2019.2.17 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
TOKYO FM
https://www.tfm.co.jp/manyuki/
「二月も後半に入り、春の訪れをソロリソロリと待つ感じでしょうか」
そうだなあ。私の話ですけど、1週間くらい東京を留守にしていて、さっき駅前を歩いていたら、並木のコブシの木の芽がふくらみ始めていて、びっくり。急に春の予感? 今朝、目がちょこっとかゆかったし。
昨日の地震のニュースに驚く。北海道のようすはどうなんだろう。
そして、先々週の「大和言葉のバンド名で漫遊記」のときに例に出した「ゆず」と「ケツメイシ」は漢語由来だったことを説明。
「言葉って、突き詰めていくと深みにはまるから」ということで、「さぼる」はフランス語のsabotageからきているなんてこともあり、「まあね(笑)、これからもトーク部分はゆるく流していただきたいと思います」
最後の「よろしくお願いしますっ!」は、私が聴いてもちょっとかわいかったですよ。・・・51の男性ですけどね。
今夜は「ギターインストで漫遊記」。
インストルメンタルはリクエストもあったそうだし、草野くんにとっては「ロックと言えばギター」ということで、このテーマ!
「これカッコいいんじゃない?」と本人が思う楽曲、新旧・洋邦交えて厳選セレクトしたそうだ。
(こんな遅くになっても、一応まとめちゃう律儀なワタシ)(笑)
オンエア曲
01 ただ春を待つ(スピッツ)
02 Into the Arena(Michael Schenker Group)
03 Eruption(暗闇の爆撃(Van Halen)
04 Lester Leaps In(The Monochrome Set)
05 The Hunt(Tommy Emmanuel)
06 Stratagem(Eric Johnson)
07 ワイスハイム(Rainbow)
08 Sacred Field(Tak Matsumoto)
09 SAUDADE(高中正義)
漫遊前の一曲は、「そろそろこの曲を聴きたくなる季節?」ということで、スピッツ「ただ春を待つ」(1998年、8th『フェイクファー』)。
(え、インストじゃないんだ~)
リクエストもたくさん来ていたようで、「みんな春を待ってるんだね」。
「20年前ということで、びっくりですけども」
作者も驚くんだな。こちらもびっくりですよ。
そして1曲目は、Michael Schenker Groupで「Into the Arena」(1980年、1st『神(帰ってきたフライング・アロウ』)。
草野「マイケル・シェンカーといえば、オレにとっては憧れのギタリストヒーローNo.1。ライブも何度も行ったし」
・・・のあとで、昨年新幹線で遭遇して「握手+サイン」のエピソード(よほどうれしかったんでしょうね。この番組でもライブのMCでも何度も話している)。
Michael Schenker Group / Into the Arena - マイケル・シェンカー・グループ / イントゥ・ジ・アリーナ(ロック・パラスト 1981)
ロック少年が憧れるのは、わかる気がする。
この曲は「コピーしたいフレーズが目白押しで、指の練習にもなった」と。
ZO-3で長めの演奏を聴かせてくれて、「ちょっと失敗しましたが」と言いつつ、なんだかうれしそう。
そういえば、ライブ中に裏に引っ込んで休憩したいから「Into the Arena」をセトリに加えたいとボーカルが言ってる、とメンバーにばらされたのは、スピッツのボーカルでしたっけ?
次もハードロック系で、Van Halenの「Eruption(暗闇の爆撃)」(1978年、1st『炎の導火線(Van Halen)』)。
「Van Halenも80年当時、世界的なギターヒーロー」、エレキギターを弾き始めた頃の草野少年にとって、この曲は、一瞬ギターをやめようかなと思わせたほどの衝撃的な楽曲だったそうだ。
この曲はもともと指の練習のためにエドワード・ヴァン・ヘイレンが弾いていたフレーズをプロデューサーが聴いて、アルバムに入ったナンバー。
「ライトハンド奏法(タッピング)は速弾きに聴こえて、意外と簡単なんだけれど、それを広めた革命児」と。マニアックなギタリストはそれまでにも弾いていたそうだけれど、それがたっぷり聴けるナンバーが『暗闇の爆撃』。
スピッツのギタリスト、三輪テツヤは「ビギナー」の間奏ギターソロでこの奏法を披露している。曲のイメージを相まって印象的なフレーズ。
関係ないけれど、香取慎吾+稲垣吾郎+塚地武雅のノンアルのCMでバックに流れるのは、Van Halenの「Jump」。このCM、ちょっと好きです(これ、メイキング映像だけど)。
次は、「ハードロック系が続いたので、UKインディーズ系バンド」、The Monochrome Set(レスター・スクェアのギター)で、「Lester Leaps In」(1979年、2ndシングル)。
スピッツがデビュー当時、ライブのSEとして流していた曲で、「スピッツメンバーにとって思い出深い曲。この曲を聴くと、一気に1991年当時に意識が飛んでしまう」と。
初来日時には、有明にあった「バブリーなライブハウスMZA有明」に行ったそうだ。
(懐かしいMZA有明。まだ有明コロシアムなんてなかった頃。当然ゆりかもめも開通してなかったし、空き地もたくさんあって倉庫がそこここに建っていた印象。豊洲駅からテクテク歩いた記憶もあり。私はなんのライブの行ったんだっけ?)
