![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/ba/db7b3d8ef874efc2d011a377f8c18660.jpg)
5月上旬に、東京ミッドタウンに行った際
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/8a/893c863eeaf7bbe778f3eac44c480ce9.jpg)
フジフィルムスクエアで開催中だった、こちらの写真展を
観ました(会期は終了しています)。
20世紀に撮影された海外写真家の名作がズラリ。
時代を反映してか、モノクロのポートレートが多かったです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/02/24a18fabba838e2dd5922b9e43b73a9c.png)
こちらはアウグスト・ザンダーが自分の妻を撮った
「写真家の妻」なんと1902年の作品で
写真の黎明期といっていいころでは…。
むかーし、横浜美術館で1905年ごろのフランスの街の
写真を観たことがありますが、
映画のセットなどではない、リアルな息遣いが聞こえてくるようで
ドキドキしたのを覚えています。
こちらも、生身のやわらかさというのか、
時代の空気感が伝わってくるようでした。
少し前に山田五郎さんのYoutubeチャンネルで
明治初期の開港まもないころの要人のポートレートが
紹介されており、
露光が長いので被写体はじーっと我慢し動かずにいなければ
ならず、体を固定するための仕掛けもあったなんて
耳にしましたが
このご婦人も絵画のモデルみたいに、長時間このポーズを
取り続けなければならなかったのかしら。
この写真展で私が一番、気に入ったのは……
タイトルにも書いた、ジョアン・ミロ(ホアン・ミロ)の写真。
こちらです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/30/fb78f8842da198d977671de8b7a04857.jpg)
ちょっとおどけたような、子どものような表情が
なんとも心を和ませます。
撮影はユーサフ・カーシュというトルコ出身のカナダ人写真家。
1920年代から写真の勉強を始め、
ちょうど戦後から頭角をあらわしはじめた、という時代的な幸運もあり
1950年代以降、映画スターや芸術家、有名人のポートレートを
数多く手がけ、カナダから勲章ももらうなどたいへん活躍したそう。
今回の展示にもほかに、ピカソやシャガール、ヘミングウェイ、
モハメド・アリも!
同じ芸術家でもピカソはやっぱりちょっと、
一筋縄ではいかないとんがった感じが写真から見て取れましたが
それに対しミロのなんと天真爛漫なこと。
私はこのニコッとした表情に一瞬で魅せられ、癒され
今でもパソコンのデスクトップに、いつでも開けるよう
アイコンを置いています。
たかが写真、という人もいるかも知れないけれど
何だかお向かいの窓から挨拶されているような
そんなあたたかみがこのモノクロームから
私には感じられ、
それも名写真家の手腕なのかも知れないな、と思ったりするのです。