夕刻に 鳴り響く 電話音。丁度夕食の支度中。
念のためガスを止め電話口へ。
第一声で「恩師だと」気づいた。高校生の頃の自分と先生。
優しかった笑顔、部員達を溺愛し「甘いと言われた」恩師。
この先生のもの言わぬ「愛情が」生涯の私への教えと成った。
「人は欠点だらけ。有りのままの姿を受入なさい」
思春期の、あの未熟な私を戒め励ましてくれた方。
「元気にしていますか?ぼくはこの十年間、若い頃の持病で(喘息)
苦しみましたが、幸いにも良いお薬が出来て・・・命拾いしました。
貴女はどうですか?今でもあの頃の貴女を思い出しては
懐かしくなります。」
答える私は 声を詰まらせて居た。
卒業してから40年以上経ち、最後に出逢ったのは主人を
紹介したとき。
「貴女も嫁に行き三人の子持ちに成ったのですね
お転婆で気が強いですが良い子です。ご主人、一生大事に
してあげて下さい。
僕の大事な宝物ですから」 今でもその笑顔を忘れない。
90歳に近いお年かと・・・暑さ厳しい日々ですが、お体大切に
元気でいて下さいね。御声を聞けて幸せです。
40数年前の私が其処にいた。