kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

バーン・アフター・リーディング

2009年05月15日 | ★★☆☆☆
日時:5月13日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:A4横版600円。インタビューたっぷりの手堅い出来。

ワタシの好きな外国人女優の第1位はキャサリン・ウィルホート(必殺マグナム)なんだが、大体5位くらいまでにフランセス・マクドーマンドとティルダ・スウィントンが入るんですな。

その2人が出て、しかもコーエン兄弟映画。いやがうえにも期待が高まろうというもの。

シリアスにせよ、コメディにせよ、七つの大罪を実践するいい大人というのが、コーエン兄弟の映画の面白みだと思うのだが、今回もCIAの情報ディスクをネタに、色と欲に目のくらんだ登場人物が繰りひろげるスパイ合戦ごっこの笑い話のような不幸な顛末が描かれる。人の不幸は蜜の味ってヤツですね。

これまでコーエン兄弟の映画は、ドラマの基本的な設定はあまり説明せず、「そこはご想像にお任せします。」みたいな含みをもたせた展開を、その行間を読み取ったり、勝手な想像したりするのが面白かったんだけど、今回は登場人物の背景説明に時間をかける、かける。ちょっと前の作品だったら、フランセス・マクドーマンドが大金を必要とする理由なんて、3分で紹介済みのような気がする。

その説明が実にくどくて、前半はドラマ的に面白みがなく、派手な演技合戦にちょっと退屈してしまう。ようやく、ある人物が死んだあたりから、カーター・バーウェルの神経逆撫で音楽もテンポアップ、いよいよコーエン調になるかと思いきや、今回は逆パターンであっけなく終幕。

ジョージ・クルーニやブラピ、フランセス・マクドーマンドが欲深い思惑とは全然違う成り行きに右往左往する様はオーバーアクトもあって、それはそれで楽しいのだが、盛り上がりに欠けた肩透かし感はどうにもならず、コーエン兄弟作品と期待大だっただけに、ちょっとガックリ来たぞ。

ところで、先の上映回を見て出てきた女の子たちの会話。
「CIAって何するところ?」
「FBIみたいなもんじゃない?」
思わず、「いや、それって、予備知識としてどうなの??」って、ツッコミを入れてしまいました。(心の中で)






題名:バーン・アフター・リーディング
原題:BURN AFTER READING
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:ジョージ・クルーニ、ジョン・マルコビッチ、ブラッド・ピット、フランセス・マクドーマンド、ティルダ・スィントン
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