2020.11.15
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
草野「かなり冬の気配が感じられる今日この頃ですが、みなさん、ご機嫌いかがでしょうか。昼間晴れているとあったかかったりするけど、日が暮れると寒くて、着るものにも迷いますけど」
今日のテーマは「カンサスで漫遊記」。
70年代から活動する「大ベテランバンド」。
ジャンルは「プログレハードロックかな。結構ポップでヒット曲もあります。適度な哀愁感もあって、晩秋から冬にかけてのこの時期に合うのでは?」。
オンエア曲
01 優しいあの子(スピッツ)
02 Carry On Wayward Son(Kansas)
03 Can I Tell You(Kansas)
04 Dust In The Wind(Kansas)
05 Point of Know Return(Kansas)
06 People of the South Wind(Kansas)
07 The Song the River Sang(Kansas)
08 キャッチボールデイズ(GAUCH!)
09 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツの「優しいあの子」(2019年、42thシングル/16thアルバム『見っけ』)。
草野宅のレコーダーの容量がやばくなってきたので過去のものを消していたら、朝ドラ「なつぞら」の録画で印象的な回のものを保存してあって、「第4回、じいちゃんとアイスクリームと食べる回は神回だな」と懐かしく見たそうで・・・。で、「優しいあの子」です。
草野「このドラマに関われてよかったな、と過去の栄光に浸ったわけで」(笑)
(アイスクリームの回? うーん、忘れたな。もう1年半前になるそうです)
最初の曲は、Kansasの長い歴史の中で「初めて全米でヒットとなったCarry On Wayward Son 伝承」(1976年、4thアルバム『Leftoverture 永遠の序曲』)。
この曲は「Kansasの代表曲。中学生のころ洋楽が聴きたくてFENを聴いてたんだけど、この曲がすごい流れてた」。
草野少年は「アメリカの人はこの曲好きなんだろうな」と思ったそうだけど、「そういえば、最近も運転しながらAFN聴いてたら、この曲流れた」と。
そして、“Kansas”の大ざっぱなご紹介。
1969年、アメリカ、Kansas州で、音楽仲間2人で結成したバンド「Reason Why」が原型。翌年、ホワイト・クローヴァー・バンドと合併する形で、「Kansasの歴史が始まった」。
最初は、フランク・ザッパの影響で前衛的な音楽を志向していたが、メンバーがイギリス留学の際にプログレロックに影響を受けて路線変更。
「Carry On Wayward Son 伝承」のヒットで人気バンドの仲間入り。
草野くん自身の経験では・・・。
中学のころ、Bostonにはまっていて、彼らはまだ2枚しかアルバムをリリースしていなかったので、ほかに似たようなバンドないかな、ということで探し当てたのがこのKansas。
今はサブスクなど利用できるけれど、「当時はラジオや雑誌や、友達のお兄ちゃんとかに詳しい人がいたら尋ねたりして探し当てた」とか。
これはBostonの「Don’t Look Back」。(個人的には、「More Than a Feeling」のほうが記憶に残っているかなあ)
Boston - Don't Look Back
実際に聴いてみたら、「Bostonとはかなり違っていたけど、これはこれでかっこいいじゃんとはまった」。
BostonもKansasもアメリカのプログレっぽいポップなハードロックで、「どちらも地名が由来のバンド名で、音楽性もその地名に表れているかも。都会的でSFチックなBostonと、ちょっとカントリーフレーバー漂うKansasとね。バイオリンが入っていて広大な麦畑の絵が浮かんできたり」。
続いて、「Can I Tell You」(1973年、1stアルバム『Kansas』)。
次は、「楽曲の知名度で言えば、日本ではこの曲がいちばん?」な「Dust In The Wind」(1977年、5thアルバム『Point Of Know Return 暗黒への曳航』)。
「全曲弾き語りのバラードなので、プログレッシブハードロックの代表曲とは言いづらいけれど」と前置きをして、「冬季オリンピックのパトリック・チャンがこの曲を採用したことで注目を浴びた」。
最初のメロディーを「にゃにゃにゃ~にゃ・・・」と歌って(笑)、「この出だしのメロディーがきれいなので、ラジオから流れてくるとつい口ずさんでしまいます」。
