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 ♪♪♪ H.Tokuda

森くま コテコテフォークコンサート 2017.4.9

2017-04-15 23:23:38 | ライブレポート


 野洲市のライブカフェ「森のくまさん」では、4月9日は「フォー・クの日」ということで、コテコテフォークコンサートなるものが開催される。僕は二度目の参加だが、今年はホストという役割で、企画段階から参画させてもらった。
 コテコテフォークとは、なかなか素敵なネーミングだ。いわゆるフォークソングの中でもニューミュージックやポップスの香りのするようなものを排除し、「これぞ日本フォークの原点!」と認められる名曲の数々をみんなで楽しもうというもの。拓郎、陽水、かぐや姫あたりはギリギリセーフだが、できればもっと古い曲をというコンセプトだ。
 こんなマニアックな企画でお客さんが入るものかと心配したが、意外とたくさんの方が来て下さった。その大半は推定60歳代後半の方々。
 正直なところ、僕やバンド仲間は前述「コテコテフォーク」の世代ではない。これらの曲が流行ったころは小学生くらいで、後になってから懐メロのような感覚で古いフォークソングに親しむようになったわけだ。リアルタイムでこれらの曲を聴いて来られた先輩方を前にしての演奏。こりゃ気合を入れてやらねば!

 さて、僕はユミさんとのデュオ「おとぎ猫」で参加。「HITOMAZz」のほうは二人でやってもらおうと思っていたが、結局は僕も参加することになった。これに最後のシングアウトを加えて合計13曲を演奏。脆弱な僕にしてはよくやった。

★おとぎ猫演奏曲 ------------------
・生活の柄(高田渡)
・遠い世界に(五つの赤い風船)
・帰ってきたヨッパライ(フォーク・クルセダーズ)
・時には母のない子のように(カルメン・マキ)
・花嫁(はしだのりひことクライマックス)



 他の出演者のように上手くは出来ないので、せめてルックスから入ろうと、1970年代フォーク風ファッションで登場。二人ともタンスの奥から探し出してきたボロボロのジーンズスタイルだ。ユミさんはなぜか猫耳。僕は秘蔵のキャップを被っていったが、森くまのマスターから「農協の帽子か?」と言われてしまった。JAとちゃうで! GIBSONやで!(笑)
 「遠い世界に」では、オートハープのイントロ・ソロに挑戦。1番は僕が歌って2番はユミさんが歌うのだが、それぞれ歌いやすいキーに転調するというワガママなアレンジにした。実は本家の五つの赤い風船も、2000年に出された再結成CDでは、このようなパターンで演奏されている。
 「帰ってきたヨッパライ」はフォーク史上に残る大ヒット曲なのだが、僕らのようなアマチュアバンドでこの曲をやっているのは聴いたことがない。原曲のあの声はもちろん再現できないが、他のセリフや効果音などはなるべく入れようと頑張った。そのため、ギターとオートハープの他、スライド・ホイッスル、カズー、木魚、仏壇の鐘など、いろんな楽器を駆使。音は出ないが、数珠まで準備した。


 原曲では読経のフェイドアウトに「エリーゼのために」のピアノ演奏が重なってくる。練習時にギターでやってみたが上手く行かず、そこで思い付いたのがオルゴール。これならパカッと蓋を開けるだけで済む。ところが、あてにしていたオルゴールが「乙女の祈り」であったことに気づいて断念。結局はお経のあと「アメイジング・グレイス」をワンフレーズ歌って「アーメン」で終わり。宗教ごちゃまぜの無茶な演奏だったが、たくさんの笑いをいただくことができ、満足満足。
 「時には母のない子のように」ではマー君にハーモニカを吹いてもらい、「花嫁」ではさらにZENさんを加えて多重コーラス付きの演奏。最後はHITOMAZz+αみたいな状態になってしまった。


★HITOMAZz演奏曲 ---------------
・戦争は知らない(フォーク・クルセダーズ)
・風(はしだのりひことシューベルツ)
・イムジン河(フォーククルセダーズ)
・悲しくてやりきれない(フォーク・クルセダーズ)
・22歳の別れ(かぐや姫)
・落陽(吉田拓郎)



 メールで曲目と演奏キーだけ打ち合わせ、当日の開演前に初めて合わせて本番に臨む。まあいつものパターンだが、この日は「悲しくてやりきれない」を1カポのEフォームで弾けだとか、「22歳の別れ」を12弦ギターで高音弦中心に弾けだとか難しい注文を付けられて、僕はけっこう大変だった。「戦争は知らない」と「風」ではバンジョーを弾いている。このオープンバックのバンジョー、あまり鳴り過ぎず、フォークソングにはちょうどいい感じ。
 前半4曲はこの日初めて演奏したのだが、ぶっつけ本番にしてはわりと上手くいったように思う。お客さんも一緒に歌って下さって、嬉しかった。フォークルのナンバーは、今後もHITOMAZzの定番レパートリーになりそう。おとぎ猫の「帰ってきたヨッパライ」もか?(笑)
 HITOMAZzがトリだったので、この後もステージに居残って、シングアウトの演奏。森くまマスターの選曲「いちご白書をもう一度」と「戦争を知らない子供たち」で大いに盛り上がって終演となった。


この日出演された他の2バンドについて、少し紹介しておこう。

◆◆ 原ファミリーバンド ◆◆

 お二人はご夫婦だが、なんと高校生の頃からフォークソングサークルでのお付き合いをされていたらしい。この道40年を超える大ベテラン。ハーモニーが素晴らしく、またビンテージ・ギブソンの生音がとても心地よい。この日はいつもに増して力のこもった演奏を聴かせていただきました。特に「血まみれの鳩」は圧巻。
演奏曲:「風に吹かれて」「500マイル」「まぼろしの翼とともに」「テネシーワルツ」「血まみれの鳩」「カントリーロード」

◆◆ 青人草 ◆◆

 お二人の年齢を合計すると130何歳だとかMCで話されていた。まさにコテコテフォークにドンピシャの世代。しかし、その若々しいボーカルとギター演奏にはびっくり。あと10年後、僕らはこういうふうに演奏できるだろうか。合計160歳になるまでは二人でやりたいと話され、会場から大きな拍手が沸き起こった。
演奏曲:「プカプカ」「思えば遠くへ来たもんだ」「今はもう誰も」「手と手手と手」「うろこ雲の絵」

 まさにステージと会場とが一体となった、とても素敵なコンサートだった。やっぱり古いフォークはいいもんだ。リアルタイムリスナーの方々には、それぞれの歌にまつわる時代背景だとか、個人的な思い出だとか、そういったものを回想しながら聴いていただけたのではないかと思う。
 後日、仕事帰りに森くまへコーヒーを飲みに行ったとき、コンサートを見に来ていたという若い女性から声を掛けられた。「ほとんど初めての曲だったけど、いっぺんに古いフォークが好きになりました」と話されていた。ここに掲載した写真はその人が撮って下さったもの。ほんとに嬉しいです。♪♪

(付記)コンサート終了後、山科の焼き鳥屋にてHITOMAZz・おとぎ猫合同の反省会を開催。3時間以上にも及ぶ大反省会で「神様の声はもっとこういうふうにやらなアカン」とか、厳しい指導を受けた。(笑)
 声はまあまあいいが、演技力が足りないらしい。次回までには練習しときます。