2023.08.13
「ロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
8月2週目、「暑いですね!」。
「ここ最近大変な方も、そうでもないという方も、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」
今回のテーマは、【90年代のBlurで漫遊記】です。
この夏サマソニに出演するBlur。久々の来日。
「オレもすごい好きなバンドなんで見に行きたかったんですけど」、今はスピッツツアー中で、「風邪をひかないように人込みを避けて生活しているので、残念だけど諦めました」。
そこで、「せめてラジオで流して盛り上がろうと思います」。
オンエア曲
01 ルキンフォー(スピッツ)
02 There's No Other Way(Blur)
03 For Tomorrow(Blur)
04 Girls and Boys(Blur)
05 Country House(Blur)
06 Charmless Man(Blur)
07 Beetlebum(Blur)
08 翼もないのに(和田アキ子)
09 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツの「ルキンフォー」(2007年、32thシングル/2007年、12thアルバム『さざなみCD』)。
「今日は久々にこの曲で。忘れていました」
(えーっ。激しめなロックなスピッツが大好きだけど、それでもこの曲を聴くと涙が出るという青年がいますけど。忘れないで)
リクエストメッセージのご紹介。
金沢知樹さんから。
「どうしてもお礼を言いたくて。僕は売れない舞台の作家をやっていました。でもどんなに書いても知名度は向上せず、生活は滞り疲弊し、何度も心が折れかかりました。そんなときに励みにしていたのが、スピッツの『ルキンフォー』です。『ダメなことばかりで折れそうになるけど 風向きはいきなり 変わることもある♪』の言葉を信じて創作活動を続けてきました。折れそうなときに必ずこの曲を聴きました。それから16年。ようやくおそらく代表作というものが作れたと思います。『サンクチュアリ 聖域』という相撲のドラマ。これからもデコボコの道を歩いていきます。草野さん、本当にありがとうございます」
金沢知樹さんが放送を聴いて、つぶやいています。
https://twitter.com/JQkJwPgNwgBzaCm/status/1690707389065150467
草野くん、Netflixで見たそうで、「全8話。メチャメチャおもしろかったです。え、もう終わっちゃうの?っていうくらいあっけなく終わりましたけど。荒々しい言葉とか流血シーンがあるので、そういうのが苦手な人にはオススメしませんが、すんごいおもしろいドラマでしたね」。
そして、主演の一ノ瀬ワタルさんがよかった、と。あの強面で、プライベートではウサギを飼っているそうで、「ギャップ萌え、ステキ」と。
(話題作ですよね。映画『サバカン』もよかったなあ)
最初の曲は、「Blurが全米トップ10にランキングした曲」、Blurの「There’s No Other Way」(1991年、2ndシングル)。
これは、「マッドチェスター(と呼ばれるムーブメント)などの90年代のUKダンスロックブームの流れの上にある曲」で、「その後の、そして今のBlurのイメージからはちょっと違うけど、デビュー当時のBlurもカッコいいんですよね」。
この頃のBlurのドキュメンタリー映画『Starshaped』が好きで、「よくツアー先でDVDを見てましたね」。
Blurのオシャレ感は「すごいオシャレだけどきめきめのオシャレじゃなく、ロックっぽい着崩し感っていうのかな、適当に着てますっていうのがカッコいい。こういうのはセンスなんだろうけど、ちょっと羨ましいですよね」。
ボーカルのデーモンが履いてたドクターマーチンの8ホールブーツ、ギターのグレアムが着てたボーダーのシャツとか、「それっぽいのを探して真似してたこともあります」。
グレアムが弾いていたブラウンサンバーストのレスポール、「いいなあと思ったけれど、レスポール、重いのでライブで持つことはないかなと思ってやめました」。
次の曲は、Blurの「For Tomorrow」(1993年、5thシングル/1993年、2ndアルバム)『Modern Life Is Rubbish』)。
2ndアルバム『Modern Life Is Rubbish』は、ちょっと雰囲気が変わり、キンクスやデヴィッド・ボウイのような、イギリス特有の皮肉っぽさとか繊細さの入り混じった雰囲気の曲が増えた。
