人間国宝だった先代小さんの弟子はあまたいて、今や人間国宝になった小三治や現落語協会会長の市馬、寄席の爆笑王の権太楼、緻密な描写のさん喬などなど・・・人数だけではなく、その個性の広さもすごい。
その中で、小さんの芸風を忠実に受け継いでいるのが小里んや小袁治だ。その小袁治の独演会にはこれまでも何度か出かけているが、先日久しぶりに出かけてきた。
この会も重ねること第110回という。会場は池袋演芸場だが、開場前に到着したため、外でしばらく待つことに・・・
この池袋演芸場というのは、入れ物が小さいのと回りが飲み屋街という猥雑な環境にあり、いろんな意味で独特である。
開場を待っていると、近くの飲み屋さんに誘われそうな・・・(苦笑)
そして開場から、それなりにいいポジションに入れた。さて開口一番だ。門朗という初めて見た前座だが、文蔵のお弟子さんという。
ネタは「道灌」だったが、上手くやろうとしている感じが鼻につく。テンポがイマイチで若々しさを感じない。まああくまで個人の感想だが・・・
続いて出てきたのが林家あんこ。女流の二ツ目だが、しん平の弟子と。後で知ったことだが、時蔵の娘さんという。
新作の「都々逸親子」をやったが、個人的には趣味ではないなあ・・・。と軽く疲労感を感じたところで、小袁治の登場だ。
この会のいいところは、毎回事前にネタ出ししてくれるところ。まずは「つぼ算」だ。なんでもネタおろしという。
過剰な演出などなく、あっさりやってくれるのがいい。さすが小袁治だ。そして続いて海舟が登場、40代での入門という変わり種。
始めたのは「こんにゃく問答」だったが・・・むむ、ちょっと疲れた・・・中入りの時点で、すでにかなり疲れてしまった。中入りの時に、見つけたのがバイト募集の貼り紙。むむ、いずこも人手不足か・・・
中入り後はヒザの笑組、これで「えぐみ」と読むのだが、漫才の方は古典的なパターンで「エグミ」などなく、楽しく聞けた。
さて、最後は小袁治の登場。ネタは「棒鱈」だ。基本は田舎武士をディスりまくるネタ。酔っぱらいが段々とグデグデになっていくのが聞きどころ。
この辺は小さんの香りもするし、さすがに疲労感なく楽しめる。すっかり満足して落語仲間の先輩たちとともに軽く飲んで帰路についた。
小袁治のような昭和の香りのする噺家がいいと思うようになっている小生、やはり昭和のオヤジなんだろうなあ・・・
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