隠れ家-かけらの世界-

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秋の山歩き~南高尾山稜を行く

2016年10月27日 13時34分31秒 | 私のPLACE(含・旅行記、山記録)

 先週、急遽、仕事のスケジュールが変更になったので、思い立って南高尾山稜を歩くことにした。
 2年前、同じく高尾付近の「北高尾山稜」(八王子神社~堂所山~底沢峠~相模湖)を歩いて、予想を上回るアップダウンのきつさと、出発時間の遅れで真っ暗な中を下山した恥ずかしい経験を反省し(記録はココに)、「早めの出発+ゆっくり楽しく歩こうよ!」を目標に・・・。
 最初は「高尾山~陣馬山」を久しぶりに歩こうかとも思ったけれど、紅葉前の今の時期、にぎわっているのかなと避けて、あえて南高尾山稜の400~600メートルのピークが並ぶ低山歩きを楽しむことにした。
 「山行記録」というほどのものではないので、悪しからず。



2016.10.21(金)
南高尾山稜を歩く

行程
 京王線高尾山口駅(稲荷山コース:120分)高尾山山頂(20分)大垂水峠への分岐
(一丁平への中間地点)(50分)大垂水峠(30分)大洞山(金毘羅山を経て:40分)
 中沢山(西山峠を経て:60分)泰光寺山(20分)三沢峠(40分)
草戸山
(草戸峠を経て:90分)京王線高尾山口駅



 
稲荷山コースは下山道として10回以上歩いている。高尾山のほかのコースに比べて変化に乏しいかもしれないが、なぜか好きな道。
 薬王院にお参りせずに直接ピークに来てしまったが、あそこは来年の初詣にとっておこう。
 ピークには平日でもそれなりの人々が休んでいる。ここから下山する人、景信山や陣馬山に向かう人、それぞれだろう。もっとにぎわっていることを予想して、陣馬山へのコースを避けたけれど、そうでもなかったかも。
 明るい薄曇りの秋空。青空もところどころのぞいているが、富士山はさすがに雲の向こう。昨日は夏のような快晴だったから、きっと富士山は見事な姿を見せていただろう。ま、そんなに残念は思いはない。
 ピークからは整備された階段を一気に下りる。登りも下りも階段は完璧に整備されている。階段があまり好きではないので少々のため息はしかたない。

 

 一丁平の途中で大垂水峠への分岐。「学習の道」と名付けられている。

 分岐から大垂水峠までは、明るい樹林の中の細い尾根道を行く。前を行く慎重な相方は、「こんなところ?」という程度のところでも「左、気をつけて」「危ないよ」と連発する。山に何度行っても「素人だし」と。謙遜ではなく、自分はすすんで「中高年に人気の登山」をしているわけではない、今日はたまたま誘われて歩いているだけ・・・という意識(笑)。別にイヤイヤ来ているわけではなく十分楽しそうなんだけれど、天邪鬼な人なんで。

 

 

 大垂水峠のあたりで甲州街道(国道20号)を越える。夜中にこの道を車で急いだ、あんまり思い出したくない記憶がよみがえる。
 そして大洞山への登り。尾根通しの道をたどって少しずつ高度を上げていく。
 ピークでの展望はほぼ得られないけれど,ベンチとテーブルで昼食。
 大垂水峠への分岐からまったく人に会わなくて、こんなもん?と思っていたら、ここあたりから少しずつすれちがう単独行の皆さん・・・。おひとりの方はみんな速い! 歩くのが速い! なんか急いでる?(笑) そういえば私も、一人で歩いたときは結構なスピードだったなあ。私の場合は自信がないのでできるだけ時間をかせいで「早めに目的地に到着!」ばかり考えていたような。
 この日のわれわれは、遅すぎることもなく急いでる感もなく・・・。
 さてさて、そんなにゆっくりもできないのでテキパキ食べて出発。大洞山から鞍部まで下って気持ちのよい雑木林の中の尾根道を登っていく。

 

 ガイドブックの解説どおりに、「気づかずに」巻いてしまいそうな金比羅山の四等三角点をちゃんと確認して、先を急ぐ。
 きれいな道標に「まきみち」の文字。「巻いていいの? のぼれば展望あり?」という迷いの中、「巻かずに登ろう」と私が提案。相方は「登るの?」と・・・。
 思いのほか急な登りにため息をついたころ、名もなきピークに出る。ベンチはあるけれど展望はなし。紅葉の季節が終わって葉が落ちれば南に開けるのかもしれない。「あんなにきれいな『まきみち』の文字があったんだから」とちょっと思う。
 そういえば、このコースの途中、小さなピークや鞍部、などには伐採した木を利用したベンチがあちこちに置かれている。きれいに整えられていないベンチがなかなか風情がある。
 中沢山のピーク直下にもそんなベンチがある。そこから5分くらいで到着する中沢山は樹林の中に観音菩薩が祀られている。
 直下から10分くらいで、このコース屈指の眺望が楽しめる場所に出る。ルートの途中で、ベンチが連続していくつも並んでいて、目の前に津久井湖の一部、石老山が見える。天気が良ければ遠く丹沢、富士山も見えるとか。天気は悪くはないが雲が多い。残念。
 
 

