川崎フロンターレの件

先日のナビスコ杯の決勝戦の後の表彰式における川崎フロンターレの選手の態度が大問題になっている。なんでも、準優勝メダルをもらってすぐ外したり、ガムをかみながら表彰台にもたれかかったり、関係者との握手も拒んだ選手もいたという。

“ガムかみ”森が反省の涙「フェアプレーしたい」(スポーツニッポン) - goo ニュース

　その結果、川崎は自主的に準優勝賞金5000万を返上したというが、きわめて腹立たしく、情けない話である。彼らは、何に腹を立ててそういう態度をとっていたのだろうか。
　小生は、その試合は見ていないが、審判の微妙な判定で試合が決まったとかいう話は聞いていない。それがないとしたら、そうした行為の意味がわからない。

　ちなみに小生、噺家のはしくれとして、芸(本業)がしっかりしていれば、後は何やっていてもかまわんというポリシーの持ち主だ。
　だから、どこかの国の高校野球のように、清く正しく美しくなんて求めないし、ましてや「負けて悔いなし」なんて言ってほしくもない。悔しくて当たり前だ。

　だが、それでこの態度をとることが悔しさの表現だと思っていたり、ましてや、ないとは思うがカッコイイなんて思っていたとしたら、とんだ勘違いだ。
　なぜなら、表彰式はあなたたちにとって本業だからである。プライベートの立場で、女遊びをしていようが、酒に溺れていようがかまわない。しかし、本業でシャンとしないでいつするんだと・・・それ見て、子供たちがJリーガーになりたいと思うかと。

　試合後のインタビューで、「悔しいです」となんぼでも言ってほしかった。そこでやらずにこれはダメだよって・・・
　ジュビロのバスの運転手さんの話をサポのマガジンで読んだことがある。彼曰く、「バスの乗り降り、社内での弁当の後片付け等、すべてにわたってトップチームとサテライトの選手は違う。圧倒的にトップチームは礼儀正しい」と。

　ひいきの引き倒し承知で言うと、小生はそこに中山の姿を見たように思った。
ベンチにすら入ることの少なくなった今シーズンでも、本業に対してはひたすらまっすぐで、他の選手の誰よりも早くグラウンドに来てトレーニングを始め、誰よりも遅くまでトレーニングしているという。

　試合に出られないことで悔しいはずの中山だが、そんなことはみじんも見せず、ひたむきでまっすぐな姿勢を貫いている。まさにこの姿勢がプロを体現していると考える。
小生がこんなところで何を言ってもどうなるわけではないが、この出来事はちょっと悲しかった。