隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

生まれ変わったら、イアン・ギランみたいなボーカルに~漫遊記

2020年08月11日 00時53分07秒 | スピッツ

2020.08.09 21:00
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
 at TOKYO FM


 今回もスタジオではなく、「都内某所のとあるお部屋」から。
 スタッフも別室で、リモート作業とか。


 そして今日のテーマは、「イアン・ギランで漫遊記」。
 草野「60年代から活躍するロック界を代表するボーカリスト! この夏ディープ・パープルのボーカリストとしてニューアルバムをリリース。現役バリバリの74歳」


 オンエア曲
 01 ナンプラー日和(スピッツ)
 02 Highway Star(Deep Purple)
 03 Mr. Universe(Episode Six)
 04 Gethsemane(I Only Want To Say)(Ian Gillan)
 05 New Orleans(Gillan)
 06 Digital Bitch(Black Sabbath)
 07 Throw My Bones(Deep Purple)
 08 スコーレ(山崎あおい)


 漫遊前の一曲は、「夏っぽい曲で!」、スピッツの「ナンプラー日和」(2005年、11thアルバム『スーベニア』)。
 (ちょっと異質なスピッツで始まり、サビで「ああ、スピッツ!」という感じでいつも聴いている。楽しい)

 最初の曲は、「Deep Purpleの代表曲」、「Highway Star」(1972年、6thアルバム『Machine Head』)。
 (うーん、なんと気持ちのいい!)
 ロックの名曲。草野くんは中一のころから聴いていて、「いまだに飽きない」。
 ギターを始めてからは課題曲でもあり、リフの練習を「100本ノックする感じで」弾いていたそうだ。ZO-3で披露。
 アルバムジャケットはこちら。
 

 ここで、「イアン・ギランさんをご紹介」。
 1945年、ロンドン生まれ。今月の19日が誕生日で、75歳に。
 当時の音楽好きの少年のご多分に漏れず、プレスリーの存在で音楽に目覚める。
 地元のバンドを経て、65年、二十歳のときに、Episode Sixというバンドでプロ活動スタート。
 このバンドはそれほど売れなかったが、69年、第II期のDeep Purpleに参加。バンドの人気も一気に上がり、世界的なロックシンガーへ。

 彼の最大の特徴は、screaming voice。
 草野くん、いわゆる金切り声を発して、「オレも高校くらいまでは無限に高いところまで出たんですが、今はもうちょっと出ませんけど(笑)」
 ツエッペリンのロバート・プラントのように地声がすでにハイトーンなのとは異なり、「イアン・ギランさんは地声とハイトーンにギャップがある。そこが狂気や迫力を生んでいると思います」。
 身長185センチの体格からすると、「地声は案外低いのかな。そこからあの切り裂くようなシャウト、スクリーミングが得意なボーカリスト。その後のボーカリストたちにも多大な影響を与えている」。

 次は、彼の初期のキャリアから、Deep Purple加入前のEpisode Sixで「Mr. Universe」(1968年、8thシングル「Lucky Sunday」のカップリング)。
 草野「まだハードロックではないので基本的に朗々と歌い上げていますが、曲の後半で彼の未来を予言するようなシャウトを堪能できます」
 草野くんにとって、60年代後半の「ちょっとサイケな、いかにもUKロックな感じ、好みの楽曲です」。
 (歌い上げ方が気持ちよくて、フォークロックっぽい雰囲気も)
 1967年リリースのシングルのジャケット。当時のフラワームーブメントを思わせるような。
 

 このEpisode Sixからベースのロジャー・グローヴァーともどもDeep Purpleに引き抜かれる。
 それと同時くらいに、舞台化される前の『Jesus Christ Superstar』の音源作品で、Jesus Christ役に起用されている。 映画の出演へのオファーもあったそうだが、バンド活動優先ということで断っている。

 次は、その『Jesus Christ Superstar』から「Gethsemane(I Only Want To Say)」(1970年)。

 映画や舞台でのミュージカル俳優による台詞を語るような歌唱を聴き慣れた人には「違和感があるかも、だけど、こちらが元祖です。まさしくロックミュージカル。ジーザスの苦悩が伝わってきます」と。
 (こちらのほうが好きです・・・。というか、聴き慣れている)

 その後、「すったもんだあって」(笑)、1973年、第II期Deep Purpleを脱退(実質4年くらいの在籍)。
 「あくまで噂だけれど」、ギターのリッチー・ブラックモアとの不仲説はよく言われていた。
 その後音楽から離れて、バイクの店やホテル経営に携わっていた時期もあったけれど、やがて復帰。イアン・ギランバンド(のちに、「ギラン」と改名)として精力的に活動を再開。

