので、「レコジャケへの思いは、若い人とは温度差があるかも」。
(参考にする、というのは決して「模倣」ではないんだ、という当たり前のことを改めて感じた、今回の特集でした)
そして、今回の「ちょっぴりタイムマシン」は、あぶらだこの「ROW HIDE」(1985年、1stアルバム『木盤』)。
あぶらだこはココでもかけたことがある。高校のころに草野くんがよく聴いていたバンド。
初期は、ハードコアパンク寄りだったが、その後は、「もう❝あぶらだこ❞は❝あぶらだこ❞!」みたいなジャンル分けしにくい独特の雰囲気を持ったバンドになっていった。
初期の「米ニスト」という曲がバンド内で流行っていて、「よく聴いていましたね」。
そして、草野くんにとっては、日本のバンドで「ジャケ写がいいなと思った、数少ないバンド」だった。
海に浮かぶ船、樹木、亀、釣りをしているおじさん・・・など、「シンプルな写真なんだけど、バンドサウンドを合わさるとすべてに意味があるように感じられてくる。それがおもしろいなと思った」。
「スピッツの1stや2nd(のジャケット)に影響を受けてたかもしれないね」と。
以下は、「木盤」のジャケット。
(個人的に好きな『舟盤』のジャケットも)
来週は、「好きなキーボーディストリクエストで漫遊記」。
たくさんのリクエストの中から、邦楽・洋楽混ぜ混ぜで・・・だそうです!
「草野さん、去年の秋に植えたチューリップが咲きそうです」
熊本地震以降、買い続けている熊本のフルーツ便が昨日届いた。
いつも丁寧に、そして気持ちも言葉も送ってくれる。
離れていると「時ははやいなあ」だけど、近くにいるか離れているかによって、時の速度はあまりにも異なる。
自分が当事者であったり、第三者であったり、人生はいつもそのどちらかだ。
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