■詩織さんの不服を却下 アベ友「不起訴」検察審査会の疑惑
日刊ゲンダイ:2019/12/25
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266700
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伊藤詩織さんが元TBS記者・山口敬之氏からのレイプ被害を訴え、勝訴した民事訴訟。
東京地裁が「合意のない性行為」と事実認定したことを受け、東京地検の不起訴処分に批判が集まっている。
山口氏が“アベ友”だったため、逮捕に続き、起訴も免れたのではないか。
起訴して刑事裁判で白黒ハッキリさせるべきだ――。
そんな声が湧き起こっているのだ。
だが、検察自ら腰を上げ起訴する「再起」の道はあるものの起訴は極めて困難だ。
2017年5月の詩織さんの不服申し立てに対して、検察審査会が同年9月「不起訴相当」の決議を下しているからだ。
検察審査会は有権者からくじで選ばれた11人の審査員が、「不起訴」の妥当性を判断する制度。
「一事不再理」により、詩織さんは再度申し立てできないのである。
ところが、検察審査会の審査に疑惑があったとしたら話が違ってくる。
「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(八木啓代代表)の情報開示請求に対して、東京第六検察審査会は昨年12月、一部文書を開示しているのだが、八木代表は驚いたという。
「通常、法的なアドバイスをする補助弁護士が付くのですが、詩織さんの審査会にはいませんでした。審査員は法的な論点を理解できません。また、どんな証拠が提出され、どのような議論を経て『不起訴相当』の判断に至ったのかの理由が一切示されていないのです。ちゃんと審査されたのか疑問です」
・不透明で異例ずくめ
例えば、小沢一郎衆院議員の陸山会事件を巡って、2013年に検察審査会が下した「不起訴不当」の決議では、A4で14枚にわたって詳細な理由が示されている。
さらに、八木代表の目を点にさせたのが、審査員選定の立会人だ。
過去には立ち会った検事と判事の実名が開示されていたが、詩織さんの審査会分はなぜか黒塗りだった。
突然の不可解な変更について、八木代表が審査会に問うと事務局は「自筆署名なので個人情報とみなし、今回から不開示にした」と答えたという。
「安倍案件である森友問題と詩織さんの検察審査会は、不透明で異例ずくめという印象です。恐ろしいのは、市民が下した判断だけに“悪しきお墨付き”になること。実際は、政治介入の余地があり、そのことを外から一切検証できないのです。まずは、メディア、国民が検察審査会に関心を持つことが必要です」(八木代表)
安倍政権が検察審査会まで押さえているとすれば、アベ友は安泰か。
もはや法治国家とは言えないんじゃないか。
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詩織さんの不服を却下 アベ友「不起訴」検察審査会の疑惑
日刊ゲンダイ:2019/12/25
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266700
■黒川検事長の定年延長の背景に「河井夫妻1.5億円」の闇
週刊ポスト 2020.02.11
https://www.news-postseven.com/archives/20200211_1540971.html?DETAIL
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それはまるで“指揮権発動”の光景だった。
安倍晋三首相が黒川弘務・東京高検検事長の異例の定年延長を閣議決定すると、政界捜査がピタリと止まったのである。
東京地検特捜部はIR汚職事件の捜査で逮捕した秋元司・元IR担当副大臣を追起訴しただけで捜査を打ち切り、中国企業などから金を受け取っていた他の5人の国会議員の立件を見送る方針だと一斉に報じられた。
黒川氏は法務省官房長時代から官邸とのパイプが太く、数々の検察の政界捜査を食い止めて安倍政権を守ってきた“功績”で法務事務次官、東京高検検事長へと異例の出世を遂げたことで知られる。
「IR汚職や河井克行・前法相と妻の案里氏の公選法違反容疑でも、現場の検事たちからは“黒川さんは捜査状況を逐一官邸に報告している”と警戒されていた」(司法記者)
そうした政権寄りの姿勢から黒川氏には“官邸の御庭番”という異名がついた。
御庭番とは江戸幕府で将軍の直接の命令を受けて情報収集活動を行なった隠密のことだ。
官邸はさらに黒川氏を検察トップの検事総長に据えて「最強の捜査機関」に睨みを利かせようとしたが、黒川氏は2月7日に検事長定年の63歳を迎え、それまでに検事総長(定年は65歳)に就任できなければ退官しなければならない。
そこで官邸は稲田伸夫・現検事総長に勇退を迫ったが、稲田氏は拒否したとされる。
「黒川を検事総長にするつもりはない」という意思表示だった。
