神奈川絵美の「えみごのみ」

オシャレの変遷、女性の歴史

ここは汐留。

年々、都会の“高さ”や“速さ”、“賑やかさ”に
ついていけないなあとの思いが強くなる。

さて、パナソニック汐留ミュージアムで開催中の展示。


ファッション好きな人にはお奨めですが、
思ったよりも展示は小規模、また
インテリアについては、おまけ程度と考えておいた方が
良いです。

一部、写真撮影OKのエリアがあり

撮っていただきましたがフラッシュはNGなので
ピントが……。

展示は、タイトル通り20世紀初頭から。

ポール・ポワレのイブニング・ドレス。
このころのフランスでは、古代ギリシャを意識した
スタイルが流行ったそう。
この写真ではわかりにくいですが、とても細いプリーツ加工が
されており、
この時代、どうやって…? 興味がわきました。
時間があったら、調べてみようと思います。

また、20世紀初頭の小物として
ダゴベルト・ペッヒェの象牙のブローチや
ビーズのネックレスなどが目を惹きました。
当時の売れっ子デザイナーだったペッヒェ。
私は以前、同じ汐留ミュージアムで観た
アーツ・アンド・クラフツの展示で知りました。

リバティの初期のバッグもありましたが
1910年ごろはまだジャポニズムの影響が。

1920年以降になると

シャネルが登場します。
上の、古代ギリシャ調とはうってかわって
シンプルなライン、ローウエストで
露出は控えめながらも、アクティブな印象に。
写真の左端はテニスウエアで、
膝丈のプリーツが当時、革新的だったそう。
それまでは、くるぶし丈のスカートでテニスしていたんですって。

なお、このころは
拙ブログでも以前、レポを書いた
ラウル・デュフィが、テキスタイルデザイナーとして活躍しており、
ビアンキーニ・フェリエ社というメーカに提供された
花柄と碁盤目のようなモチーフを合わせたデザイン画が
展示されていました。


こののち、第二次世界大戦のため
装飾的なものは影を潜め……


そして1940年代後半。

ぐっと現在に近いスタイルに。
ディオールやバレンシアガが頭角をあらわし
より立体的、ジャストウエストなどよりメリハリの効いた
シルエットが主流に。
胸の開きが大きくなってきたのも特徴です。
素材も、上のシャネルと比べるとパリッと
かたい感じがしますね。

そして1960年代に入ると

森英恵のドレスが海外ファッション誌を飾り、

私がちょっと感動したのは

パコ・ラバンヌのアルミニウムドレス。
(これはネットで探したもので、
実際の展示物とは少しデザインが違います。)
パコの名前は私、香水でしか知らなくて……。
そのパッケージもメタリックシルバーだったことを
今、思い出しました。

60年代以降は、私の世代ではお馴染みの
クレージュのウエアも何点か展示されていました。


こうしてみると、
1910年代にはミューズ的に扱われていた(ような気がする)
女性が
20年代に自立しはじめ、40年代以降は強さを増し、
その上で、60年代以降は再び女性性の多様な表現が花開いた…と
言えるのかな。
この時代はちょうど、写真の普及と重なり
展示されていたファッション雑誌が
百科事典のごとく分厚いつくりだったのも印象に残りました。

コメント一覧

神奈川絵美
U1さんへ
こんにちは
パナソニック汐留ミュージアムは、松下氏の気概を
受け継いでいるかのような、
職人気質でマニアックな企画が目立ちますよね。

>ファッションの変遷に女性の社会的な変化が投影
そうですね。
社会的立場の変化がファッションに反映されている
部分と
シャネルのように、デザイナー先導で新たな時代の
女性像をつくり引っ張ってきた部分と、
両方あるように思います
U1
http://blog.goo.ne.jp/u11953
おはようございます。
パナソニック汐留ミュージアムへは時々行くことが
あります。建築関係の展示が多いですから。
ここの企画には注目です。

ファッションの変遷に女性の社会的な変化が投影
されている、ということになんですかね。
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