私の沖縄物への思慕は一層深くなっていき…。
「檸檬の上布」は能登だけど、
パートナーとなる帯は、南の島から呼び寄せた。

一つは、竹富島在住の島仲由美子さんの作品。
八重山上布技術保持者でもあり、
竹富町織物事業協同組合の理事長でもあるこの方の、
ぬくもりあふれるミンサー。
「手締め」といって、簡単に言うと緯糸を手前に寄せるのに、
筬を使わず、刀のような道具を使って手で行うのだそう。
(このページに、その様子がわかる写真と文章が載っています)
とーっても柔らかな感触で、ただそっと触れただけでも
「締め心地がいいだろうな」と容易に想像させる。
爽やかな本藍も、まだ訪れたことのない竹富の空の色を遠くに見るようで。
もう一つは、西表島在住の亀田恭子さんの作品。

東京の美術大学を卒業後、西表島へ渡り1995年に独立。
帯を世に出し始めたのはほんの2年前からという若き染織の旗手だ。

実は、うちくい展より前に、
山本きもの工房で見る機会があり、とても惹かれていた。
洗練された色遣いに、手引きのさらっぱりっとした素材感が
「きちんと」感たっぷりなのに、かしこまりすぎず、
今の仕事やお出かけシーンにぴったり合いそうな気がしたのだ。
ショールも「幻想的」といっていいくらいの、
少しミステリアスな美しさ。

上手く映らなかったが、もっとピンク味を帯びた薄いベージュから
モカへのグラデーションになっている。
こちらは「うちくい展」で見つけたときは即決できなかったが、
やっぱり欲しくて欲しくて、後日わざわざ取り寄せてもらった
思い入れのある一品だ。
今年は酷暑で着物はかなり辛いけど、
南の海や空、自然の恵みを分けてもらって、
伸びやかに涼しげに過ごしたいな。