そこで安倍首相は黒川検事長の「定年延長」という前代未聞の閣議決定に踏み切った。
なぜ、そこまでしなければならなかったのか。
検察情報に詳しいジャーナリスト・伊藤博敏氏が語る。
「官邸が危機感を強めたのは安倍首相にも菅義偉官房長官にも近い河井夫妻に対する検察の家宅捜索だったとみていい。事件はウグイス嬢に法定限度を超える報酬を払ったという公選法違反容疑だが、捜査の過程で自民党本部から河井夫妻に合わせて1億5000万円が支払われていたことが発覚した。これが官邸を刺激した可能性が高い」
この1億5000万円は自民党内にも衝撃を与えた。
「新人候補への選挙支援にしては巨額すぎる。総裁の決裁がなければ出せる金額ではないし、短い選挙期間に使い切れる金額でもない。いったい、何の目的で渡されたカネだったのか」(自民党選対役員経験者)
金の流れ先が注目されているのだ。
前出の伊藤氏が言う。
「検察は当然、河井夫妻の政治資金の流れ先も調べている。官邸はその使途についてこれ以上捜査でつつかれたくないから、閣議決定までして黒川氏の定年を止め、検事総長のレールに乗せることで捜査に介入させる必要があったのではないか」
安倍首相は検察に“1億5000万円の闇”を明らかにされるのをなんとしても阻止する必要があったという見方である。
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黒川検事長の定年延長の背景に「河井夫妻1.5億円」の闇
週刊ポスト 2020.02.11
https://www.news-postseven.com/archives/20200211_1540971.html?DETAIL
■河井夫妻への1.5億円 安倍氏が説明をすべきだ
毎日新聞 2021/5/21
https://mainichi.jp/articles/20210521/ddm/005/070/095000c
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襟を正すべき自民党幹部が、責任の押し付け合いをしている。
あきれるほかない。
2019年参院選を巡る買収事件で有罪が確定した河井案里元参院議員の陣営に、党本部から1億5000万円もの政治資金が提供されていた問題である。
資金の支出について、二階俊博幹事長は「私は関係していない」と述べた。
幹事長は、総裁に代わり党務をつかさどる。
候補者の公認と政治資金の配分を決める最終責任者であり、説明する責任がある。
二階氏側近から当時の担当者だったと名指しされた甘利明元選対委員長も「1ミリも関わっていない」と、真っ向から否定した。
巨額資金が買収の原資となった可能性が指摘されている。
支出を誰が決めたのか分からないのでは、政党の体をなしていない。
二階氏の発言に対し、買収の舞台となった広島で、党県連から「これほど県民を侮辱する言葉はない」と反発の声があがったのは当然だ。
案里元議員の擁立を主導したのは安倍晋三前首相だった。
当時の総裁として、安倍氏が説明するしかない。
官房長官だった菅義偉首相も、選挙応援で何度も現地入りした。
夫の河井克行元法相は菅氏の側近だった。
菅氏も無関係では済まされない。
二階氏はこれまで、一連の事件を「他山の石」と評し、無責任だと批判された。
克行元法相の裁判で関係書類が検察に押収されていることを理由に、菅氏や二階氏は説明から逃げ続けている。
案里元議員の当選無効を受けた4月の再選挙では自民党候補が敗れた。
政権幹部が事件に向き合わず、政治不信の払拭(ふっしょく)に取り組まなかったからだ。
国民の厳しい審判を自民党は受け止めるべきだ。
にもかかわらず、二階氏側近の林幹雄幹事長代理は記者会見で「根掘り葉掘り、党の内部のことまで踏み込まないでもらいたい」と語り、報道陣の質問を封じる姿勢さえ示した。
資金の大半は、国民の税金から支出される政党交付金だった。
「政治とカネ」の問題に対する自民党の姿勢が問われている。
うやむやにしたまま幕引きすることは許されない。
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河井夫妻への1.5億円 安倍氏が説明をすべきだ
毎日新聞 2021/5/21
https://mainichi.jp/articles/20210521/ddm/005/070/095000c
■夫が残した“責任のバトン” 赤木ファイル・妻の闘い
NHK 2021年6月1日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210601/k10013060331000.html
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「私の雇い主は国民。国民のために仕事ができることを誇りに思っています」。
こう口癖のように語っていた近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(享年54)が財務省の決裁文書の改ざんに関わったことへの「責任」を考え抜いた末、自ら命を絶って3年が経ちました。
