言ってはいけない

先日、「言ってはいけない」という見出しの本が新聞の広告に掲載されていた。そのショッキングな表題につられて購入した。


　表題で想像つくように、公然の秘密みたいなもので、言ってはいけないが、でも本当はこうなんだよなあ・・・というものをまとめたものだ。
　たとえば、よく世間でも「あそこの家はガン家系だよな」なんて言っているわけで、建前上、ガンは遺伝しないことになっているが・・・といった話だ。

　一方で、有名なアスリートの子供がやはり身体能力に優れていると遺伝だよな・・・とか、親が美男美女だとその子もやはり・・・とか言っている。
　だが、親の頭が悪いのでその子も・・・とは、オフィシャルには言えないわけで、優れた方が遺伝なら、優れていない方も遺伝するだろうと。

　この本の内容についてはご法度だから、これ以上書かないが、結論から言うと、なるほどなあ・・・と思ったことも多々ある一方で、えっそうなの? ということもあった。
　少なからず、人間の場合は遺伝の要素と育った環境の双方が影響するのだろうと思っていたわけで、それぞれの影響度合いについて目からウロコも多かった。

　一方で、たとえば勉強については、環境を整え努力すれば、一定の水準に、誰でもがなれるのかということについては、興味深い視点からの考察がされていた。
　ひとつ間違えれば、差別問題ととられかねないテーマに思い切り踏み込んでいるという点で、面白い本であった。

　誰にでもお勧めできるかと言われれば、ちょっと踏みとどまってしまう。聞きたくない、知りたくない結論が記されている場合もあるだろう。
　それでもなお、読んでみたいという方にはお勧めしてもいいかな・・・と。

　古臭くなった言い回しだが、「麻の中の蓬」とか、「かえるの子はかえる」、はたまた「鳶が鷹を産む」なんて言葉を思い出していた・・・