神奈川絵美の「えみごのみ」

若冲と江戸絵画 出光美術館にて

本題に入る前に……

昨日、ポピュラー音楽の巨星、バート・バカラックが
94歳で亡くなったとのニュースが入り
ずっと彼のつくった曲を聴いていました。
幼いころにテレビから流れてきた「雨にぬれても」が大好きで
その後もカーペンターズや、日本でも大ヒットした
ニューヨークシティセレナーデや、日本にいながら何と
彼のつくった曲はこれほどまでたくさん、耳馴染みがあり
親しまれてきたのだろう、と、Overwhelmingな功績に改めて感じ入りました。
これだけの“財産”を世界に遺してくれて、ありがとうという気持ちでいっぱいです。

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(前回の続き)


さて、
結城に型絵染の帯で向かった先は



出光美術館で開催中の、江戸絵画の華展。
前後期に分かれ、前期は若冲とおもに浮世絵や絵屏風
後期は円山応挙と京都画壇、そして江戸琳派。

迷ったのですが、私はこれまで割と
応挙や抱一、其一は好きでよく観てきたので、
せっかくだから今回は若冲をゆっくり観よう、と
前期を予約しました。
後期も時間の余裕があれば行ってみようかな…。

人数制限を設けての予約制だったので、
人気の若冲も混みあうことなく、ゆっくり観られました。
もっとも、平日だったからかも知れませんが…。

若冲といえば

この鳥獣花木図屏風がとても有名。

知っている人も多いと思いますが

この小さな升目が若冲の特徴で、これもすべてフリーハンド
なんだそう。
その中にさらに色をのせて、陰影を出しています。

それで気になったのが

横に細くのびる、雲の表現。
少し遠目からみると、この雲が立体感あり
浮き出てくるよう。
升目はべったり厚くぬりつぶされています。

以前、パナソニックで観た中村芳中の絵の時にも感じたのですが
当時のヨーロッパのどこにもない独特の手法が、江戸絵画には観られて
とても興味深いです。

ほかには…


水墨画のおおらかな構図、中でもこの
鯉魚図は鯉の半身が飛び出てくるようで
インパクトがあります。
掛け軸が普及していた日本は、西洋に比べ
縦長の構図がとても多く、それが海外の人には魅力的にうつるんだそうです。

こちらは若冲ではありませんが

磯田湖龍齋の雪中美人図。
雪をあらわす白の絵具を霧吹きで細かく散らし、
松の木や着物は裏からも彩色して立体感を出しているのだとか。

日本画の構図の妙や独自の技法をじっくりと鑑賞できる展示でした。
美術館の配慮なのか、会場内はかなり体感温度が高いような気がして
羽織つきでは暑かったです。
これから着物で行かれる方は少し気にしておく方がいいかも知れません。
あと……
ここからは独白にすぎませんが
私がもうあまりよく見えなくなってしまったせいか
伊勢物語や源氏物語などの、いってみれば“細かい絵”を
じっと観ているのがつらくなってきて……
今後は絵画ルーペを入手してディテールの観察に徹しようかなとか
いろいろ、考えてしまいました。
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