少し難しめの医学の書籍用原稿を
新書サイズだけれど数十ページ書いたら
頭が疲れてしまって、飽きてもきた。
三月中に、葉山の県立近代美術館へ
ヘレン・シャルフベックを観に行きたかったけれど
どうもそれはかないそうにない。
そこで、うちからは比較的近場の
静嘉堂文庫美術館へ、お茶道具を観に行くことにした。
珍しい、お煎茶のお道具が展示されているはず。
あと、油滴天目や曜変天目も。
心が何となく、ざわざわしているときには特に
茶道具を眺めていたい、と強く思うことがある。
この日のコーデは……
もう、桜の帯でもいいのだけれど、
この久米島紬を、あまり暖かくならないうちに
着ておきたくて。
藤田織物さんの、芽生え帯と合わせて。
帯締めは久しぶりの道明、厳島組。
羽織は桜で(抽象的だけど)
もう首元は、ファーでは季節の気分でないので
吉田美保子さんの薄グリーンのショールを(写真右)。
さて、まず玉川高島屋で
軽くランチ。
一人のときはここ、南館3Fのユーハイムが近くてお手頃。
(でも、ドイツ的というか、合理的というか、
このバスケットから直接は食べにくいですよね…お皿がもう一枚欲しいところ)
そしてタクシーで静嘉堂文庫まで。
お天気もよく、暖かく、
平日でも思ったより多くの人出。
お馴染み、油滴天目や曜変天目と対面して、
改めて、釉薬が高台に流れているさまなどを観察し、
その重厚さに感心。
15年ぶりと言われるお煎茶のお道具展示は……
こちらが可愛かった!
どれも径10㎝ほどの、手におさまりの良さそうな茶銚。
半数は、清時代前期の職人、許龍文という人の手によるもので、
花弁の表現が秀逸。
私は特に…
造形的に、これが好きかな。
「稜花」と名付けられている。
海鼠釉水注。
海鼠釉って初めて目にしました。写真より実物の方がもっと
透明感があって、台湾でよくとれるスターサファイヤみたい。
錫の茶かん(やかんのように直接火にかける)も新鮮。
直接関係ないですが、
お煎茶の碗は小さくて軽いので、茶托には錫のような
重みのあるものが好まれたそう。
そして
敷物も。
こちら、写真では見難いのですが、右のアップ写真
ぽつぽつ…と、刺繍がほどこされているのです。
布地自体は欧州のもので、刺繍は幕末~明治期に
日本で行われたんですって。
さすが、日本は緻密な手仕事が得意だわー。
ちなみにこの布、リバーシブルです。
会場外には
今の時季にぴったり。野々村仁清の吉野桜をモチーフにした壺。
色、形とも惹かれます。
こじんまりした展示だけれど、
静かに眺めているうちに、心のざわざわが次第におさまって。
私はアカデミックなことはほとんど知らないけれど
長い年月、「そこにありつづける」静かな力が茶道具にあることを
いつも感じているし、助けられてもいる。
帰りは再び玉川高島屋と、東急の地下をはしごして
食料品のお買いもの(これが結構、楽しい)。
PECKのオリーブオイルひたひたのパンや、
バターにコーヒー、蜂蜜。
束の間の、お一人様の息抜きで、またもうちょっとがんばれるかな。
※静嘉堂文庫美術館の展示は21日(月)まで。HPはコチラ
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