Apple Musicの情報によると、アメリカツアーで大きな挫折感を味わい、バンドのアイデンティティーを見つめ直した結果、いかにもブリティッシュロックというスタンスにたどり着いた。
Blur - For Tomorrow (4K Colour Version)
次は、Blurの「Boys and Girls」(1994年、3rdアルバム『Parklife』)。
3rdアルバムをリリースし、Blurは見た目の良さもあって、国民的なスターバンドになる。
この曲は、初期のダンス音楽路線とは異なる、キャッチーなディスコビートのナンバー。70年代のロキシーミュージックやデュラン・デュランを彷彿とさせるサウンドなので、確固たるUKロックバンドとしてのアイデンティティーは持っていたんだなと。「これぞ、ブリットポップというナンバー」
次は、Blur初のNo.1 シングル「Country House」(1995年、4thアルバム『The Great Escape』)。
この曲は、オアシスのシングル曲とリリースが重なって、「どちらがNo.1 になるか」と世間も煽って話題になった。結果、Blurが1位。
草野くん自身はBlur寄りだったけれど、このときのバトルに関しては、オアシスの『Roll with It』のほうが「ノリがよくてこっちのほうが絶対に売れるよ」と思ったので、「結果は意外でしたね」。
(以下がオアシスのほう。)
Oasis - Roll With It (Official HD Remastered Video)
「Country House」は「キンクスっぽくて、ちょっとTレックス味もあるかな。Blurの新曲としてはちょっと地味な印象でしたね」。
で、この曲が収録されているアルバム『The Great Escape』は、「Blurのアルバムの中でいちばん好きです」。
初期のダンスロックアプローチから若々しさを捨てて〇〇を経て、このアルバムでようやく「Blurならでは、という音楽になった印象」と。
メッセージコーナー。
某都会からきれいな川のある地域に引っ越して8年のリスナーさん。
トビケラの巣ってかわいいですよね~、と。
種類によって、小石とか枯れ葉など素材も異なっていて形もさまざま。「水の中で小さな生き物が作っているところを想像して健気だな、と思います」と。
「磯遊びが好きな草野さんのお気に入りの水辺の生き物は?」
「トビケラの巣が見られるなんて、いいなあ」と。
草野くん自身は熊本で農業をしている知り合いを訪ねたとき、田んぼの水がすごくきれいで、ホタルやイモリを見た。イモリが泳いでいる水路は水がきれいなはずだから、そういう水路や水辺は憧れる、と。
「イモリって顔もかわいいんですよね、ヤモリじゃなくてイモリね」
そして、干潟にいるシオマネキやトビハゼが好きかも、と。
シオマネキ
トビハゼ
東京にいると、「淡水でも海水でも、そういう生き物が住んでいるところになかなか行けないので、羨ましい」、そして、「ツアーが一段落したら行ってみたい」と。
(来年の春には?)
次の曲も同じアルバムから、「Charmless Man」(1995年、4thアルバム『The Great Escape』)。
以前に、「同世代現役ロックバンドで漫遊記」(ココ)でかけています。邦楽バンドの中で、唯一の洋楽同世代バンドとしてセレクトされている。
草野くんにとって、Blurでいちばん好きな曲(こういうふうに言えるところがすごいなあ)。「構成もアレンジもよくできていて、サウンドもよくて、何回聴いても飽きない、これぞ、Blur!という楽曲」
Blur - Charmless Man (Official Music Video)
(いちばん!とかはわからないけど、適度に気持ちが上がって、チャーミングwwな曲ですよね)
草野くんが言うには、「でもライブであんまりやらないんですよね。やってほしい曲がセトリに入らないって、好きなバンドあるある?」。
(私にとってスピッツはそんなバンドですよ)
「なんでやらないのか、理由を知りたいけど、スピッツにもそういう曲、あるんですよね。要望は多くても、演奏する側が意外に盛り上がりに欠ける、というか、いろいろ理由はある」と。
でもスピッツは、ファンクラブツアーで要望に応えるようにはしている、と言って、「宣伝かよっ!」。
(私が聴きたい曲は、要望も多くないしなあ・・・)
最後の曲は、Blurの「Beetlebum」(1997年、5thアルバム『Blur』)。
このアルバムは、アメリカのグランジ・オルタナシーンに寄せた雰囲気で、最初聴いたときは「オレの好きなBlurとは違うなあ」と思ってしまったが、「これはこれで、曲のクオリティーは高くて傑作だと思います」。
ただ、現在Blurの代表曲のように言われがちな「Song 2」という曲は、「どうしても好きになれない。オレのBlurじゃないんだよなあ。ま、偏ったファンの好みなんですけど」
