神奈川絵美の「えみごのみ」

「さじを投げる」は、誰の匙?

(前回の続き)

ここは古民家ワンダーランド……



勉強しようと行ったわけではないので、
かなり適当な紹介になってしまいますが


福島の奥州街道沿いにあった馬宿、鈴木家は
ちょうど茅葺屋根の葺き替え工事が終わった直後で
黄金色に輝く屋根を写真におさめることができました。


ここは、明治期の名家、神奈川の原家の住宅


シャンデリア…落ちなかったのでしょうか。


欄間も素晴らしいです。


柱に建築年の墨書が残されていたという貴重な民家
(ちなみに貞享四年)
土間部分の竹が印象的。


どこのおうちか忘れましたが…
中央の青い看板、読めても意味がわかりませんでした。
(脱穀機だそう)


こちらもどこだったか…屋根の裏側、藁ぶきです。


織機もありました。

さて…

展示室ではこんな企画が。


諺の由来を、実際の衣装や道具などを見せながら
解説しています。

例えば、「さじを投げる」は……

江戸時代、匙は医者を象徴する道具として知られており
医者も見放す=どうしようもない、という意味から転じた諺だそう。

タイトルの「二足のわらじ」は
とばく場を摘発するのに、おとりでばくち打ちに扮した捜査官
(現代的な表現ですみません)が潜入し、いざご用!のときに
わらじをはきかえたことから生まれた諺。

そして
私が思わず、マスクの下で爆笑してしまったのがコチラ



お題は「たががゆるむ」



見事に、ばらばら! 
取返しがつかない感 がたっぷり。戒めになりますねぇ……。


ちゃんと、樽の実物つきで、解説されています。




すぐ近くには低いながら山があり、
展望台から……

この写真のどこかに、私の今の住まいがあります


終わってみれば、見どころ満載。
たっぷり半日遊べて、いい気分転換でした。




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コメント一覧

kanagawa_emi
香子さん、こんにちは!
おお、お匙というのですね、知りませんでした。
いかに医師の象徴だったかがわかります・・・。
こちらは商家の建物もあって、番頭さんの部屋とか、
店先の様子とかも、なかなかおもしろいです^^
kanagawa_emi
セージグリーンさん、こんにちは!
土間や畳、土壁など、自然素材のものに囲まれるだけでも
ちょっと癒やされたりしますよね。
その中での生活は、過酷なこともあったかもですが・・・。
ご近所にも古い建物の展示があるのですね、いつか
お話聞かせてくださいませ。
香子
庄屋さんのような大農家さんのお家が残ってるんでしょうね。
タイトルは、すぐお医者さんねとわかりました。
よく時代劇で医者のことを「お匙」と言ってますもんね (^_-)-☆
セージグリーン
ステイホームの暇つぶしに、漢字の読み・書き取りや四文字熟語や慣用句の
ドリルもトライしましたが、伝統工芸や芸能由来の語句の多いのには、改めて驚きです。
日本の生活文化にはゆとりが感じられますね。

ゆったりとした家屋の天井を見上げると、それ自体が心を解放してくれる
ように見えますね。
近所の江戸東京たてもの館に、また行ってみたいものです。
kanagawa_emi
K@ブラックジャックさん、楽しんでいただけたようで
良かったです^^
なるほど、さし金! 面白いですね。
「くだを巻く」っていうのもあって、糸巻きのパーツの
ことなんですって。いつまでもくるくる動くことから
きているそう。諺って面白いですよねー。
kanagawa_emi
原田さん、こんにちは。
いえいえ、ここまでブログに載せるつもりが当初はなく
大雑把な紹介どまりで^^;

>自分の腕が一種の社会保険のようなもので、…腕が上がればま>すます尊敬されるし、経験を積めば今日より明日がよくなる
こちら、分野は違えど私の立場にもぴったりで
こうありたい、と思っています。
K@ブラックジャック
わらじ以下の記事。
こういうの大好きです(*´∇`*)
普段、普通に使ってるけどこの言葉が出来た時代での
本当の意味とか経緯を知るの楽しいですねぇ。
匙を投げるはへぇ~の嵐でした( *´艸`)

歌舞伎でも「差し金」とかありますが(蝶々をびよんびよんさせるやつ)
普段使ってる言葉が「実はそうだったんだ!」
って言うの知るのは本当楽しいですねー。
原田
ご丁寧な説明と画像、ありがとうございます。職人の私にとっては、一つ一つが参考になります。以下は拙書からの抜き書きです。

「たしかに職人の仕事というのは、自分の腕が一種の社会保険のようなもので、歳をとっても腕が上がればますます尊敬されるし、経験を積めば今日より明日がよくなるという単純かつ明快な「積み重ねの効用」がまだ機能している社会でもある」(『職人暮らし』ちくま新書)

「茅葺屋根は、絶えず葺き替えを繰り返すことによって、材料の需要も増し技術も継承されるのである。歴史的なものの保存とは形だけを残すことではなく、こうした生きた技術の保存でなくてはならない。」(『屋根の日本史』中公新書)

少し宣伝ぽくなりましたが、皆様にもこうした日本建築の良さを、感じていただきたいものです。
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