見出し画像

神奈川絵美の「えみごのみ」

疾走の30年 -佐伯祐三展-

今、東京では2人の早世の画家展が開催されていて、
一人は渋谷ザ・ミュージアム東京都美術館の
エゴン・シーレ展(↑間違えました、すみません!)、
そしてもう一人が、この佐伯祐三展@東京ステーションギャラリー。

シーレも好きな画家の一人だけれど
今までに結構たくさん-ウィーンでも-観る機会があったのに対し
佐伯祐三はアーティゾンや東京近代美術館の常設などでちらちらとしか
観たことがなかったので

ここは東京駅。


…の丸の内北口に、ギャラリーはあります。


展示室内は撮影禁止ですが

室外の階段や踊り場もなかなかムードがあり


ちょっと、佐伯が描いていたパリの街が
オーバーラップします。


自撮りで一枚。

佐伯祐三は結核に冒され30年で生涯を閉じることになりましたが
晩年などは特に、とりつかれたように創作に励み
多くの作品を残しました。

ちなみにエゴン・シーレはスペイン風邪のために、28歳で亡くなったそう。
二人とも、作品にどこか悲壮感を感じずにはいられません。


私は佐伯祐三の生涯のことはあまりよく知らなくて
パリから一時帰国後、下落合に住んでいたことも
この展示で初めて知りました。
落合~中井のあたりは、染色家 佐藤節子先生のアトリエがあり
私も何度か訪れたことがありますが、
昔はこんなにのどかだったのだなあ、ととても新鮮な気持ちに。

こちらはパリの風景。

佐伯といえば、私は「白」が強烈に印象に残っていて
以前にも確か、ユトリロの白と、藤田嗣治の白と、佐伯祐三の白は
それぞれ違う印象を受けるなんてことを
ブログに書いた覚えがありますが

時系列に沿って観てみると、そんなに白に固執していたわけでもなく
多大な影響を受けたとされるヴラマンクゆずり(?)の
フォビズム的な色彩の主張が強いゆえ、
ぱっと目に入りやすい白がとりわけ印象に残っていたのかも知れません。


こうした、街の何気ない店先にも
ひとたび興味を示すとずっと、同じ構図で何枚も描いたそう。
(確かに西欧の建物は白い壁が多いかも…)

晩年(といっても20代終わりですが)は

病気とは思えないほど力強いタッチ…と解説にはあり
それはその通りなのですが
クレーやミロの晩年みたいに、ものの形が単純化されてきて
もう細かい描写ができなかったからではないかなあ、なんて
素人目には思ったり。
晩年の絵の評価も高いようですが、
私は佐伯といえばこの一つ上の店の絵のような
エスプリ風味のある絵の方が、好きかなあ。

なんてことを考えながら、会場をあとにしました。
今まで観る機会のなかった、下落合時代の絵をたくさん観られたのが
一番の収穫でした。

展示は4月2日まで。公式サイトはコチラです。

コメント一覧

kanagawa_emi
香子さん、こんにちは!
時間があれば、なかなかいい展示だと思いました。
ギャラリーの内装と、画風がマッチしていたし
フォビズムが好きだったら重厚で勢いのある筆致、色彩など
楽しめるかと思います^^

ふふ、若冲…そうですよね。
今、日本民藝館で柚木さんも開催中なのですが、大枠、
いろいろ観ているという点では同じで迷い中。
でもこちらもまだ会期があるので、そのうち
行くかも、です^^
kanagawa_emi
まるたけさん、こんにちは!
同じような時期に、行かれたのですねー偶然^^
パリの街ってそもそも、なんということない場所でも
オシャレなたたずまいなのかもーなんて思いながら
観ていました。今でいう「シャビー」な感じ?
佐伯さんは時代の先端を行っていましたね。
香子
ステーションギャラリーも行かれたんですね。
まだまだ会期はありそうなので 時間を見て行ってこようかな。
若冲は以前に大体的なのを見たからパスしよう (^-^;;
(予約制だと何かが重なった時を考えてちょっとためらいますよね)
まるたけ
わ、絵美さんも~!
絵美さんの解説で改めて勉強させてもらいました。
そういえば、白が印象的ですよね。
変な話、パリの公衆トイレ、佐伯さんが描くとこんなにお洒落に
あるのかと感心してきました(笑)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「美術展・工芸展レポート」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事