 あんまりきれいな写真じゃないけれど、箱庭のような集落が昔よりずっと広がっているのがわかる。
 ベンチで少しおしゃべりしてバナナを食べて、また歩き始める。小さなアップダウンを繰り返して(相方は「小さな・・・じゃないぞ!」と言っていたけれど(笑))、泰光寺山は少し開けたピーク。ベンチあり。2年前の経験が尾を引く(笑)相方は「秋の日はつるべ落とし」を繰り返すので、あまりのんびりせずに先を急ぐ。
 西山峠のあたりには津久井湖方面に下る道が何本か見られる。標識もしっかり設置されていていつでもエスケープできるということか。
 アップダウンの末に開けた三沢峠。ここまでずっと「梅の木平」への道標に導かれてきたが、ここで左に下りると、「梅の木平」から国道20号を経て高尾山口駅。ここで下りる人が多いとガイドブックには書いてある。三沢峠の手前で右に分かれる道は、峰の薬師(東慶寺)を経て津久井湖に下るコース。
 この先、草戸山を経て四辻に向かうコースは、標識も少なく、とくに秋の日のせいかあたりもちょっと寂しくなってきて、しっかり歩けよ!と自分に言い聞かせる。相方、ちょっと前に痛めた膝をかばいながら歩いたためか、いつもはなんともない頑強な反対側の膝が痛み始めたみたい。ま、我慢強い人だから何も言わないけれど。
 
 

 上の写真は草戸山から見た城山湖。1966年建設された発電用の本沢ダムの人造湖だそうだ。遠くに相模原の街が見える。
 草戸山のピークには小さな見晴らし台があって、まわりにベンチもある広い場所。
 ここから先はほぼ展望もなく、ひたすらアップダウンの尾根歩き。登りはそうでもないけれど下りがきつい。神奈川県と東京都を行ったり来たりして歩いたけれど、ここらあたりからは東京都側を四辻に向けてひたすら行く。ちょっと暗くなり始めた。やがて右手に鉄条網のフェンスがあらわれ、「拓殖大学私有地」の看板。しばらくその脇を歩く。草戸山から高尾山口までは50分くらいのはずだけれど、ちょっと時間がかかってしまったかな。
 アップダウンを繰り返しながら少しずつ高度を下げて、やっとこさ四辻分岐に到着。

 

 こんなきれいな道標。「着いた~」とちょっと小さな「歓喜」。ここをまっすぐに行けば高尾駅(JR+京王線)方面に通じる。
 高尾山口駅ヘはここを左に下りて10分ほど尾根を下り、最後は「え、ここ?」というような細い道を民家の庭先すれすれに歩いて、アスファルトの車道に出る。ふ~。

 
 
 ちょっとぼやけているけれど、登山口にはこんな立派な標識が・・・。
 すぐに甲州街道に出て、もうすでにシャッターをおろした店の多いメインストリートを戻って、いつもの「高橋家」。
 また大丈夫ですよ、と言ってくれたので、中に入って、とろろそばと天ぷらと日本酒で軽く。

 

  「よかったね~。どうにか日没には間に合ったね」と苦笑いだけれど、辛口のお酒が喉に心地よい。
 最後の下りでちょっと時間をかけてしまったけれど、あとはまあまあコースタイムどおりだったな、とメモを見ながら少しだけ満足。
 今度はもう少し展望の期待できる山に行こうか・・・なんて、これを書いている「今」思っていることで、そばを食べていたあのときは、そんなことおくびにも出さない二人だったのです(-_-;)。


 こんな参考にもならない記録を読んでくださった「あなた」に、ありがとうございます。
 そういえば、この逆コース、高尾駅~草戸山~峰の薬師を9年前に友人と歩いた記録がココにありました。
 若気の至りで(いえいえ、当時も決して若くはなかったのですが)、なんか軽くて軽薄な文章ですが、参考になれば・・・(ならないだろうな)。


                              


早朝に「若葉」

 

 早朝にシャッフルしながら音楽を聴いて仕事をしていたら、久しぶりにスピッツの「若葉」。早朝の「若葉」は胸にしみる。
 シングルの中でも、これと「ホタル」は、聴いているとときどき胸がしめつけられる。「ホタル」は歌詞も好きだけれど曲の疾走感、バンドサウンドが体に心地よく、あの頃、『リサイクル騒動』の影響で次のリリースがいつになるかわからないという噂のあとだったので、初めて耳にしたときの不思議な安ど感も思い出されるんだろうな。
 「若葉」は歌詞!です。裏の意味を掘りたくなったり、意味わかんないけどなんかいいと思ったり・・。それがスピッツの曲の好きなところなんだけれど、この「若葉」はストレート。でもなぜかそこがいいし、たとえストレートであっても「ありふれていない言葉選び」が心に残る。
 聴く人それぞれだろうけれど、私に浮かぶのは高校の頃の同性の友人たち。あんなに誰かと団結したことある?というくらい盛り上がった日々、いとおしいけれど、でもどこかでうざったいなあと思っていた卒業前。好きだけれど、一日も早く「あなたたち」から飛び立ちたい、異なる世界に行きたいと焦る思いと、心に突き刺さる小さな罪悪感。
 そういう思い出が「若葉」とともに蘇る。そう思って歌詞だけ見ても胸がざわざわ。こんな年齢になってもあの頃に引き戻してくれる、私には貴重な楽曲です。

 ココにあの頃の彼らへのインタビュー。


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