神奈川絵美の「えみごのみ」

着物フェスタ!

<お知らせ>

結城紬の将来を担う若手の縞屋(メーカー)さん達が中心となり
毎年開催している「結城ウィーク」。
今年は11月11日(金)~13日(日)だそうです。
憧れの逸品をお手ごろ価格で…のチャンス!
また、12日(土)には着物文化研究家の中川比左子さんの
カルチャー講座も予定されています。

こちらでより鮮明なパンフ画像をご覧いただけます
    →本場結城紬卸商協同組合のホームページ
結城地方も今回の震災で少なからぬ打撃を受けていますので、
私もできるだけ応援したいと思っています。


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さて、前回の続き。

眼科に行った後、横浜高島屋で開催中(~10/3)の
展示を観にいった(着物友のypさん、ありがとう)。


江戸時代に花開いた、クリエイティビティ溢れる着物の数々が
年代とコンセプト(武家、能、婚礼など)別に展示されている。
昔のいわゆる「良い仕事」を間近で見ることができ、流行の変遷もわかりやすく
とても面白かった。

例えば…

この巨大な文箱が配された着物は17世紀。
江戸時代初期で、戦乱の世がおさまりエネルギーを持て余した若者たちの間で
起こった「傾く(かぶく)」(一風変わった派手衣装を身に着けたり、目立つ行動をする)
ブームの中、創られた。
傾くは「歌舞伎」の語源であるという説も。


それが18世紀に入り、もっと洗練されると
柄が全身にバランスよく入るようになる。


19世紀になると、柄はより細かく、繊細になり、
友禅と刺繍、そして生地の地模様の高度なコラボレーションが見られる。
武家の女性なら御所解きが定番に。

いずれの時代にも共通しているのは
着物を一枚のキャンバス=「絵」のごとく扱って
全身でテーマを表現していること。
そして、かぶき者から武家、公家まで
考えなしに着ているわけではない=一定の教養に裏付けられた主張があること。

こういう文化的背景が、現代においてもかたや着物を難しいものにし
かたや着物の愉しみの一つになっていると言えるのだろう。

「そんな難しく考えなくても、似合えば何でもいいじゃん!」
ファッションなんだし…、と、私も思うけれど、
言葉で伝えられない(きれない)分を着物に託す、という奥ゆかしさも
展示からは感じられて、日本人として好ましく思った。



見ごたえのある展示でした。横浜での会期は3日で終わってしまいますが、
女子美アートミュージアム(神奈川県相模原市)にて11月9日~30日、
同内容で開催されるそうです。
詳しくはコチラをご覧ください。

コメント一覧

神奈川絵美
やっぴーさんへ
こんにちは
言われてみれば確かに小さかったですね。
近現代の栄養状態がいかに良いか・・・ということでしょうか。
神奈川の美大の展示も見ごたえありそうですが、交通の便が・・・
神奈川絵美
ohaさんへ
こんにちは
わーご上京されるのですね。どうぞ楽しんで!
私もこの週末は歌舞伎を。お天気が良いといいですね
神奈川絵美
すいれんさんへ
こんにちは
ホント、総合芸術みたいなものでしょうか(大きく出ましたが)。
文学的なものも感じますしね。
せっかく纏うのですから、洋服よりは「こだわりどころ」を持ちたいですよね
oha
いいなぁー
週末せっかく上京しますが、ハードスケジュールで終わりそうです。
素敵なもの一杯見たいのになぁー。
すいれん
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
本当にきものは奥が深くて・・・。だから、飽きることがないのでしょうが・・・。
ファッションでもあり、芸術でもあり、歴史であり。 でもそんなきものを纏える私達は、幸せ者ですね。
やっぴー
日本橋高島屋のは見に行けたのですが
今回は時間が取れなくて~ (^-^;;
展示物がそこそこ入れ替わっていたので
行きたかったのですけどね。
昔の物を見ると刺繍の精緻さや柄の大胆さにビックリしますが
サイズの小ささにもビックリですよね。
現代人の身体は大きくなりましたねえ。

神奈川絵美
Medalogさんへ
こんにちは そうなんです、結城はうちからですら相当遠いんですよね・・・。

>着物への情熱が
そうですよね、凝った柄、精緻な仕事を見るにつけ、エネルギーを感じます。
ただ美しいだけではないような気がします。
Medalog
結城紬ウィーク!なんだか心躍る響きです。
一度は行ってみたいですが、ちょっと遠いなあ~。

江戸時代の小袖のパワーってすごいですよね。
着物への情熱が溢れている感じ。
当時もいろいろ制限などあったのでしょうが、それでも今より断然自由奔放で、それを着た人のことまで想像したくなりますね。
神奈川絵美
ゆかりーなさんへ
こんにちはこちらこそご無沙汰してしまって…!

そうでした! あのすんごいバーゲン会場の奥だったんですよね。通り抜けるとき、どう行ったら最短で抜けられるんだろう、なんて考えちゃいました

>鹿の子絞りの繊細緻密な技
本当に! 総絞りあり、飛び柄のように配されたものあり、絞りはとりわけ、ため息ものでしたよね・・・。
あと、金糸の刺繍が今なおキラキラしていたのにもびっくりしました。
今風にいえば、ものすごいセレブが着ていたのでしょうね・・・。
ゆかりーな
お久しぶりです。

私もこの展示は、行ってきました。バーゲン会場の奥の方で開催しているとは思えない、充実した内容でしたね。
刺繍や鹿の子絞りの繊細緻密な技に、見とれてしまいました。
どんな方が羽織っていらしたのだろう・・なんて想像するのも楽しかった

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