神奈川絵美の「えみごのみ」

出戻り夏日に雪が降る

少し前の記事で、私は確かにこう書いた。
9月11日のお出かけに、薄物は……アウト!! …かな



しかし当日は30℃以上の夏日、
しかも湿度が100%近いのではないかと思わせるほどの蒸し暑さ。
そこで結局……

ピンクの絽小紋にレース帯。
ただこの着物は絽目の間隔が狭い上、
少しシボがあるので絽目が目立たず、単の時期でもいけそう。


アンティークに詳しい着物友達によると、
「昔の絽の生地は現代のものより涼しい」とのこと。
確かに、確かに。
シボがある分、肌につかずさらっと着られるのだ。
これは(以前も書いたが)
青梅の白木屋呉服店さんでご縁をいただいた、今はなき近藤伝の昔の生地。



さて、この日は器好きな4人が集まって、九段の「花田」ツアーへ。
その前に…。


飯田橋の日仏学院内にある「ランスティテュ」でランチ。
緑が多く、古びた建物も含めて都会の隠れ家という例えがしっくりくる。
セッティングくださったキモトモTさんによると、
コンセプトは「フランス人がいつも食べている気取らないフレンチ」。


真鯛のグリル、美味しくいただきました!


ここでメンバー紹介を…

左から、Mさんのコーデはごく薄いゴールドベージュの白鷹お召しに、生皮芋(きびそ)の八寸。
この写真では帯のディテールが伝わらず残念…ざっくりしていながらしなやかで風合い良く、
ところどころに赤や黄の秋色のポイントが入っていて、とてもお洒落。

真ん中のAさんは細かい亀甲が見事な本塩沢の単に、荒川真理子さんの型絵染めの帯。
Aさんの楚々としたたたずまいにぴったり。
この写真ではわかりませんが、帯締めは臙脂系でこれまた秋色のアクセントに。

そして右のTさんは、さらっとした単の紬に、吉田美保子さんの「八丈島サーキット」帯。
この表情豊かな縞は、ほかでは決して見られない。

みなさん、秋を意識しながらも残暑をさらりと交わすような涼感もある装い
4人ということで、訪問着ではないけど、さしずめ現代版の細雪気分(恐れながら私も含めて…)。



しかしこの「細雪メンバー」、いつもながら超にぎやか。
TさんやAさんがお話くださる「着物事件簿(南国編、結城編)」「大寄せ事件簿」は
すでに一つの小噺として作品化されているといっても良い。
何度聞いても大笑いで、内容は失敗やトラブル談なのにも関わらず、
フシギと着物になお一層の愛着がわいてくる。



そしてこの日は、飯田橋の有名パティスリー「カーヴァンソン」にも!
昨年、初めて食べてから夢にまで出そうな位ファンになった
「フォンダンショコラ」と再会…!


白露を過ぎたとは思えないほど暑い一日、まだまだお楽しみは続きます。  (次回へ)

コメント一覧

神奈川絵美
ミワさんへ
こんにちは
こちらこそ、楽しい時間をありがとうございました
何気に四姉妹の話って多いですよね。昔は若草物語…なんて言っていたっけ

>爆笑!着物事件簿
ホントに
いつも出る話はシナリオにして、語り継ぎたい気分です。
ミワ
四姉妹
こんばんは。お出かけレポート嬉しく読みました。
載せてもらった写真を照れつつ眺め、「ありゃりゃー、着付けが失敗だったなー」と反省しています。でもこれもまたこの日の思い出として、心に留めておきたく思います。ありがとうございました。

そうそう、四姉妹といえば、吉田秋生さんのマンガ「海街diary」は四姉妹をメインに置いたアンサンブルドラマですね。切ないドラマに魅かれます。
向田邦子さんドラマ「阿修羅のごとく」も四姉妹(加藤治子、八千草薫、いしだあゆみ、風吹ジュン)だったなあとか、いろいろ思い出しました。

私たちを四姉妹としてドラマを作るとしたら「爆笑!着物事件簿」に違いありません。きもの買い物の大騒動とか、お茶会で大失敗とか、禁断の器屋さんめぐり、とか、キリなさそう。

大好きになって深入りすると、もはや、底なし……(ずぶずぶずぶ……)
しかも、喉元過ぎればなんとやら……
神奈川絵美
たにこのさんへ
そうですよね。そのマニアックな話に4人が同じ目線でのれる、というのもすごい。
集まるべくして集まった4人という感じがしますねぇ。

呉服まわりの話ができる人って、周囲にいつもいるわけではないので(掲示板を使う方法もありますが、各々のバックグラウンドがわからないと、マニアックな話になればなるほど意志疎通はしにくいと思っています)、
ともすると自分の経験だけが適不適を判断する拠り所になりがちですが、
それは着物をより難解なものにしてしまうような気がするのですよね。
ざっくばらんにコミュニケーションできる場があるというのは、
少し大げさですが、着物と気持ちよく付き合っていくために大切なことではないかと思います。
たにこの
何度もコメントすみません
ほんとに、、尽きませんね、話。
だけど、この間お話をしていて私思ったんですが、私たちの着物の話って最近かなりマニアックで、癌で言うところの病巣についての話にまで至っている気がして(笑)
だけど、こういう話をたくさんすることでいろんな知識と共に”事実”を知れるというのはいい事ですよね、きっと。

今後も情報集めまーす☆
神奈川絵美
たにこのさんへ
こちらこそ、素敵なレストラン&花田さんにお誘いくださいまして、ありがとうございました
「club細雪」いい名前
美味しい食事に愉快な話題、そして美しい器と着物…この上ないツアーですね。
ランスティテュのフランス人店員さんも、キモノキレイって喜んでましたね。

しっかし私たちってホントに、会うと着物の話が尽きませんよねぇ。
たにこの
ありがとうございました☆
絵美さん
先日は暑い中ご一緒させて頂けて楽しかったです。いつもありがとうございます。ホント、いつも笑い転げちゃいますよね。
『厚かましい』とか『それってどうなん?』と言われても、この集いは『club細雪』と命名しましょう☆
タイトルの『雪』・・・って何の事だろう~?と、
とってもワクワクしちゃいます。
続き、楽しみに待ってま~す。
また近々お目にかかれますように。

神奈川絵美
やっぴーさんへ
こんにちは
>体感重視の
ですよねぇ 私もオトコマエなしじら、欲しくなりました

器ツアーの常連メンバーはみんな
都会的なオシャレ上級者さんで、
いつもとーっても眼福
やっぴー
体感で
着物は周りの方の目も楽しませるものなので
儀式や正装の場じゃない限りは 体感重視の薄物でいいと思います。
こういう温度や湿度が高い日に、キッチリした単衣は
端で見てても暑そうですもんね
皆さまのお姿、眼福であります
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