いま、妻の赤木雅子さんは裁判を起こし、なぜ改ざんが行われ、国民に尽くしてきた夫が死ななければならなかったのか国に答えを求め続けています。
「夫は苦しんで苦しんで改ざんをして苦しみ抜いて誰にも助けてもらえなかった。夫の事をもう見捨てないでほしい」。
1人で裁判を闘っているのは亡き夫から“責任のバトン”を受け取ったと考えているからです。取材で知った、妻の思いを伝えます。
・夫が命をかけた「責任」
私たちが赤木雅子さんに初めて会ったのは去年5月。
俊夫さんが残した手記を公表し、裁判を始めて間もない頃でした。
雅子さんの手元にはその「手記」や「手書きのメモ」が大切に保管されています。
そこには、決裁文書の改ざんの経緯や関わってしまった事を強く後悔する俊夫さんの思いがつづられていました。
「この事実を知り、抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました。事実を、公的な場所でしっかりと説明することができません。今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかありませんでした。(55才の春を迎えることができない儚さと怖さ)」(手記より)
「雅子へ これまで本当にありがとうゴメンなさい 恐いよ」(手書きのメモより)
・夫が強いられた改ざん
俊夫さんが決裁文書の改ざんに関わったのは2017年の2月です。
当時、国会では、森友学園の土地取引をめぐる問題について激しい論戦が続いていました。
小学校の用地として学園に売却された国有地が地中のゴミの撤去費用などとして「8億円値引き」されていたことが発覚。
小学校の名誉校長が安倍前総理大臣の妻の昭恵氏だったことから「政治が関与した不当な値引きではないか」との疑念が持たれたのです。
2月17日、安倍前総理大臣は国会で「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」と関与を否定します。
この発言をきっかけに追及を強めた野党の質問に、財務省の担当者として答弁していたのが当時、理財局長だった佐川宣寿氏です。
「近畿財務局と森友学園との交渉記録はございませんでした」「面会等の記録は残っていないということでございます」(2月24日・衆議院予算委員会での答弁)
しかし、実際には関連文書は残っていて、佐川氏の答弁が虚偽だったことが後に発覚します。
財務省がこの改ざん問題について内部で調査し、2018年6月に公表した報告書によると、この頃、本省内では文書に政治家関係者からの照会状況に関する記載があることが問題視されていました。
調査報告書は部下から報告を受けた佐川氏が、こうした記載のある文書は外にだすべきではないと反応したことで、昭恵氏や政治家の名前を削除するなどの改ざんが始まったとしています。
改ざんの理由は「国会審議の紛糾を懸念」し、「更なる質問につながり得る材料を極力少なくすること」だったとしています。
改ざんが始まったのは佐川氏の国会答弁の2日後の26日。
日曜日でした。
この日、久しぶりに休みが取れた俊夫さんは雅子さんと自宅近くの梅林公園を散歩していました。
満開の梅の花を眺めていたとき、呼び出しの電話がかかってきました。
雅子さん「信頼する上司の方から電話があって、『僕、助けに行ってくるわ』と向かったんですね。もう行かなきゃいいのになと思ったけど、一生懸命やるべき仕事なんだろうなと思ったので『頑張ってきてね』と送り出したんです」
この日を境に、俊夫さんの生活は一変します。
出先機関の財務局の一職員で、森友学園の契約担当でもなかった俊夫さんの「手記」には、本省や幹部職員からの不正な作業の指示にあらがいきれなかった状況が記されています。
「第一回目は昨年2月26日(日)のことです。当日15時30分頃、出勤していた統括官から本省の指示の作業が多いので、手伝って欲しいとの連絡。現場として私はこれに相当抵抗しました。(近畿財務)局長は、本件に関して全責任を負うとの発言があったと(管財)部長から聞きました。本省からの出向組の(管財部)次長は、『元の調書が書き過ぎているんだよ』と調書の修正を悪いこととも思わず、あっけらかんと修正作業を行い、差し替えを行ったのです」(手記より)
・改ざん後も“嘘の対応”
組織の判断によって俊夫さんが強いられた不正は、改ざんだけではありませんでした。
財務省は、森友学園との応接録について市民から開示請求を受けた際、実際には存在するのに「文書不存在」と偽り、「不開示決定」をしていました。
この対応をした担当者のひとりが俊夫さんでした。
・口癖は「私の雇い主は国民」
不正に関わる前、俊夫さんはよくこう話していたといいます。
「私の雇い主は国民。国民のために仕事ができることを誇りに思っています」。
俊夫さんが愛用していた手帳には「国家公務員倫理カード」が大切に挟まれていました。
・国民全体の奉仕者であることを自覚し、公正に職務を執行していますか?