(本当に聴き入ってしまうメロディー。フィギュアスケートの件は知らなかったけど。
(そうそう、スコーピオンズのカバーもいいですよね)
SCORPIONS - Dust In The Wind
次も同じアルバムから、オープニングナンバーであり、タイトルナンバーでもある「Point of Know Return」。
「Point of No Return」(引き返せない地点)ではなく、NoがKnowであるところに「意味がある?」。
草野くんはジャケットも参考にして、地球が球体ではなく平面だと思われていた時代に思いを馳せて、「引き返すべきか否か、を人生とだぶらせて歌っているのかな?」。
(How long? How long? と繰り返しているので、「戻ることの手がかりになる地点まで、あとどのくらいかかるんだ?」と問うているのでしょうね。とても意味深い歌詞。サウンドからはとても前向きなイメージが伝わる)
そして次は、「彼らの70年代最後のアルバムから「People of the South Wind」(1979年、6thアルバム『Monolith』)。
草野くんが「Kansasの曲の中でめちゃめちゃ好きな曲。軽快で、曲の構成もいいし、ギターソロもかっこいい。Kansasの曲にしては短め」と。
草野くんが小学校6年生のころ、福岡のラジオのポップスベストテンで上位に入っていたそうです。
Kansas - People of the South Wind (Official Video)
この曲は、「産業ロック」特集のココでも取り上げています。ほかの回でも、アメリカンプログレッシブロックの話題などで、Kansasの名前を挙げることがたま~にありますね。
最後は、今年リリースされたニューアルバムから「The Song the River Sang」(2020年、16thアルバム『The Absence of Presence』)。
今も精力的に活動していることを「最近まで知らなかったんですよね。申し訳ないんですけど」と。
草野「新しい曲もカッコいいんでびっくりしました。アップデートされたロックなんですけど、Kansasらしさはしっかり残っていて、『これ、Kansasに影響受けたバンドがやってる』って言われたら信じるかも」
(川や砂漠の風景をイメージさせながら、深い心の動きや悲しみを想像させる歌詞もすてきだ。ちゃんと理解したいけど)
特集の最後に。
Kansasの70年代の曲にはたくさん名曲があるんだけれど、プログレのバンドなので、「それをかけると、ほとんどしゃべれずに、スピッツの曲もかけれずに、3曲いけるかな、となってしまう」。
なので、「今回はあくまで入門編ということで、ポップな短めな曲を紹介しましたが、興味をもった方は長めの曲も聴いてみてください」。
そして、メッセージコーナー。
コロナでマスクをすることが多く、ある日外でマスクを外したらいろいろな匂いが飛び込んできて、「匂いってこんなに情報量が多かったんだ~」と思ったリスナーさん。
「草野さんは最近、季節の匂いに触れましたか?」
草野「やっぱり花かな? バラの花も結構匂いしますよね。焼き肉やタイ料理の店の前を通ると、おなかがグ~っと鳴るほど匂いがしたり。五感の中でも嗅覚って大事なんだな、と『鬼滅』なんか見てても思います」
最後は「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(今日は「花泥棒」で)
曲は、GAUCH!の「キャッチボールデイズ」(1996年、4thのラストアルバム『GAUCH! III』)
草野「ギターの田村さんが友達の友達という感じで顔なじみだった。大阪でのラジオにもゲストで来てくれたんだよね。96年くらいかな~」
最近家でCDを整理していたら、この曲の8センチCDが出てきたそうで、「これがいい感じのギターポップで、埋もれさせるにはもったいなあ、と思って」。
(いいですね~。どこか懐かしい感じで)
来週は、「ファズギターで漫遊記」。
草野「ギターを強制的にひずませるエフェクターとして、とくに60年代に流行ったファズ! そのファズをブリッブリにきかしたナンバーをご案内いたします」
おお、楽しみです。
インディーズ時代の「ファズギター」、思い出しますね~。
月曜日、夕食を食べながら観る『朝顔』~『共演NG』の流れの半端ない心地よい「段差」がクセになる。
『朝顔』で描かれる「普通の家族たち」の心の動き、その家族の周囲の人間たちの軽妙で温かなつながり。ゆっくり、の~んびり来年まで楽しみたい。
そして『共演NG』で発せられる「本音」ですっきりするワタシの食後。
なんだか救われる月曜の夜です。
つぐみちゃんがかわいい・・・。