 次は、Gillanで、ウィルソン・ピケットのカバー「New Orleans」(1981年、5thアルバム『Future Shock』)。
 ギターは草野くんが大好きなバーニー・トーメ(ランディ・ローズが亡くなったときにオジー・オズボーンのバンドに加わったり。ココでも触れていますね)で、「イアン・ギランのボーカルとのマッチングがすばらしい!」と。
 ウィルソン・ピケットの曲としても有名だけれど、この気持ちいいほどのキレがいいですね~。気持ちがスカッとする。

 次は、Black Sabbathで「Digital Bitch」(1983年、11thアルバム『Born Again 悪魔の落とし子』)
 イアン・ギランのキャリアの中で忘れられがちなのが、「一時期Black Sabbathに在籍していた」こと(ボーカル、ロニー・ディオのあと)。
 今聴けば悪くないと思うけれど、当時は「え、これどうなの、ちがくない?」という反応だったと。草野くん自身も「興味がわかなかった」。
 むりやりたとえれば、「ミスチルのボーカルがある日B’Zの稲葉さんになってた・・・。鰻とサーロインステーキが一緒に出てきた・・・みたいな。too much感があったんですよね」と。
 「落ち着いて聴けば、ブラック・サバスというよりイアン・ギランバンドの延長線上にあるサウンドかな。そう聴けば普通にかっこいいんですけど。ミスチルに稲葉さん入ったけど、稲葉さんが歌うとB’Zだね、みたいな」と(ここ、かなり引っ張りますね)(笑)

 Black Sabbathは2年だけで、そのあとは再結成したDeep Purpleに加入。出たり入ったりを繰り返したあと、1992年以降は落ち着いている。 
 最後は、この夏リリースされるDeep Purpleの最新作から、「Throw My Bones」(2020年、21thアルバム『Whoosh!』)。
 74歳、仙人のボーカルともいえるが、「それもかっこいい」。
 Deep Purpleはむしろ「高齢になられてからのほうが活発に活動している印象」。
 草野「2017年リリースのアルバム『Infinite』もよかったけれど、今回も渋いハードロックを聴かせてくれます。若いころのスクリーミング・ボイスはもうでないのかもしれないけど、それがなくても、半端ない深い味わいを感じさせてくれるんですよね」
 (ちゃんと年齢を感じさせて、なんだかちょっと泣けるくらい、だ。ニューアルバム、聴いてみよう!!)
 以下は、「Thriw My Bones」のMV。
Deep Purple "Throw My Bones" Official Music Video - New Album "Whoosh!" out August 7th, 2020

 9月からはツアーを予定していたそうだが、「(コロナで)どうなるんでしょうね。末長いご活躍をお祈りしています」。


 特集の最後に。
 草野「イアン・ギランさん・・・、ロックボーカリストとしては、デヴィッド・ボウイさん、甲本ヒロトさんと並んで、オレにとってはカリスマですね。ですから、生まれ変わったら、今度はイアン・ギランさんのように、背の高いガタイのいい、ロン毛のシンガーになってみたいですね。ファンとしては、『Highway Star』を聴きながら、エアギターならぬエアボーカルをやっていくと思います」
 そう、きっぱりと。
 憧れの人はとりあえずずっと胸にあって、本人がプロになっても生涯ファンでいられる・・・。幸せなことだ。


 そして、最後は「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
 曲は、山崎あおいさんの「スコーレ」(2014年、1stアルバム『アオイロ』)。
 学校にまつわるテーマでもリクエストがあったそうで、今回はイアン・ギランの特集だったので、「清涼感のある歌でバランスをとろうかな」と。
 友人から、「YouTubeでスピッツのカバーをしているシンガーソングライターがいるよ」と教えられて存在を知った、と。
 はかなげでairyな声で、「夏に街を歩いていて、お店の前で冷房の冷気が一瞬だけ感じられる」、そんなふうに気持ちよさを説明してくれた。
 「それはガリレオガリレイと同じように北海道出身ということもあるのかな?」
 春に新しい音源もリリースされ、「こちらはちょっとurbanな感じがしつつも、声はやっはりハッカみたいにスーッと入ってくる」と。
 (歌詞もおもしろい。学生のころの思いを、鬱積を、風のように空気に絡めて歌う)
 次のは、今年4月にリリースされたアルバム『marble』から「0314」のMV。
山崎あおい "0314" (Official Music Video)
 いい声ですね~。


 そして、来週の予告!
 「コード進行を学んだ曲たちで漫遊記」
 10代で曲を作り始めたころ、そのコード進行に影響を受けた曲たちを解説を交えながら紹介してくれるそうだ。
 草野「これから曲を作っていく人には参考になるかな?」
 こういうのは、本当に楽しみだ!
 スピッツの原点や、納得や意外を垣間見れるのはおもしろい。

 さてさて、草野くんが生まれ変わってロン毛のガタイのいいボーカルになったら、そこにはどんなバンドメンバーが集まるんだろう。
 ちょっと想像しながら、今夜は眠ろう。
 おやすみなさい・・・。


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