この日私が観にいったのは…
人間国宝・濱田庄司。 …渋いぜ!
器に興味を持つずっと前から、
この人の名前は知っていた。
父方の一族が同じ栃木県出身で、益子焼きには親しみがあり、
以前にも書いたが、祖父から譲り受けた同氏の大きな角皿が
今、父の手元にある。
(もしものときは家もお金も要らないから、
そのお皿だけは欲しーなー、と正直思っている)
この日は
単の板締めの小紋に、みちのく花織で。
襦袢はまだ海島綿だが、衿は麻の葉が織り出された紬地に
付け替えた。
(この日は一人で寂しかったので、久々に鏡撮りしちゃいました)
台風が去った翌日、昼間は日がさんさんと照っていたが
もはや夏のそれではない。
ここは汐留。
シオサイトのすぐ近くにある、パナソニック電工内の
「汐留ミュージアム」にハマショーは居た。
渡英をきっかけに、「健康で自由な生活」に目覚め、
そのための衣食住を追求するようになった濱田庄司。
展示は、自作品だけでなく蒐集品も数多く展示されており、
「濱田スタイル」として彼が理想としていた暮らしを再現している。
「心地よさ」「味わい」「機能性」「目新しさ」
…そんなワードが私の心に浮かんでくる。
-グッドデザインは首から上の仕事が勝ち過ぎて、
優等生のように点を稼ぐけれど、どこかそっけない-
いつごろの語録なのだろうか、こんな言葉が展示説明文の一節に書かれていた。
確かになあ。
着物で言えば、私も別に、
誰から見てもマイナスのない(=点が取れる)お手本なんて
望んではいないのだ、と再確認する。
とはいえ、
「心地よさ」「味わい」かつ「目新しさ」「機能性」を満たす
着物がどんなものか、心得ているとは言えないけれど。
それが語れるとしたら、とーっくに今の仕事など辞め、
着物や美術評論家にでもなっているだろう。
…というわけで、
ハマショーの次は…
柳 宗悦。 …渋いぜ!×2
松屋銀座で開催中の展示へGO!
濱田庄司とともに、民藝運動のけん引役となった評論家/思想家だ。
-今までは、芸術は芸術家が創るものであり、
大衆が創るものに大したものはない、と思われていました
でも、そこにも大したものがあるとわかったのです-
21歳にしてルノワールなどの西洋美術論を展開し、評論家として既に知られた存在だった
彼が、朝鮮半島の名もない小さな陶器との出合いをきっかけに
「美しき無名のもの」へとはまっていく。
民藝運動が光を当てたもの、それは確かな手仕事、暮らしの美。
今、(着物好きな)私たちの中には、産地やそこに根付く技、
意匠に思いを寄せる者も多いが、もし民藝運動が興らなかったら、
日本人として、そこに価値を見出すこともなかったかも知れない。
濱田庄司展は25日、柳宗悦展は26日まで。ご興味のある方はお急ぎを!
日本伝統工芸展(日本橋三越)も開催中(~10/3)。
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