Blur - Song 2 (Official Music Video)
「Beetlebum」は、Blurにしては暗くて重い曲だけれど、「ハイドパークの野外ライブの映像で、お客さんがヘビーなこの曲を大合唱していて、イギリスってやっぱりロックな国なんやなあ、と思いました」と。
Blur ♪Beetlebum / Park Live @Hyde Park London 12 Aug 2012
90年代のBlurはこのあと、1999年に『13』というアルバムをリリース。ロックのカテゴリーにこだわらない幅広いサウンドを聴かせてくれる傑作だが、「長い曲が多いので、今回はセレクトしなかった」。
そして、特集の最後に。
7月にニューアルバムをリリースしたが、収録時にはサブスクで2曲だけ聴けたということで、「初期のBlurっぽさもあって、いい感じでした」。
(好きなバンドを特集するとき、曲を解説するとき、やっぱり高揚感がこちらにも伝わりますね。プロとして同じころにデビューした同世代のバンドを、こんなふうにただの一人のファンとして熱く嬉しそうに語れることが、彼がずっとリスナーであり続け、そうありたいと思っている原点なんでしょうね)
(Blur、見た目のカッコよさは十分にわかる。3枚しかアルバムもってないけど、サブスクでほかも聴いてみたい)
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナーは、和田アキ子さんの「翼もないのに」(1971年、10thシングル「夜明けの夢」のB面/作詞:阿久悠/作曲:都倉俊一)。
(イントロは、「見っけ」?)
和田アキ子さんがまだアイドル的人気だったときのシングル「夜明けの夢」のB面ソング。
草野くんは高校時代、福岡の中古レコード店、田口商店でこのシングルを手に入れた。70年代の歌謡曲のドーナツ盤は当時すごく安くて、くじ引きするような感覚で買っていた。とくに和田アキ子さんは歌声がすごいので「ほぼ当たりくじ」という感じ。
A面もいいけれど、「全然B面のほうがいいじゃん」ということで繰り返し聴いていた。
サビを本人が歌わないでバックコーラスのみ、というのが新鮮だったこと。「当時流行ってたのかな」。タイトルに、「ジャンプ・アップ・アコ」というサブタイトルがついていて、「それが何なのかはググっても出てこなくて謎」と。
今和田アキ子さんのラジオ番組のエンディングでちょこっと流れるそうで、「今日はフルで!」と。
来週は、「ロク漫的WBCのテーマソングで漫遊記」。
先日、Amazon primeで公開となったWBCのドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』を見て、「WBCが再びオレの中で来ています」。
「プロ野球で私のひいきのチームがこのところ苦戦しているので現実逃避もあるんですが(笑)」と。
TBSで放送されたときのテーマソングがジャーニーの「Separate Ways」という曲。
Journey - Separate Ways (Worlds Apart) (Official HD Video)
これは実は失恋の曲で、「(WBCのテーマソングには)向いていないのでは?」という指摘もあったらしい。
で、「ちょっとおこがましいですけど、別の曲にするならこんな曲もありますよ、というかってな提案」で漫遊だそうです。
(おもしろそう!)
「草野さん、夏は焼きナスが最高でーす!」
仕事をしながら雨も気にしつつ。
短い晴れ間でも洗濯物を外に出したくなる病気。
人生はともかく、洗濯物に関しては果てしなく貪欲な、晴れ間「チャレンジャー」。浴室乾燥機なんて、とんでもない。
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Blurは初めてきちんと聴いたけど、いいですね~!画像検索もしてみて、あ~これはマサムネが夢中になるはずだわ、格好いいなと。今度アルバムを物色してみようかと、心が動きました。
和田アキ子と言えば、アッコがニックネーム。なので単純に、「ジャンプアップ、アコ」のアコは、そこから来てるのかも?「笑って許して」を歌番組でやった時は、アッコ~!と合いの手が入ってた記憶もあるし。
こんばんは。
本当に、シングル曲の数を耳にすると、すっごいなあと思います。まさに歴史!
それにカップリングに遊びと本気がちゃんと成り立っていて、好きな曲も多いです。
Blurみたいなバンドがが10代のころにいたら・・・と想像するとちょっとヤバいです。
でもそうでなかったからこそ、静かな心で(笑)アルバムを何枚か聴いて、ファンになりました。それも懐かしいです。