・国民の疑惑や不信を招くような行為をしていませんか?
国民の代表者が集う国会に出す偽りの文書の作成、それに情報公開請求という国民の権利をないがしろにする嘘の決定。
公務員の職務からかけ離れた行為への関与に俊夫さんの心は壊れていきました。
うつ病を患い、休職せざるをえなくなりました。
職場で夫に何が起きていたのかわからない雅子さん、苦しむ夫のそばにいながら、何もできなかったといいます。
雅子さん「ちょっとずつちょっとずつ夫が壊れていくんです。だんだん幻聴とか、幻覚がひどくなりました。一生懸命職場に戻ろうとしていました。生活の事もあるけど、自分の人生としてもこのままではダメだと。大好きだった職場に帰りたかったんだと思います。でも、できませんでした。私もどう助けていいのか、どう言葉をかけていいのかわからなくてどうしてあげることもできなかったです」
2018年3月7日、俊夫さんは自宅で自ら命を絶ちました。
その日の朝、布団で横になっていることが多くなっていた俊夫さんは、仕事に向かう雅子さんを玄関まで見送り「ありがとう」と声をかけました。
2人が交わした最後の言葉でした。
・なぜ裁判、夫からの『バトン』
夫の死から2年が過ぎた去年3月、雅子さんは、俊夫さんの手記を公表し、国(財務省)と佐川氏に損害賠償を求める裁判を大阪地方裁判所に起こしました。
この間、俊夫さんが手記に記していた「関わった者としての責任」とは何か、考え続けたといいます。
財務省の調査報告書には、改ざんについて「真摯に反省し、二度と起こらないよう全省を挙げて取り組んでいく」との“決意”が書かれています。
しかし、報告書には、俊夫さんが亡くなったことは一切触れられていません。
雅子さんは、その決意を空虚なものに感じていました。
そして、出した答えが、裁判を通して職場で夫に何があったのか真実を明らかにするということでした。
雅子さん「夫の手記を見たときにこれは夫が世の中に投げかけていると気づきました。夫はいまの体力ではこの方法しかとることができないと残していましたが、私はその『バトン』を渡されたと思っています。夫がひとり悩んで受け止めて受け止め過ぎてしまった『責任』。裁判を通して今度は自分が果たせたらと思うんです」
雅子さんは「賠償金を得るための訴えではない」と話します。
訴状には「改ざんが誰の指示で行われたのかを法廷で当事者に説明させるとともに、保身やそんたくによる軽率な判断や指示で現場の職員が苦しみ命を絶つことが2度とないようにすることがこの裁判の目的だ」と書かれています。
・裁判での国・佐川氏の姿勢
始まった裁判で、国(財務省)は、改ざん行為や、関与した俊夫さんがうつ病を発症し自殺したという基本的な事実関係について争わないという考えを示しました。
そして、争いがない以上、法廷での当事者の証言や改ざんの経過がわかる証拠の提出は必要がないと主張しました。
雅子さんの訴えは損害賠償請求の形を取っています。
「賠償額の算定だけで審理を早く終えたい」「終わった話を蒸し返されたくない」そういう国の考えがにじみ出ていると雅子さんは感じました。
一方、佐川氏側も「公務員は在職中の行為で個人として賠償責任を負わない」と主張して、証人尋問などの具体的な審理に入ることなく訴えを退けるよう求めました。
・“赤木ファイル”の存在
この裁判で雅子さんが力を注いできたのが俊夫さんが職場に残したとされる“赤木ファイル”を社会に公開することです。
その存在は、弔問に訪れた俊夫さんの元上司が打ち明けていました。
元上司「(改ざん)前の文書であるとか、修正後のやつであるとか、何回かやりとりしたようなやつがファイリングされていて、それがきちっと、パッと見ただけでわかるように整理されてある。これを見たら、われわれがどういう過程で(改ざんを)やったかというのが全部わかる。めっちゃきれいに整理してあるわと。全部書いてあるんやと。どこがどうで何がどういう本省の指示かっていうこと」(元上司の音声データより)
しかし、国(財務省)は、赤木ファイルについても「裁判とは関係なく、存否を明らかにする必要はない」として、存在するかどうかの確認すら拒んだのです。
・赤木ファイル、国会でも議論に
裁判が続く中、国会の場でもファイルのことが取り上げられるようになりました。
野党議員が存否を明らかにし公開するよう求めたのです。
ところが、ここでも国はかたくなに拒みました。
しかも、理由は「裁判に不当な影響を及ぼすことになりかねない」というものでした。
雅子さん「裁判では『訴えに争いがないから提出する必要がない』と答え、国会では、『裁判に不当な影響を与えるから回答しない』というのは二枚舌です」