「そのときのフロントアクトが、『英国ロックの深い森』を監修した和久井光司さんのバンドだった。古いことはよく覚えてるな」だって。
曲終わりで、「今聴くと新鮮でいいですね。お笑いライブの出囃子にも使えそう。こういう曲を出囃子に使うと、自分の下手さが目立たなくていいかも。そういう意味で選んだわけではないですけど」と。
チープなライブハウスの雰囲気、若くて先のことは見えないけど勢いだけはあるぞ!というバンドのSEにうってつけ、みたいな・・・。
次のギターインスト曲は、アコギ。オーストラリア出身のTommy Emmanuelによる「The Hunt」(1993年、アルバム『Journey Continue』)。
草野「この人はゆったりした癒し系の曲もあるんですけど、今日は激しめのロックっぽい曲をギター1本で。迫力がすごいです」。
メロディーラインとベースラインを一緒に演奏する「ギャッロッピング奏法」が上手なギタリストで、「そのうえ、ハンサムで優しいおじさま」風な外見のギタリストだそうで、画像を見に行ったら、たしかに穏やかそうな知的な方です。
そういえば、押尾コータローさんが「尊敬するギタリスト」として、どこかで喋っていたような気がする。今年5月に来日するそうだ。
草野「床でリズムをとる音も聴こえるので、そこにも耳を傾けると臨場感が増すかも」
ここでメッセージコーナー。
先々はアコギもエレキもチャレンジしたくて、ギターボーカルとしてスピッツの曲をやってみたい夢があるリスナーさん、「アコギとエレキ、どっちから始めるのがいい?」
こういう質問にはちょっと生き生きうれしそうに答える、さすがギタリスト。
回答は難しいけれど、お店や友人のギターを見て音を出して決めてみては?と。
それぞれの特徴。
エレキギターは「でっかい音が出て弾いてて気持ちいいし、弦も柔らかくて弾きやすい。でもアンプとかの機材が必要なので予算の問題あり」。なるほど。
アコギは「一人でも歌ったりして楽しめる魅力があるけれど、最初は指が痛い。でもそれを乗り越えると、エレキを弾くときにもそれが活きてくる」だそうです。
次は、アメリカ・テキサス州出身のギタリスト、Eric Johnsonで「Stratagem」(2017年、10th『Collage』)。
80年代は、セッションギタリストとして、キャロル・キング、クリストファー・クロス、キャット・スティーブンスらのサポートとして活躍。86年にソロギタリストとしてメジャーデビュー、その後世界的に注目されるギタリストに。
草野「エレキギターの音っていいなと思わせてくれる。聴いていて気持ちよくなってぼーっとしてくるサウンド」
この解説のあとでライドが流れてきたら、ちょっとびっくりですよね。私は録音しておいたのを聴いたので、情報はすでに入っていたから笑っちゃったけど、リアルタイムで流れてきたら、違う意味で笑っちゃったかも。こんなことってあるんだ~、ってね。DJ本人もすぐにコメント出したくらいだから、ちょっと焦ったのでしょうね。
Amazonの視聴でさわりだけ聴いてみたけれど、高音のサウンドが歯切れよくクルクル回る感じが気持ちいい。番組でいつか流してくれるみたいだから、それを待ちます、エリック・ジョンソンさん。
これは、アルバム『Collage』のジャケット。
次は、いよいよRainbow!、「ワイスハイム」(1980年シングル「All Night Long」のカップリング)。
草野「リッチー・ブラックモアさんは、マイケル・シェンカーさん、ヴァン・ヘイレンさんと並んで、オレらロック好き世代からすれば神さま的存在」
でも当時の草野少年は、リッチー・ブラックモアのギターの音は「ガリガリ、ギザギザ」している感じがして「あまり好きではなかった」。
ただ、この「ワイスハイム」では、「ストラト1本でいろんな音が出せるんだなと感動してしまった」そうだ。「ギターインストのバラード!」
