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上野の東京文化会館。
2年前には同じ「リング」のワルキューレを、
同じくコンサート形式で聴きました。
そのときの指揮、ヤノフスキさんに感動し、
今回も楽しみに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/5d/9237df687e1ec7606a184dbce18deadf.jpg)
コンサート形式では、舞台美術はなく、
背景にCGタッチの映像が流されます。
私は基本、音楽と歌が聴ければいいので
(そして古典オペラの公演によくある、現代風の解釈による演出が
ときに苦手なことも)
十分、満足です。
ヤノフスキさんの指揮、今回も素晴らしくて、
5時間半、まったく中だるみなく、いい気分で聴かせていただきました。
抑揚があり、表情豊か。
歌の方は、
直前になってメインの2大キャスト
ブリュンヒルデとジークフリート役の歌手が、体調不良で降板してしまい
代役に。
ブリュンヒルデ役はそこそこの出来でしたが、
ジークフリート役は声量がぜんぜんなくて、可哀想なほどでした。
でも、日本人ってホント優しいなあ、と思うのは、
カーテンコールのとき、周囲の人(男性率高し)が
「声があまり出ないのに、がんばって歌いきったよね」と
いいながら拍手をしていたこと。
素晴らしかったのは、
グンター&ハーゲンの義兄弟、バリトン&バスコンビ。
声量十分で芝居心もあり、とても活き活きしていました。
グンター役の人(マルクス・アイヒェ)は、翌日にソロコンサートを
控えていて、コンディションをばっちり、整えてきたのが
素人耳にもわかりました。
ハーゲン役の人(アイン・アンガー)もカッコ良かった~カーテンコールのとき、
一瞬、目が合ったような
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart_pink.gif)
(ちなみに私の席は、やや上手寄りの前から4列目。
出演者のお顔がはっきり見えました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_hohoemi.gif)
ストーリーは長くなるので、ここでは割愛しますが
正直、「神々の黄昏」は真面目に考えると
「なんでそこでそうなるの?」と首をかしげたくなるような内容満載です。
でも、普遍的な哲学というか、
人間の弱さや情が見え隠れして、今を生きる私たちにも響くものがあるのは確か。
幕間でSさんと話をするに
「ワーグナーって、過剰な“女性崇拝”があるよねー」
そこここで、あの女性をものにしたい、娶りたい、と。
「そういえば、序夜『ラインの黄金』でも、
ヴァルハラの城建築の褒美に、女性を娶らせよう、ってあったよね」
「そうそう、でも当の女性に拒否されて、
代わりに女性が隠れるくらいの黄金を積んだんだよね」
そしてそれは、日本の伝芸で見られるそれとは違うよね、ということも。
「西洋は女性を神のように崇めて、それを自分のものにすることで
力を得たい、みたいなところあるよね」
「日本は、自分が力を得たいというよりは、自分の家系や集落を
繁栄させたい、そのために女性が必要、みたいな感覚かな」
そして
「あ、だからワーグナーって男性に人気なのかな」
なんてことも。
ともあれ、オーケストラの豊かな音に圧倒され、癒され
大満足のコンサートでした。