雅子さんは、いまでも組織防衛が優先されていると感じ、裁判が開かれるたび、自ら法廷に立って訴え続けました。
「裁判官の皆様にお願いがあります。訴訟の手続きは私には難しくてわかりませんが、夫が自ら命を絶った原因と経緯が明らかになるように訴訟を進めてください」。
「誰でもいい、本当のことを教えて欲しい」。
「私は真実が知りたいだけです」。
俊夫さんと共に働いてきた職場の同僚の心にも届くように。
・裁判の転機、ファイル公開へ
ことし3月下旬、こう着していた裁判が大きく動きました。
訴訟指揮をとる中尾彰裁判長が、非公開の進行協議の中で、国に対して「審理を進める上で、赤木ファイルの内容を確認する必要があると考えている」と伝えたのです。
そして、提出命令を出すことも示唆し、自主的に開示するよう強く促しました。
雅子さんのことばが裁判を動かした形です。
裁判所から対応を迫られた国は5月6日、ついにファイルの存在を認め、開示に応じることを表明しました。
これについて財務省は「何か対応を一転させたわけでなく、原告の申し立てや裁判所の訴訟指揮に応じて手続きを積み重ねてきた」としています。
・ファイルに新事実は
国は赤木ファイルには、▽改ざんの過程などが時系列でまとめられた文書や、▽財務省理財局と近畿財務局の間でやりとりされたメールと添付資料がとじられていると説明しています。
無関係な個人情報などの部分にマスキング(黒塗り)処理を限定的にしたうえで、6月23日に予定されている次の裁判までに開示するとしています。
実現することになった赤木ファイルの公開、改ざんをめぐる新事実が明らかになるのでしょうか。
裁判の関係者の間では、資料の大半は出先機関の職員だった俊夫さんが手に入る範囲で個人的にまとめたもので、財務省の調査報告書の内容を根底から覆すものではないといった見方があります。
菅総理大臣や麻生副総理兼財務大臣は、国がファイルの存在を認めたあとも「改ざんについては財務省が調査報告書をまとめており、さらに検察の捜査も行われ、結論が出ている」などとして再調査は必要ないという考えを示しています。
それでは、公開に大きな意義はないのでしょうか。
かつて苦しむ夫に何もできなかったという雅子さん。
なぜ俊夫さんが残したファイルの公開を求めるのか理由を話してくれました。
雅子さん「自分がいったい何をさせられたかを事細かに書いていると思うので、夫がどうして死ぬようなことになったのかはそれを見たらわかると思うんですよね。夫は自分の責任を感じて亡くなってしまったんですけど私はどうやって止めたらよかったのかまだ答えがわからない。そういう意味でも書いている内容がわかれば、私は助ける方法が今からでもわかるんじゃないかなと思います」
・俊夫さんの『バトン』は誰が
自らの「責任」をどう取るか考え続け、命を絶つことしかできなかった俊夫さんから「責任のバトン」を受け取ったという雅子さん。
ひたすら求めているのは、夫がなぜ死ななければならなかったのか、その説明を尽くすことです。
巨大組織の中で、間違った判断はなぜ止められなかったのか。
どうして抵抗する夫に無理を強いたのか。
取り返しのつかない犠牲を生んだことをどう受け止めているのか。
しかし、改ざんに関わった関係者は一様に口を閉ざしています。
雅子さんは、そこを明らかにし、省みなければ、いつか国民の信頼を裏切る過ちが繰り返されてしまうと考えています。
本当に『バトン』を受け取るべきは誰なのか、この裁判は問いかけています。
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夫が残した“責任のバトン” 赤木ファイル・妻の闘い
NHK 2021年6月1日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210601/k10013060331000.html
■『歪んだ正義 特捜検察の語られざる真相』(宮本雅史:角川文庫:2007年05月25日)
「特捜検察」の驚くべき実態
マスコミを利用した世論の形成、シナリオに沿って作成する調書…
・疑惑の捜査
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・内容紹介(出版社より)
ずさんな捜査、マスコミを利用した世論の形成、シナリオに沿った調書。
「特捜検察」の驚くべき実態を、現職検事や検察内部への丹念な取材と、公判記録・当事者の日記等を駆使してえぐりだした問題作!
