ご縁をいただいた席亭さんが主催している落語会のひとつで、予定が合う限り出かけているのが「The 菊之丞」である。
元々お気に入りの噺家のひとりの独演会で、しかも先行予約でチケットが確保できるので、個人的にもメリットとなる。
今回もその流れで、亀有のリリオホールに出かけてきた。会場に到着すると、貼り紙が出ており、ゲストの三三師がコロナ陽性で、馬石師が代演と。
時節柄いたしかたないが、三三目当てで来ていた人もいたのでは・・・とも。さて、開演である。
これまで前座によく出ていた「まめ菊」も二ツ目になり、今回は? と思っていたら、なんと「美馬」が登場。
現風柳の真打直前の会で聞いて以来、ちょっとお気に入りになっていて、個人的にはラッキーと・・・
何をやるかと思ったら「金明竹」を頭のところからしっかりやってくれた。特に聞かせどころの早口のところの切れ味がすごく、いやいや、やっぱりこの子いいぞって。
続いて菊之丞師の登場、代演の馬石師が浅草から、こちらに来るまでは時間をかけてやらないと・・・なんて言いながら始めたのが・・・おっ、「船徳」じゃないか。
これまで菊之丞の船徳って、あまり聞いてないような・・・調べてみたら、2013年のこのときに聞いていた。思えば、このときに席亭さんとご縁をいただいたのだが・・・
もちろん、菊之丞のそれは華麗で聞きやすく、文句はないが、強いていえば、後半がかなりあっさりとやっていた印象で・・・
中入りをはさみ馬石師の登場、三三師とはほぼ同期という。始めたネタは・・・おっ、「四段目」だ。芝居仕立てのセリフ回しもよく、保守本流の味わいはさすがと・・・
そして再び菊之丞師の登場。ここでネタ出ししていた「不動坊」だ。この噺、意外によく聞くが、考えてみると不思議だ。
「らくだ」同様、演題になっている不動坊自身はまったく登場してこない。しかも、サゲがなんとなく無理やりにも聞こえる。
調べてみたら、元々は上方ネタで、違うサゲだったようだ。といいつつ、さすがは菊之丞、軽妙にこなしてくれた。
一之輔師でもよく聞くのだが、それと比べると演出は軽く、お腹いっぱいにはならなかった。
逆に、もうちょいこってりやってもいいかなと・・・
ともあれ、いつものとおり疲れないで帰れるのが師のいいところ。大満足で帰路についた。
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