ここ数日内に銀座近辺へ行く予定があり、かつ、
下のいずれかに当てはまる方は、
ミキモトホールでの展示会に立ち寄られることをお奨めいたします。
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□アンティークが大好き
□帯留め、特におおぶりのものが大好き
□無料、しかも写真撮り放題の展示なら、ぜひ行きたいと思う
□都会の真ん中で、夕涼み気分を味わいたい
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その展示とは……
本日(18日)から始まった、彫金作家 竹花万貴さんの帯留め展。
毎年、日本橋三越で開催される伝統工芸展によく出品されている方。
ガレやラリック調の作風が持ち味で、自然の花や虫、鳥をモチーフに
ジャポニズムを表現した作品を、一度にこれほど見られる機会はそうそうない。
シンプル&モダンな会場、少し照明を落した空間に、
凛とたたずむ着物の美。
彫金の硬質な冷たさが、外の暑さを忘れさせてくれる。
こちらは、有名作家さんとのコラボ。
志村ふくみさんの着物に、タンポポの帯留め。
表示が見難いですが、帯のところに<万貴作>とあるのは、
何と竹花先生、ご自身で帯の刺繍も手掛けるから。
こちらは…
山下八百子さんの黄八丈に、どんぐりの帯留め。
鶯につばめ、睡蓮にトンボ。
私がとりわけ気に入ったのは……
ほおずきの帯留め。
中にほおずきの実が入っているのがわかるでしょうか。
この部分は珊瑚が使われています。
「この帯留めはね、展示会ぎりぎり、最後に出来上がったの」
竹花先生は嬉しそうにそうおっしゃった。
顔は隠すことを条件に、掲載OKいただきました。
とても柔和な微笑をたたえた優しい物腰の方。
右上は先生の帯周りでトンボの帯留め、右下はチェリストとして活躍中の
お嬢様の帯周りで、水面にトンボ。
「母のスケッチを手伝うために、私は小さいころから
虫をつかまえたり、リスとたわむれたり」と、
微笑ましいエピソードを話してくださったお嬢さん。
「今回の展示の作品集を池田重子先生にお送りしたら、
わざわざお電話をくださって、とても褒めてくださったんです」
しんとした水辺にいざなってくれそうな
ホタルの帯留めとホタルブクロの帯。
熟した赤い実の上を、鳥が旋回する
きいちごの帯留め。
どれも帯との調和が素晴らしくて、
私はこれほど大きな帯留めは、ひとつも持っていないけれど、
まったく違和感なく、好ましく受け止められた。
彫金と刺繍。“重さ”のバランスも良いように思う。
(残念ながら)先生の作品は非売品で、展示会のために創作していると
ご本人から伺ったが
(もっとも、仮に販売されたとしても手が出ないと思うけど)
自分のものにする、しないという視点で観るよりも、
帯とともに一つの美術品として鑑賞し、ジャポニズムの奥深さに感じ入ることが
着物好きとしては何よりの醍醐味だと思う。
着物を好きでいて良かった、と心から思った展示でした。
アンティークにさして興味がない方でも、とりこになるのではないかなあ…。
展示は24日(水)まで。ミキモトホールのHPもご参照ください。
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