人形町の日本橋社会教育会館で、毎月開催されている噺し問屋という落語会がある。小生ひいきのひとり、三遊亭兼好の会だ。
いつもはなかなか行けないのだが、知人が行けなくなったということで、出かけてきた。今回がその110というからすごい。
この会は冒頭で、兼好自身があいさつがてら漫談をやる。これが兼好流のもので抜群に面白い。すっかり温まったところで、開口一番。
兼好の四番弟子のけろよんが「弥次郎」をやる。このネタ、久しぶりに聞いた。最近の前座では圧倒的に子ほめが多く、こういうネタは新鮮で嬉しい。
そして、兼好の登場。あいさつの名残を感じさせながら始めたのが・・・おっ、「天災」だ。昔は寄席に行くと誰かが掛けていた感じのネタだが・・・
これが兼好の手にかかるとなんとおもしろいことか・・・こんなにバカウケする天災を聞いたのは初めてかも。
中入り後はゲストで、あやつり人形の上條充さん。自作の道具というが、見れば見るほど技が巧みなことがわかる・・・
というのも今回の席が最前列で、しかもど真ん中だったからだ。特に獅子舞の人形は獅子頭に加え、前後の人間の部分も動く。
途中で布をあげて人間が顔を出す、しかも前後別に・・・なんてところなどはどうやってるの? って。
空気が変わったところで、兼好の登場。かつて築地市場に勤務していたことを語りながら始めたのは・・・おっ、「佃祭」だ。
この噺、なかなか難しい・・・バカウケするようなストーリーではないし、かといって人情噺というところにまでは行かない。
プロとアマチュアの小生を比べてはいけないが、うかつにも手を出して痛い目にあったネタだ。そして、実は参考にさせていただいたのが、兼好のそれ。
その時の演出を思い出しながら聞いていくと、むむ・・・ずいぶん変わっているぞ。そして、その変化はあきらかに笑いを増やす方向に向いている。
さすがに兼好! といったところだが、けっこうウケてしまったものの、重くならないのも兼好ならではか。
改めて師のセンスを感じてしまった。やっぱり兼好すばらしい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます