ウィーンで学ぶ

---ウィーン医科大学心臓胸部外科
留学日記とその後...---

世界遺産 セメリンク鉄道

2007年08月27日 | ウィーン
ウィーンから南西へ急行電車で1時間半、1000mから2000m級の山々の間を通り抜けるセメリンク鉄道に乗ってみる。

難工事の末1854年に完成したこの鉄道は、美しい山々の中を岩石などの自然素材を主材料として橋やトンネルが建設された。自然と調和した鉄道と評価され1998年にユネスコの世界遺産に鉄道として登録されている。その鉄道を見に行く。


ウィーンでSemmeringまでの切符を買うと、往復運賃は30ユーロ。急行電車は2等車でも座席は広い。ブドウ畑が広がる景色が多い。乗り換えも多く、子どもも退屈していないようだ。車内は比較的空いている。

我々はPayerhach駅も乗り換えたので、「さあ、これからだ」という心の準備が出来たが、セメリンク鉄道はOBB(国鉄)のある区間に過ぎず、場合によっては乗り換えなどもなくどこからがそうなのか気づかないかもしれない。

山々を見ながらSemmering駅に到着。ほとんどの乗客はここで下車した。駅にはInformation兼資料館が併設されており、観光客に情報を提供してくれる。山中であるが英語も通じる。



乗車中は、どこが有名な橋なのか、分からないまま通りすぎてしまった。従って、多くの人はここから線路沿いのハイキングコースを通りながら、美しい石橋などを散策するようだ。ただ、尋ねてみるとベビーカーではその道は困難だと。やむ終えず我々はSemmering駅周辺の散策コースを歩く。




道は整備され、標高900m前後の緑の多いコースだが、時折急な坂道もあり、ベビーカーでの散策はお勧め出来ない。かなり体力が必要だと思う。お店など何もなく、途中カフェで休むことも出来ない。ヘトヘトになり2時間程歩き再び駅に戻ってきた。体は疲れているが、まだ納得できない。


お目当ての、ガイドブックやパンフレットなどに掲載されている有名はツインアーチの橋(カルテリンネ橋)をまだ見ていないからだ。再び駅のInformationで尋ねる。子連れで歩けないが、車で行くことは可能かと?


親切なご年配の方が綺麗な英語で対応してくれた。タクシーで行けると。親切なタクシー運転手まで紹介して頂いた。橋を見たい、鉄道が通るところを写真に撮りたいと交渉してみると、あっさりOK。15から20ユーロ程度で良いと。

ご婦人の運転手で英語が堪能。最新型のベンツで快適に山道を越えていく。先ほどベビーカーを押しながら苦労した坂もあっという間に通り過ぎた。10分ほどで橋の袂に到着。途中の山道はかなり勾配があった。遊歩道と車道は全く異なるが、やはりベビーカーでは無理であっただろうと再確認する。

タクシーを降り、橋の周囲から写真を撮る。近すぎて全景がおさまらないため、前後と歩く。すると、なんと蒸気機関車が黒い煙をモクモク残しながら通過した。時刻表上電車は1時間に2本(上下1本ずつ)しか通過しないが、貨物電車など意外と多くの電車が通過していくことも分かった。




待って頂いていたタクシーに乗り、最寄り駅まで乗せてもらう。わがままに付き合ってもらったが18ユーロだった。帰路はウィーンまで乗り換えなしだった。



疲れた我々はウトウトしていたが、彼はおもちゃで遊んでいた。

もし石橋が見たいだけならば、車で行った方が簡単かもしれない。
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