・内容紹介(「BOOK」データベースより)
常に「正義」のイメージが先行する検察。だがその奥底には深い「闇」を抱え込んでいた。
ずさんな捜査、マスコミを利用した世論の形成、シナリオに沿って作成する調書…。
これまで功績ばかりが注目され、捜査手法や内容は一切検証されずにきた検察の驚くべき姿を、その「歪み」の源流へとさかのぼり追究。
特捜検事や検察内部への丹念な取材と、公判記録、当事者の日記等を駆使し、戦慄の実態をえぐりだした問題作。
・目次(「BOOK」データベースより)
序章 タニマチの告白(日本一のタニマチ/佐川告白(1)田中角栄との思い出 ほか)/第1章 転換期(3)止まらない暴走(暴走/未曾有の権威失墜/神話崩壊)/第2章 転換期(2)疑惑の捜査(検察のストーリー/矛盾の連続/本当に五億円は元首相に?/「ロッキード事件より証拠はありますよ」)/第3章 転換期(1)誤った出発点(狼狽する佐藤栄作/亡霊の素顔/作られた亡霊)/終章 歪んだ正義
・著者情報(「BOOK」データベースより)
宮本雅史(ミヤモトマサフミ)
1953年、和歌山県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、産経新聞社入社。93年、ゼネコン汚職事件のスクープで新聞協会賞を受賞。書籍編集者、ジャーナリストを経て、産経新聞社会部編集委員
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『歪んだ正義 特捜検察の語られざる真相』(宮本雅史:角川文庫:2007年05月25日)
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■検察を支配する「悪魔」
緊急出版! 日本最後のタブーに挑む対論
田中森一 「入獄前に検察の闇を全て告白する」。
田原総一朗「新聞が絶対に書かない真実を抉る」。
誰も捕まえかれなかった悪魔たちを紙上で「逮捕」する超問題作!
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・内容紹介
緊急出版! 日本最後のタブーに挑む対論
田中森一 「入獄前に検察の闇を全て告白する」。
田原総一朗「新聞が絶対に書かない真実を抉る」。
誰も捕まえかれなかった悪魔たちを紙上で「逮捕」する超問題作!
・内容紹介(「BOOK」データベースより)
日本最期のタブー。
なぜ、無実の人間ばかりがあげられるのか?
「絶対有罪」を作る闇の権力者たち。
・目次(「BOOK」データベースより)
国策捜査の舞台裏/やられる奴、見逃される奴/疑獄事件の全真相/絶対有罪が作られる場所/検察のタブー/癒着する地検と警察/検察の走狗となるマスコミ/検事のカネ、酒、女/ヤメ検業界の内幕/「ヤクザの守護神」の真実/割り屋のテクニック/捜査線上にあがった懲りない面々/元特捜エースが落ちた罠
・著者情報(「BOOK」データベースより)
田原総一朗(タハラソウイチロウ)
1934年、滋賀県に生まれる。早稲田大学文学部を卒業後、岩波映画社、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、フリーのジャーナリストとして独立。政治、経済、検察、マスコミなど幅広い分野で時代の最先端を取材。活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている
田中森一(タナカモリカズ)
1943年、長崎県に生まれる。岡山大学法文学部在学中に司法試験に合格。1971年、検事任官。大阪地検特捜部などを経たあと、東京地検特捜部で、撚糸工連事件、平和相互銀行不正融資事件、三菱重工CB事件などを担当。その辣腕ぶりが「伝説」となり、名声を博す。1987年、弁護士に転身。2000年、石橋産業事件をめぐる詐欺容疑で東京地検に逮捕、起訴され有罪。現在上告中
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検察を支配する「悪魔」
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■『アメリカに潰された政治家たち』(孫崎享:小学館:2012年09月24)
「元外務省国際情報局長が戦後政治史“最大のタブー”といえるアメリカの謀略を明らかに」
「いかにして対米追随からの脱却を図りそしてアメリカによって潰されたか」
楽天ブックス https://a.r10.to/huYUq2
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・内容紹介
戦後政治史“最大のタブー”に挑む!
