亀と本とかっぱ

かつて亀を飼っていました。私の心にいつもかっぱがいます。読んで、観て、旅する日常を綴っていきたいです。

「水のかたち」

2012-09-30 10:49:33 | Weblog
27日に購入して一晩で上巻を読み切り、さっき下巻も読了。
宮本輝先生の世界にどっぷりとはまる、至福の時間でありました。
下巻の終わりを読み進めていて「水のかたち」=自分(わたし)のあり方、に思いをはせた時一瞬で鳥肌がたちました。
なんてすごい小説なんだろう。

読み進めるのに夢中で読み取り切れていない気がするので日を置かずにもう一度読みたい。
5年も雑誌「エクラ」に連載していた積み重ねを思うとさらっと読んではいけない。
申し訳なさも感じつつ読んでいた。

あとがきで先生は 「善き人とはいかなる人か」 に言及している。
  他者の痛みや悩みを我がことのように感じ、なんとか力になってあげようと行動をおこす人。
  人を騙して儲けようとか、人間社会のルールに反して平気でいるとか、弱いものをいじめ、強いものにへつらうとか、そういうこととは無縁の人たちと言い換えてもよい。


→→ ありがたいことに正に一人、そんな友人がいる。 私自身は程遠いが善き人に少しでも近づきたいな

文中では 「自分を自分以上のものに見せようとせず、自分以下のものに見せようともしない」
     「人間はすぐにうぬぼれる。絶えず嫉妬する。他人の幸福や成功をねたんだり、そねんだりする。自分を周りからいい人だと思われようとする。」


→→ いい人だと思われたい、自分の言動が恥ずかしくなることがしばしばあって困ります。





来春には「草原の椅子」が映画館で観られる。 楽しみ フンザを、タクラマカン砂漠を観ることができるのだ。
待ち遠しい・・・ 本当に、待ち遠しいのです。