乳頭温泉「鶴の湯」は昭和レトロの世界がそのまま残ったようなお宿である。それも昭和40年代以前という感じか。
乳頭温泉の名前は、乳頭山という山のふもとに位置するところから由来する。乳頭山はその名の通り、女性の乳房のような形の山だが、岩手との県境で、岩手側からの山容は一変していて烏帽子岳と呼ばれている。
車で田沢湖温泉を越えて山に入ると、いかにもという秘湯っぽい道が続く。そして・・・
トップ写真は有名な正面ゲート・・・ここから見える風景はへたすりゃ大正? ぐらいの感じが漂う。この日は快晴といってもいい天気で、風もさわやかだった。
以前はランプの宿と呼ばれていて、電気も来ていなかったが、今では自家発電でまかなったりしているらしい。
そのため、部屋にはクーラーはもちろんテレビもない。トイレや洗面所も共同という部分もレトロで、屋根付きのキャンプに来たような・・・
ところがその一方で10年のインターバルの間にトイレはウォシュレット対応になっていたし、なんとWi-Fiも通じるようになっていた。
これは嬉しかった。なにしろ、この場所はDoCoMo以外は圏外なのだ。外観は見事にレトロなままだが、中は少しずつ変わっている様子。
とはいえ、食事はいつもの・・・というくらいの内容。今回小生はかつて湯治客が宿泊していたゾーンらしく、食事は本陣と呼ばれる大部屋にてとる形。
写真でわかるように高野山でいただいたようなお膳のスタイル。小生には問題ないが、海外からのお客さんや、足の悪い方には辛そうだ。
囲炉裏には、名物の山芋の団子汁が掛けてあったが、山菜やキノコ中心のヘルシーというか、素朴なもの。
焼き魚はイワナの塩焼きだったが、ふっくらして美味しかった。だが、この日のハイライトは追加で頼んだイワナの刺身と、鶴の湯限定の純米酒。
こちらは瓶がお土産に持って帰れたので、自宅に飾ることにした。食事自体はご覧の通りで、素朴だが、身体には良さそう・・・
そしてテレビもない部屋にいると時間の感覚がなくなっていく。夜空の星は見事だったが、いつものように早めに寝るしかない。
となれば、翌朝の目覚めも早く・・・で、5時前からお風呂に入ってしまった(苦笑)
また、お宿は安いが、東京からだと交通費もそれなりにかかる。トータルで考えると温泉マニアには魅力的だが、快適な施設や豪華なお部屋を求める向きにはおすすめしにくい。
あと、今回宿泊したのが6月1日だったが、後でこの日が秋田駒ケ岳の山開きの日だと知った。そのため、登山客でなおさら混み合っていた。
よって宿泊予約の時には注意されたい。次回はいつになるかなあ・・・
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