アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

柳家さん喬独演会

2010-12-20 06:29:17 | 落語
柳家さん喬といえば、マスコミには売れていないが、しっかりした江戸前の落語を聞かせてくれる噺家であり、最近人気の喬太郎の師匠でもある。


 そのさん喬の独演会が三鷹で行われたので出かけてきた。事前のネタ出しで「芝浜」をやると出ていたが、これは楽しみだぞ。昼夜の二部とも満席という。
 さて、開口一番は小んぶ。先日喬太郎の会でも聞いたが、二ツ目成り立てとはいえ、やはり口跡がすっきりせず、どうも・・・な感じの「初天神」だった。

 そしてさん喬の登場、何をやるかなと思い、マクラを聞いていたら、えっ夢の話・・・あれれ? と思っていたら「天狗裁き」だった。
 このネタは花緑がよくかけているが、小生以前、鈴本でさん喬がやっていたのを聞いている。どうやら好きなようだし、さすがにいい仕上りだが・・・

 そう通の方にはおわかりのことと思うが、寄席ではネタ被りを避けるのがお約束。天狗裁きも、ネタ出しでの芝浜も「夢」のつながり・・・おいおい、いいのか(汗)
 どうするんだい・・・と思っていたら、中入りとせず、すぐ着替えて再度登場。始めたのが「掛取り」だった。そういえば、お囃子に恩田えりちゃんが入っている。

 えりちゃんは市馬がお気に入りで、掛取りをかけるときにはえりちゃんのときが多い。市馬曰く、アドリブも融通がきき、やりやすいという。
 なんと言いつつ、さん喬の掛取りもさすがである。義太夫あり、芝居あり、とどめに三河萬才ありで、しっかり楽しませてくれた。

 中入り後は、ヒザにニューマリオネットが入り、いよいよお待ちかねトリでさん喬。冒頭「夢」被りの話などしながら、芝浜に入る。
 うん、う~む、いい。さすがにさん喬、余計な説明めいた台詞がなく、くどさがないし、表情と笑い声ひとつで、江戸っ子らしい照れ隠しと感謝の気持ちを見せてくれるところなんぞは江戸前の粋を感じる。

 サゲに入るところでは、わかっていながらも小生涙かこみ上げてしまった・・・ここ数年では、たい平のくどさ抜群のそれと、円楽のあっさりとしたそれを聞いていたが、一番よかったかなと。
 やはりさん喬は、玄人ウケのするいい噺家である。それを再認識したが、今更ながら柳家小さんの偉大さを感じ入った次第であった。

 また追いかける噺家が増えてしまったかも・・・
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