朝日新聞インタビュー記事(2016/9/6)
(インタビュー)格差が深める米の分断 米国社会の変質を分析する社会学者、ロバート・パットナムさん
【直接数字に表れない「社会関係資本」の大切さ】
例えば、ご近所同士が集まってお茶会しても、殆どGDPとして記録されないが、それがとても楽しかったり癒されたりするものであれば、お金を払ってひとり孤独に高級レストランで食事をすることよりも(この場合はきっちりGDPにカウントされる)、ぐっと「社会関係資本」は充足していることになる。
資本主義は、ある一面では、こうした社会関係資本を取り崩して発展してきたとも言える。社会の「発展」とは、それが人々の「幸福度追求度合い」と置き換えてみると、その発展の尺度を変える必要があると誰しもが感じ始めているのではなかろうか。すなわち、私たちの暮らしをもっと実感に即した指数が必要になってきているということだ。少し前にブームとなったブータンの幸福度指数などもその一つの表れだろう。
ならば日本に暮らす私たちの、日本独自の「幸福度」を考えてみてはどうだろう。例えば、見知らぬ人に挨拶して気持ち良く返事をされたら指数1アップ、傍若無人な宣伝カーにイライラさせられれたら指数2ダウン…とかどうだろう。
とにかく、私たちは経済大国世界第3位とか、オリンピックメダル獲得数◯位とか、自分の暮らしと結びつかない数字に振り回されることに白け始めているのは疑いない。
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