小生、くりぃむしちゅーのファンである。上田・有田そろってけっこう知的で、ギャグのセンスも好みだし、司会などでも現在のテレビの世界では有数の人材だと。
小生がお気に入りの女子アナの大木ちゃんやAKBの大家志津香なんかは、くりぃむに気に入られて成長した感があるし、逆に小生もこの二人が大のお気に入りにもなった。
ただ、そんな中上田がMCを務めるTBSの「サタデージャーナル」が6月で打ち切りになるというニュースがとびこんできた。
もちろん、番組改編はテレビ局の常であり、視聴率が低迷すれば・・・とか、いろいろな事情があるとは思うのだが、MCを誰かに交代するのでなく、番組がなくなるのは・・・
となれば、炎上を恐れずに書けば、局が政府に忖度して上田を降ろしたということだろうと。当然政府筋が「圧力をかけた事実はない」といい、おそらくはその通りだろうが。
かつて、この番組を通じて話題になった言葉といえば、「赤坂自民亭」問題のときの「えひめ丸の事故のとき、森喜朗首相がゴルフやってて退陣まで追い込まれたじゃないですか。僕はまったく同レベルの話だと思うんですよ」とか、沖縄県民投票の結果を無視して辺野古埋め立て工事を続行することに対し「真摯に受け止めるっていうのは無視することなのか」など。
いずれも小生からすると、「その通り! よくぞ言ってくれた」というものだ。
最初に誤解のないように言っておくと、この発言がすべて正しいとか言うつもりはない。ただ少なくとも、こういう視点からの意見を表明する報道はあるべきだと思っている。逆にいえば、どんなときでも政権支持する立場の報道も小生は否定しない。
おかしいのは、「芸能人の政治的発言はけしからん」と言いつつ、政権擁護発言は「政治的発言」にはならず、批判的なものだけ「政治的発言」として問題視することだ。
政権擁護発言だって、立派な「政治的発言」であり、どこかの元総務大臣が放送局の停止までちらつかせた「政治的公平性」に抵触するのでは・・・と。
さらにいえば、どこかの政府は無視を決め込んでいるが、国連からの勧告でも放送法の「政治的公平性」の存在そのものがおかしいとされていることも忘れてはいけない。
つまりグローバルな常識でいえば、報道はそれぞれの立場から色がついてなされるのが当たり前で、政権支持者向けの報道も、反政権の報道もあるのが当たり前だということだ。
この点について安倍支持者の方からの意見を伺いたいものだ。
以前取り上げたジャパンディスプレイ問題についても、NHKは台湾のメーカーが支援から降りるという事実を淡々と伝えていた。冗談じゃない、この企業がどういうもので、これまでどれだけ公金をつぎ込んできたかを知れば、多くの人が「おいおい」となるはずだ。
何しろなんたらミクスの成長戦略とやらで、鳴り物入りで作った代物だから・・・
話を戻そう。何を言おうと「サタデージャーナル」は終わってしまうのだが、上田が問題視しているのは、それぞれの問題そのものより、そこから見える安倍政権による「民主主義の破壊」である。
例の年金問題で、彼はこのように述べたという。
「選挙前ににわかに浮上した2つの問題。そこに共通して感じたのは、どこかで見たことがあるような既視感でした。あったことをなかったことにする。答えありき、結論ありきで進める政策。政治は結果がすべてという声も聞こえてきますが、民主主義の国においてはそのプロセスを見せることも同じぐらい大事ではないかと思います。選挙前だからこそなかったことにするのではなく、国民の前に選択の判断材料をしっかりと見せてほしいと思います。目先の選挙ばかりにこだわる政治。それが果たして、我々国民、未来の子どもたちにとって、より良い世の中をつくることにつながるんでしょうか?」
どこかの政府が「あの国に民主主義はない」とばかりにとりあげる中国だが、一国二制度と言いつつも、香港の大規模なデモにより立法府が法案を事実上撤回した。
データそのものが間違えていたとかなんといいながらもイージス・アショアの適地は変わらない。県民投票や選挙で示された辺野古の基地建設も見直しの議論すらない。
この国には民主主義はない・・・改めてそう感じたニュースであった。
上田氏のコメントは個人的には論理もしっかりしていて、納得できるものと思っています。
その一方でshimaさんの紹介する映画も見たいなあと・・・逆に参院選前に忖度で放映中止になったりしないか心配ですが。
それにしても、与党は報告書を受け取らなかった判は正しかったとして国会の問責に臨むとか。
小生の価値観からすればありえない判断ですが、こうした判断をしていても支持率が下がらないのはなぜ? 不思議な思いですが、ここへ来て国民はそれでいいと本気で思っているのではと思うようになりました。
今回の「金融庁の報告書を受け取らない」問題は、今までの諸問題も、“こうしてなかったことにしてきました”という、忖度過程の証明のようにしか見えません。
まもなく公開の映画『新聞記者』は、内閣情報調査室に迫る、初の日本映画かも。
忖度社会に真正面から向き合った意欲作です。