中学2年のとき、雨で遠足が中止になって家にいたとき、ずっとこの曲をくり返し聴いていたそうで、「雨の日に合うんだなあ」。曲の最後にバッハのメロディーが流れたりして、「そこが泣きのポイントかもしれない」。
2018年配信の「Finyl Vinyl」のラストに収録されていて、聴くとちょっと感動します。これはもともと、解散後の1986年にリリースされたコンピレーションアルバムなんですね。
(ディープ・パープル解散間際のごたごたの頃よく聴いていた私にはリッチーさんはディープ・パープルのギタリストのイメージで、スピッツメンバーの話からレインボーに至ったという思い出があります)
最後は「メジャーどころ!」、B’Zとしても活動しているTak Matsumotoの「Sacred Field」(2002年、4th『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』)。
有名な某歌番組のオープニング曲も彼の作品だけど、「それは聴くたびに憂うつになるんで」(笑)、今日はかつてのスポーツニュース番組のテーマ曲をセレクトしたそうだ。
基本的にスポーツニュースはひいきのチームが勝ったときや好きな選手が活躍したときに楽しい気分で見るものだから、この曲には「アゲアゲ」のイメージがあって、番組が終了した今聴いても気分が上がるらしい。
Tak Matsumotoさんのギターには、とくに触れませんでしたね。
曲終わりで、「たぶんこの曲、打ち込みだと思うんですが。この番組、一応打ち込みNGという縛りがあるんですけど、そのへんは緩く緩く・・・ということで」(笑)
最後に、「ギターインストといえばジェフ・ベック!」だけれど、草野くん自身はどうも、「彼はまじめでちゃんとしているイメージで、イマイチ、はまれなかった。個人的にはジェフ・ベックは、ボーカルがいるバンドで弾いているときのほうが好きかもしんないです」。
きっとこういうことを仲間と語っていたら、時間はあっという間に過ぎてしまうんだろうな。
そして、最後は「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。今回はやはりギターインストで、高中正義の「SAUDADE」(1982年、9th『SAUDADE』)。
草野少年が中学の頃、高中正義さんのファンは周囲にも大勢いたそうだ。別のクラスの子たちがバンドを組んで文化祭で高中正義のカバー曲をやっているのを見て、すごく楽しそうだったので、「オレもいつかバンドをやりたいな」と思った思い出もあるとか。「彼らを見たことで、今のオレがあるのかな」。
草野「音楽をやりたいとか歌いたいとか以前に、バンドがやりたい、というのがあって、それは今も変わってないですね」
雑誌のインタビューなどでも言っているけれど、それでも改めてきくと、ちょっと胸の奥がじーんとして、言葉を失いますよね。すぐれたソングライターだけど、やりたいのはあくまでバンド・・・ってね。
高中さんは「YAMAHAのSGを弾いていらして、このサウンドは今聴いてもとっても気持ちいいです」
そして来週は、「え、そんな意味だったの!で漫遊記」。
洋楽を聴くときは基本的に歌詞は見ない草野くん。想像して聴いているほうがおもしろい?
で、実際に歌詞を見たときの「え、そんな意味だったの!」というギャップが大きくて驚いた曲をセレクトしてくれるそうだ。
これって、忘れてしまったけど、過去に自分にもあったような気がする。思い出してみよう。
世間の情報に疎い10日間を過ごしていたので、このニュースは昨日知りました。
みゅーさんも教えてくれましたが、4月からの朝ドラ「なつぞら」の主題歌がスピッツの「優しいあの子」に決定!とか。
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=17819
爽やかだけど、ちょっと注意して聴くとヘンな言葉や思いが隠れていたりする、そんな曲たちを、全国に朝ドラファンに見せてくれるのか?
ファンにとっては待ちに待った新曲。それだけでも、この春は価値をもつ。