国立劇場小劇場前にて……
偶然、白きものシスターズになりました
ロビーにて、後姿も。
今回、お声掛けくださったYさんは、
きもの好きの憧れの的、紗袷をお召しでうっとり
紗袷といえば、表は黒っぽい色のものが多い中、
こちらは落ち着いた藤色で、とても優しく柔らかな印象。
紗袷、いつか欲しいなあ……
といい続けてもう何年経つでしょう。未だに佳いご縁なく
白きものシスターズ、お二方の帯周り。
この写真ではわずかしかうつっていませんが、
右のTさんのおきものは結城の単衣。ご自身で縫ったそう。
和裁歴一年とは思えない、素晴らしいお仕立てでした。
さて、今年の五月文楽第一部は
五代目 吉田玉助さんの襲名披露公演。
後援会の方にお席をお願いすることができ、
こうした“記念グッズ”もいただけました、嬉しい!
左の写真、左下は、玉助さんの奥様が絵、文とも手がけた
演目のミニ解説。とてもお上手ですね。
その演目
本朝廿四孝より「桔梗原の段」「景勝下駄の段」「勘助住家の段」だったのですが、、、
すみません。私、不勉強で、
今ひとつ頭に入ってきませんでした。
簡単に言うと、
武田方の名軍師、山本勘助の二人の息子のうち
弟は実は武田の家臣で、武田が仕えていた足利氏の側室が生んだ子を
自分の子と偽って育てており
兄は実は敵方の長尾家の家臣で、弟が主君 長尾景勝に容姿が似ていることから
身代わりにしたいと画策している、
そんな中、弟が自分の子(と偽っている身分の高い子)を
兄嫁に育ててもらうために、兄夫婦の子を捨てさせる
という、現代の価値観では到底、受け入れられない筋書き。
この捨て子がとても可哀想で、甲斐と越後の国境に捨てられ
双方の執権に取りあいされたり、
雪降る軒先に放置され、挙句の果て実の父に殺されたり、と、
いくら昔の創作ものといっても、いたたまれないものがありました。
兄弟の母親も、兄を虐げ弟をちやほやする「毒親」で、
その極端なふるまいが、そう大きな動きはないにも関わらず
勘十郎さん、蓑助さんによって憎々しげに演じられていました。
みな、表裏があるというか、企みを隠し持っている設定
(持っていないのは兄嫁だけ)で、よくわかっている人には
面白いのかも知れませんが、私は理解するまでが一苦労。
ただ、舞台上での「対比の妙」は楽しめました。
例えば、舞台真ん中に国境をおいての甲斐VS越後とか
両執権の奥方二人の、白熱した、しかし滑稽な対決ぶりとか、
山本勘助の二人の息子の性格が両極端とか、
それぞれの子どもが、片や幸薄く、片や盛運に恵まれ……など。
吉田玉助さんは上背があり、大柄で迫力ある弟をダイナミックに
遣っていました。動きがとても大きく、さぞ力が要るだろうなあと思って
観ていました。
長尾弾正の妻 入江を遣った一輔さんも良かったです。
また、クライマックスにあたる「勘助住家の段」後では
私の好きな豊竹呂勢太夫さんがお出ましで、
注目の見台は、舞台美術と同じ雰囲気をもつ竹林でした。さすがです。
間で、襲名披露口上も。
内容は書きませんが、
吉田和生さん、まさかの「レジェンド」発言とか、
勘十郎さんが語る、文楽ファンなら頷ける「長身ゆえの悩み」など
親しみあるお話が楽しかったです。
第一部の最後は義経千本桜より「道行初音旅」。
三味線方と太夫さんたちがずらりと舞台に並び、
その最前列の真ん中が燕三さんで、後ろに咲太夫さん、そのお隣りに織太夫さん。
咲寿さんや清丈さんもいらして、みな桜色の裃。
思わず「うわー」っと笑顔満開になってしまいました。
ここの見どころはいうまでもなく勘十郎さんの狐忠信。
瞬間移動や、忠信になってからも隠せない狐の所作など
いつもながら観客の期待に十二分に応える動きでした。
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