ベストセラー『戦後史の正体』の著者で元外務省国際情報局長が、戦後政治史“最大のタブー”といえるアメリカの謀略を明らかにする。
なぜ野田政権は、原発再稼働、TPP参入、オスプレイ導入といった、アメリカが喜ぶ政策に前のめりなのか。
その理由は、この政権が、小沢一郎・鳩山由紀夫という「最後の対米自主派」の政治家が潰された後に誕生した、戦後最大の「対米追随」政権だからである。
本書は、岸信介、田中角栄、小沢一郎ら自主派の政治家が、いかにして対米追随からの脱却を図り、そしてアメリカによって潰されたかを詳らかにすることで、現在に至る日本政治の「本当の問題点」を摘出する。
そうして自主派の政治家たちがすべて姿を消したなか、現れたのが反原発の官邸前デモだった。
官邸前デモは、アメリカに潰された政治家たちに代わって、民衆自身がアメリカ支配による「戦後体制」を終わらせようとする、歴史の転換点である。
・【編集担当からのおすすめ情報】
新著『戦後史の正体』がベストセラーとなっている元外務省国際情報局長が、いまなお繰り返される、政治家に対するアメリカの謀略を完全暴露する緊急出版。
原発再稼働からTPP、さらには尖閣・竹島問題まで、現在の日本政治が抱える問題点の「正体」がすべて分かる。
・内容紹介(「BOOK」データベースより)
田中角栄、小沢一郎ー日本の自主自立を目指した政治家たちは、なぜ、どのようにして潰されたのか。
戦後政治史“最大のタブー”に挑み、この国の「かつてない危機」を明らかにする。
・目次(「BOOK」データベースより)
序章 官邸デモの本当の敵/第1章 岸信介と安保闘争の真相/第2章 田中角栄と小沢一郎はなぜ葬られたのか/第3章 戦後最大の対米追随政権/特別鼎談 2012と1960国民の怒りが政権を倒す日(孫崎享×長谷川幸洋(ジャーナリスト)×高橋洋一(元内閣参事官))/終章 本当の「戦後」が終わるとき/特別付録 アメリカと戦った12人の政治家
・著者情報(「BOOK」データベースより)
孫崎享(マゴサキウケル)
1943年、旧満州生まれ。1966年に外務省に入省後、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を経て、2009年まで防衛大学校教授。『日本外交現場からの証言ー握手と微笑とイエスでいいか』(中公新書)で山本七平賞を受賞
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『アメリカに潰された政治家たち』
「元外務省国際情報局長が戦後政治史“最大のタブー”といえるアメリカの謀略を明らかに」
「いかにして対米追随からの脱却を図りそしてアメリカによって潰されたか」
(孫崎享:小学館:2012年09月24)
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■孫崎享。戦後史の正体。東京地検特捜部とCIAの工作。小林興起。
孫崎享氏と小林興起氏のトーク
youtube
https://www.youtube.com/watch?v=3zTtb1pe8-4
■東京地検とは?
・特別捜査部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%8D%9C%E6%9F%BB%E9%83%A8
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【東京地方検察庁特別捜査部】通称「東京地検特捜部」。
東京地検特捜部が連合国軍による占領下で、旧日本軍が貯蔵していた隠退蔵物資を摘発してGHQの管理下に置くことを目的に設置された「隠匿退蔵物資事件捜査部」としてスタートした経緯や特捜部エリートに駐米大使館の一等書記官経験者が多いことから、「アメリカの影響を受けている」とする見方がある。
また、捜査対象が歴史的に木曜クラブの流れを汲む平成研究会系列(田中派―竹下(登)派―小渕派―橋本派―津島派―額賀派―竹下(亘)派―茂木派)の政治家に集中する一方で、党風刷新連盟を興りとする清和政策研究会系列(福田派―安倍(晋太郎)派―森派―町村派―細田派―安倍(晋三)派)の政治家は多くが免れていることから、「捜査対象が偏っているのではないか?」という主張がある。
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特別捜査部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%8D%9C%E6%9F%BB%E9%83%A8
■CIAに支配され続けた日本政治の基本構造
「摘発される人・されない人」
植草一秀(2010年1月21日)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/cia-a85b.html
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